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#10|最近のWebのしんどさ|2024.10.03

山本龍彦『アテンション・エコノミーのジレンマーー〈関心〉を奪い合う世界に未来はあるか』

あんまこういうジャンルの本は手に取ってこなかったけど、最近の自分の関心との重なりもあって、よんだ。

その関心を一言でいえば、アテンション稼ぎと、広告に埋もれた最近のWeb、まじで不便では?ということに尽きる。

ちょっと言葉の意味を確認するのに数秒のCMを見せられたり、読みたい記事のあいだに無数のトキシックな広告が挟まってたり、急にムービーが流れ始めて聞いてたポッドキャストが止まったり、料理のレシピ見てたら変なサイトに飛ばされたりすることが、最近目に見えて増えてて、Webに滞留するのがとにかくしんどい。

いちおう、本書での説明をみとくと「アテンション・エコノミー(関心経済)」とは「ページビュー(閲覧数)やインプレッション(表示回数)、滞在時間などのかたちで具体的に示される私たちの「アテンション」を広告主に売って、ビジネスを成立させている」経済モデルのこと。

本書は憲法学者の著者が、文芸春秋取締役、弁護士、電通デジタル社員、認知心理学者、AI研究者、スマートニュース社員、文筆家とそれぞれ対談をおこない、アテンション・エコノミーの行く末を議論したものである。個人的には、とくに弁護士の森亮二氏、認知心理学者の下條信輔氏との対談が、知らない話だらけでめちゃくちゃ勉強になった。あと、電通の馬籠太郎氏との対話のふりかえりの文章「「クリエイティブ」は本当にクリエイティブなのか?」の書き出しが、とてもスリリングだった。

前回触れた、つやちゃん『スピード・バイブス・パンチライン』のインタビューでも、Dos Monos・Taitanが「市場と結びついてないことの信頼性」について語っていて、あらためてそのとおりだと思う(もちろん、バランス問題だとは思う)。

という関心の流れのなかで、もうすぐ出るこの本も気になってる。

愚痴回。

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