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ことり組がクラブだった

私が幼稚園の年中さんだった頃の話。

年中さんといえば5歳くらい。
そんな昔のことなので記憶があやふやだが、その後引っ越しを経験しているせいか、わりと覚えている。

そのあやふやな記憶シリーズの中でもよく覚えているのが、ことり組の話だ。

私はりす組で、ことり組はとなりの組だった。
ことり組は少し大きめの部屋だった。


そして私は一時期、そのことり組に通っていた。

なぜなら。

アンパンマン体操を流していたからだ。

日テレで放送中の「アンパンマン」のエンディングでも流れている、あの曲だ。

お遊戯の時間か何かでアンパンマン体操を習った私たち園児は、先生のはからいで流されるアンパンマン体操の音楽を聞きつけ集まり、踊った。

もう飽きるまで踊った。踊り狂った。

友だちを誘い毎日通った。

まさしくあの時の私たちにとって、ことり組はクラブだった。
体操クラブとかではなく、あのパリピが集まるクラブだ。
DJは先生。ミラーボールは蛍光灯。客は5歳。すばらしく健全なクラブだ。


ちなみに22歳現在、ほんとのクラブには行ったことがない。

アンパンマン体操を踊り狂っていた私だ。パリピの素質はあるかもしれない。
ただ、残念ながら夜に出歩くのが好きではない。そしてお酒の良さもよく分からない。
パリピとは対極にいる人間だ。

おそらく、私の人生で最初で最後のクラブはことり組になるだろう。



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