マガジンのカバー画像

駄文

4
いずれ恥ずかしくなるやつなので読まないでください。
運営しているクリエイター

記事一覧

溶けていたい

溶けていたい

とあるアプリの〜の第4弾です。前3編の続きでは無いです。

じんわりと火照った目じりが痛い。
今日もいつも通りの自分で居たいのに。
少し乱れたショートボブの黒髪が、彼の好きなこの髪型が今の私にとても似合ってしまっている。
鏡に映る物憂げな表情をこの小さなポーチは隠してくれるだろうか。
本当に楽しかった。まだ飾らない私を見せることは出来なかったけれど、いつも通りの自分で居られていた。
それなのに、そ

もっとみる
夜明け

夜明け

どっかのアプリのどっかのページで書いたやつの3作目です。一応完結です。

成人式以来7年振りに会う彼は落ち着いた目をしていた。
彼の座るテーブルを見つけて手を挙げると、彼は少し驚いた顔をした。そして少し恥ずかしそうに、久しぶり、と呟いた。
懐かしいその声に口角が緩み、食い気味に、久しぶり、と返す。
「元気だった?24の時の同窓会行った?」
「まあまあかな。そのとき海外に居たから行ってないよ」
そっ

もっとみる
ススキが揺れる

ススキが揺れる

どっかのアプリのどっかのページで書いた短編小説の2作目です。一応前回のやつの続きです。

太陽が眩しい。
赤く光る信号を睨み深呼吸をした。
テスト期間は苦手だ。
そう思いながらもう1度大きく息を吸いこんだ。

「はろー。まいねーむいずりきや。よろしくな!」
小学3年生の始業式、父親の転勤で山形から東京に引越ししてきた自分にとって、新しい同級生はみな外国人のように見えた。
トウキョウ。
それは自分に

もっとみる
序章

序章

とあるアプリの、とあるページで投稿した物語である。
これは初めて真面目に書いた物語であり、言ってしまえば、カツヲの"処女作"である。全3編に及ぶ物語だが、とりあえずひとつだけ投稿することにする。

「ユージ!はよケリキューしようや」
塩気にまみれた喉の渇きそうなポテトチップスを貪りながら、リキヤはそう言った。
「わかったわかった」
最近流行りのお笑い番組に影響されたのか、リキヤは関西弁を話す。

もっとみる