話題のベルフェイス、1年働いた振り返り(2/3)~プロダクトマネージャー編
ベルフェイスのプロダクトマネージャーの石田です。1年振返りの第2部はベルフェイスで不在であった「プロダクトマネージャー」に就任した時の振り返りになります。
ちなみに第1部はこちらです。
ベルフェイスでプロダクトマネージャーに就任したことは非常に良かったです。入社理由の一つは「プロダクトの秀逸さ・可能性」であり、コロナ禍の難しい環境下でプロダクトの責任を担うことはやりがいとなりました。
※採用面接でお見せしている僕のベルフェイスに対する捉え方資料より抜粋
【4月】プロダクトマネージャーに就任
4月のハイライト
・キャッチアップ、現状理解と開発チームとの関係構築
・方針、「成果につながるベルフェイス」「誰でもつかえるベルフェイス」
・キャッチアップ、現状理解と開発チームとの関係構築
入社時にアサインをされていた特命ミッションは、コロナ禍の市況変化を踏まえて停止した。そして代わりに市況変化の中で立て直しが必要になったプロダクトの責任を担うことになった。特命ミッションでも、無償提供でも全社横断で動いていたことが功を奏し、比較的スムーズに開発チームとの関係構築が進められた。
ほぼ1年間プロダクトマネージャー不在の状態のため、開発優先度も定まっておらず、開発のハンドリングはできていない状態。
・ビジネス側から見ても、なぜその開発がされているのか?
・開発側から見ても、どうしてこの開発をしなければいけないのか?
この状態の打破をするために動いた1ヶ月だった。
・方針、「成果につながるベルフェイス」「誰でもつかえるベルフェイス」
プロダクトはどこに向かうのか?を最初に指し示さねばと考えた。CS(カスタマーサクセス)のゼネラルマネージャーの泰己さんとも、社長の中島さんとも議論を重ねて定義した方針は、その後の様々な変化や議論を経ても変わっていない。
この方針を早期に言語化できたことは、とても良かった。僕自身が何かを検討する際にも、判断する際にも、説明する際にも立ち返る指針となっている。
【5月】社内連携不足で混乱
5月のハイライト
・しくじり、社内連携不足が露呈し緊急リリース
・マルチ化、重なるプロジェクトをどんどん回す
・しくじり、社内連携不足が露呈し緊急リリース
方針も定まり、前に進みたいという気持ちが強く先行した。そもそも4月から新プロダクトマネジメント体制がスタートしたばかり、リリースプロセスもまともに整っていなかった。CS現場からの情報吸い上げが不足したまま、機能をリリースし混乱を招いたことは今でも強く反省をしている。結果として、緊急で巻き戻すリリースをする事態に陥った。
この時の反省から、翌月にはプロダクトチームをCSグループ配下に異動させる判断を行った。これは現在も継続されており、おかげで顧客の声、CS現場の声がプロダクトに反映される体制にできていると思う。
・マルチ化、重なるプロジェクトをどんどん回す
利用者の急拡大による安定性の維持、不具合への対応、iPad/スマホ対応、無償提供プロジェクトの終了、日々の改善要望への対応…いくつものプロジェクトが重なり、お手玉のように回し続けた。
一つ一つが決して軽いものはなく、自分でもよく回していたと思う。ただ、2020年12月の自分であれば、違った判断をできたのではないか?と思う。回すことが”デキてしまった”が、FOCUSはできていなかった。やらないことを断固たる決意で決めたかった。
【6月】多忙すぎて1日だけメンタルブレイク
6月のハイライト
・メンタルブレイク、1日で回復
・CS異動、現場の声が近くなり痛感する社内の乖離
・ローン審査、落ちた
・メンタルブレイク、1日で回復
4月以降、本格的にリモートワークとなっていた。家で全くメリハリ無くずっと働いていた…奥さんに指摘をされ、無理していることに気付かされた。思い切ってその日1日は何もしなかった、そして翌日からは10時以降の仕事はやめた。もともと仕事人間だったが、やはり環境が変わることの影響は大きかった、メリハリ大切!
・CS異動、現場の声が近くなり痛感する社内の乖離
CSに異動してすぐに、プロダクトに対するCS現場のフィードバックを実施すると、忌憚のない意見が多く貰えた。ベルフェイスのCSは課題も多いが、一つ圧倒的に優れていることは「顧客の解像度が高く、顧客に対して良いものを提供したい」想いが強いことだ。
改めて現場との距離を近づけてみると、顧客の声/現場の課題は吸い上げられていないし、プロダクトのビジョンや想いも伝えられていないことが痛感できた。恥ずかしい話、CS現場からは不信感に近い感情すらあった。
・ローン審査、落ちた
家探しで6月の土日は全て潰れていた。そして購入した中古マンション、人生はじめての借金、ローン落ちた(号泣)
【7月】大きな1歩を踏みした
7月のハイライト
・プロダクトデザインコンセプト「無意識につかえちゃうUI」決定
・プロダクトロードマップ作成に着手
・解約インタビュープロジェクトが始動
・プロダクトデザインコンセプト「無意識につかえちゃうUI」決定
詳しくは近日中に出す寄稿記事を参考にしていただきたい。(年末に既に納品しているのでまもなく公開されるはず)
このコンセプトは1週間で一気に作り上げた。コンセプトなんて…建前だろ?とはしたくなかった。実際にデザインコンセプトができて、開発真っ只中だったオンライン名刺機能は、3ヶ月ほど進めていた開発を見直し、1からやり直しにした。
・プロダクトロードマップ作成に着手
プロダクトマネージャーに就任して3ヶ月、目下の課題対処が一段落すると見えてきた課題は大きく2つあった。
①限られたリソースの中で効率的に開発をすすめること
②CS現場の声をプロダクトに反映させ、リリースプロセスを可視化すること
これらを解決するために、プロダクトロードマップの作成に着手し始めた。ベルフェイスは過去にプロダクトロードマップを作っておらず、会社としては初めての試みになり2ヶ月近くかかった。最大の工夫は「機能単位」での開発ロードマップではなく、プロダクトの一つ一つの領域(例えば、管理画面や商談機能といった粒度)で、どういう状態になっているのか?を定義したことである。このおかげで、ロードマップに柔軟性がもたらされた。
・解約インタビュープロジェクトが始動
コロナ禍で急変する市況環境の変化にプロダクトが追いついていなかった。チャーンレートは倍以上に上がってしまい、僕らは顧客の変化を見失っていた。詳しくはこちらのインタビュー記事に任せるが、顧客の解像度を上げることが急務であり、解約インタビューを実施した。
解約インタビューはその後ベルフェイスを最も活用してくださっているユーザーへのインタビューにも発展していくことになる。いつでも重要なインサイトをくれるのはユーザーである。
【8月】2歩目3歩目、前に進む
8月ハイライト
・プロダクトロードマップの検討が前に進む
・解約インタビューも前に進む
8月は7月に踏み出した1歩を次に着々と進める月であった。振り返るとハイライトは地味に見えるが、堅実に前に進むという意味ではとても良い1ヶ月であった。重要なことに堅実に取り組んでいる時間を2021年は増やしていきたい。
【9月】イケイケ…と思ったら事故る
9月のハイライト
・粉砕骨折、人生はじめての入院と手術
車と衝突…手の甲の骨が粉砕…物理的な制約のなか戦いました。気づきましたか?昨年末から8ヶ月ぶりの骨折です(笑)
※仕事はちゃんと進めました。ロードマップの完成&解約インタビューの整理です。
第2部はここまで!
2020年コロナ禍による急速な外部環境の変化は、ベルフェイスに「追い風」と「向かい風」の強風が同時に吹き荒れた。代表の中島さんのブログにもあるとおり。
この強風の中で、プロダクトマネージャーとして多少なりとも立ち回りはできたと思う。もっと地に足をつける動きをできたのではないか?という反省も残る。
それでも開発メンバーから「開発がとてもやりやすくなった、わかりやすくなった」と言われ、CSメンバーから「声が届くようになった、顧客に必要な機能が作られるようになった」と言われたことは、純粋に嬉しかった。
第3部、怒涛の兼任編は明日に出す予定です!よろしくおねがいします!