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旧古河庭園、建築と庭

 東京北区にある旧古河庭園に行ってきました。ばらフェスティバルが開かれていて、大勢の人でにぎわっていました。
 人がなるべく写らないようにして建物を撮影していたので、帰宅してから確認したところ、見事に薔薇がほとんど写り込んでいない写真ばかりでした。(*'▽')

手前に薔薇園があるのだけど、
人が多くて殆んど写っていない

 この重厚な洋館を設計したのはイギリスの設計技師ジョサイア・コンドル。明治政府の招きで来日し、鹿鳴館、岩崎邸、島津邸、ニコライ堂、三井俱楽部などを手掛けました。日本人の妻を持ち、日本庭園など日本文化や芸術にも関心を寄せて著書などを残し、日本で亡くなりました。

 館内は撮影禁止なのですが、コンドルについての展示もあります。それらの一端を見てふと思いました。25歳の若さで来日し、68歳で亡くなるまで日本で暮らして、コンドルは西洋館を欲しがる日本人に対し、どんな気持ちを持っていたのだろうかと。
 日本には日本の風土に根差した建築がある。ヨーロッパとは気候風土がまるで違うし、生活スタイルも違う。
 日本政府が西洋近代文明を早く吸収したいのは彼も十分理解していたでしょう。しかし、生活スタイルまで━━しかも、上っ面ばかり、マネをしている日本人に対し、内心はどう感じていたことか。

  実は外観からは全く分からないが、二階はほとんど和室なのだそうです。(ガイドツアーでのみ見学可能)パンフレットを見ると、窓には障子があり、内側からは全くの和風の造り。
 これぞ和洋折衷、日本人の得意とするところ(?)西洋を取り入れつつ、かといって染まり切らず、日本に寄せています。
 コンドルも日本人はユニークだなぁ、と思ったのではないでしょうか。

入口の蔦のステンドグラスは古河家の家紋

 バラ園の階段を下っていき木立を抜けると、景色は一変して本格的な日本庭園が目の前に広がります。

写真ではわかりづらいが、この灯篭、人の背丈よりもはるかに大きい。
枯滝
枯山水の道具立て

 この庭を作ったのは、京都の庭師、小川治兵衛。起伏にとんだ地形を生かし、心字池を中心に見ごたえある庭です。そして何より、ほっと気持ちが和むのです。

 茶室もあり、別途料金を払えばお茶菓子とお抹茶をいただけます。涼しいです。

茶室で一服

 森の中には書庫があります。なんだか中国の時代劇に出てきそうな建物です(?)

書庫

 バラは秋にもう一度関咲きます。その頃にはモミジや銀杏も色づくでしょう。


入場料 大人150円 65歳以上70円
洋館見学 400円
(茶室は常時開設しているのか不明です。茶代(菓子付き)は有料でした)

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