見出し画像

season1 4話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

4.『テーブルシティでテラスタル!』


 ということで戦闘開始。ヨーコの先発まんじゅう。ネモはホゲータ。

「今回は二匹でいかせてもらうね!」

 ホゲータからりんしょうをくらい、動きをとめられるも、マッドショットで弱点をつく。
 たいあたりをかまされるも、ポイズンテールをくらわせるまんじゅう。倒れるホゲータ。

「思った以上に押されてる! やっぱりヨーコ……、いいね!」

 パモを繰り出すネモ。

「私、とっておき使っちゃう!」
「とっておき……?」

 テラスタルオーブでテラスタル!

「キレイ……。って、いやいや何ねこれ!?」
「ポケモンをテラスタル! タイプの威力をもっと高めるんだ!」

 マッドショットで削るも、二発目が間に合わずでんこうせっかをかまされ、急所に当たって倒れるまんじゅう。わっぷるさんも出すが、効果抜群であえなく倒される。

「効果バツグンならなおさら強いの!」
「ぴっかりさん、あんたに決めた!」
「ピーチュ!」

 でんきショックをくらう。かなりの威力。

「うそ、同じでんきタイプなんに……」
「テラスタル、やっぱり強い! 効果今一つでもこの威力ー!」
「撹乱して攻めまくるんじゃ!」

 撹乱し弱ったところをでんきショック。辛勝するヨーコ。

「急成長にビックリ! すごいよ、テラスタル相手にそのままで勝っちゃうなんて!」
「テラスタル? さっきのキレイなののこと?」
「あ! そうだ! ヨーコはまだ使えないんだ! あとで何とかしてあげる!」
「あ、うん……」
「勝負と、あとお饅頭のお礼。学校の町テーブルシティでアイスおごったげる! この門の向こうだよ!」
「その前に、また回復させてくる」
「じゃあ私はひと休みして追いかけるね。町の中は坂とか階段とか多いから」

 というわけで、テーブルシティの門をくぐるヨーコとぴっかりさん(わっぷるさんとドオーは休ませている)。

「わー! やっぱり大けえ街じゃねえ!」
「ピーチュ!」

 歓声を上げていると、ネモも追い付き、

「やっと着いたねー! パルデア地方最大の都市!」

 横合いの公園へ行く。回復したわっぷるさんやまんじゅう達とアイスを食べながら話す。

「昔から交易が盛んで、新しい技術や知識をもとめてたくさんの人達が来るんよね?」
「その通り! あと美容室とかお惣菜がおいしいお店もあるよ! ヨーコは何が気になる?」
「うーん、お惣菜屋さんかな」
「お腹減ったらポケモン勝負できないもんね」

 笑うネモ。それからハッ、として、

「あ! 勝負といえば、ヨーコにもテラスタル使ってほしいんだった! ちょっと手続きが必要だから、代わりにやってくるね!」
「うん、ありがとう」
「その間、町を見て回ったら? レストランとかもあるし。私のオススメは、ポケモンに持たせて便利な道具売ってるデリバードポーチかなー!
 ひととおり見終わったら、学校の前に集合! 階段すごいから……、覚悟してね」
「は、はい……」(汗)
「じゃあまたあとで! 楽しみにしててー!」

 ネモ、アカデミーへ駆け出していく。

「さて、ちいと見て回るかね」

 そしてあちこち歩き回りアカデミーに続く階段へ。まんじゅうは少し疲れたのでボールへ。
 上っていくと、

「キミもスター団に入ればお星さまのように輝けるのよ!?」

 声が聞こえ、急いでかけ上がるヨーコとぴっかりさん&わっぷるさん。
 中段の広場で、スター団のしたっぱふたりがイーブイバッグの女の子に絡んでいた。女の子、黙りこくっている。

「本当なんなのキミさ? 仲間とまぶしい青春送りたくないの?」
「……別に」
「こちとら勧誘ノルマあるんだから、さっさとスター団に入りなさいよ!」
「えと……、困ったな」

 静かに怒るヨーコとぴっかりさん。
「スター団!」
「ビーヂュ」

 わっぷるさんともうなずきあい、女の子の前に駆けつける。

「ん? スター団に何か用!?」
「入団希望なら後でね! 今お話中なのでね!」
「あたしら泣く子も笑うスター団。キミは知ってるよね?」

 ヨーコ、低く唸るように、

「……知っとるも何も。こちとら恨み骨髄じゃ」

 ぴっかりさんもわっぷるさんもにらんでいる。

「は? なんなのよキミまで、せっかくスター団に入ったのに、こんな扱い底辺じゃん」
「ナメられっぱなしだと団の面目丸つぶれ!
 勝負するっきゃなくない?」
「そりゃそうね! あんたは最初のメガネを見張ってて! ナマイキな新顔ちゃんはあたしがお星さまにさせちゃうわ!」
「やれるもんならやってみい、そん言葉、そっくりそのまま返したる!」

 売り言葉に買い言葉、したっぱシルシュルー繰り出す!

「くっ、行け、シルシュルー!」
「わっぷるさん、一太刀浴びせえ!」
「ワブ!」

 わっぷるさん突撃! さっそくひっかいてくるシルシュルー。急所に当たる。

「やりい! なめてるからこうなるのよ!」
「確かにほうじゃ。反省する。わっぷるさん、全力みずでっぽう!」
「シルシュルー、思い切りひっかいておしまい!」

 攻撃にめげず、至近距離でみずでっぽうを食らわすわっぷるさん。倒れるシルシュルー。

「ウソ、あたしがお星さまになっちゃった!?」
「ようやった! ありがとう、かっこよかったで」
「ピーチュ!」
「ワプ~」

 キズぐすりをかけねぎらい、わっぷるさんをボールに入れる。

「なんなのこの新顔ちゃん。マジ強いんだけど……」
「怒りの力なめんな!」
「ビーチュ!」
「後輩がやられた……!? こうなったら先輩のオレが相手をするしかないのか……!?」
「ちょっとちょっと! 何やってんのー!」

 ネモがかけつける!

「ネモさん!」
「ゲッ 生徒会長」
「めんどくさいヤツに見つかっちまった……」
「もう! ダメだよヨーコ!」

 ヨーコに怒るネモ。

「ご、ごめんなさい」
「ポケモン勝負するなら、わ、た、し、と! ……でしょ!?」

 ヨーコ、ちーん。

「……いや、そがなことじゃのうて……」
「えっ!? あ、ごめん! 勘違いしちゃった!」
「はあ」

 ジト目のぴっかりさん。

「本当だ。よく見たらスター団! また強引な勧誘してる!」
「あ、はいどうも」
「なるほどね! 本来なら生徒会長としてこの騒ぎを収めるべきなんだろうけど、せっかくだから、ヨーコが超・マル秘アイテムで解決しちゃえ!」
「超・マル秘アイテム? まさか……」
「そう! これ!」

 ヨーコ、ネモからテラスタルオーブをもらう。

「キレイ……。キラキラしとる……」
「ピー……」
「テラスタルオーブ! 持ってると戦闘中にポケモンをテラスタルできるんだ! ぴっかりさんはでんきタイプにテラスタルしそう」
「ピーチュー!」
「さっきのパモさんと同じじゃね」
「これもらうのって、本当は専用の授業受けないとだけど、私が推薦しといたから!」
「何から何までありがとう」ペコリ
「いいっていいって! じゃ、ものは試し! 戦いながら使い方知っていこーっ!」
「うん!」「ピチュ!」

 張り切るふたり! 呆然なスター団したっぱ。

「あれ? この流れはテラスタルのお試しにされる感じですか……?」
「いやなら、わたしと勝負だよ」

 不敵に脅すネモ。したっぱ歯噛みして、

「……ぐぬぬぅ……。新顔のほうならまだ勝つチャンスはある!」
「ナメられたもんじゃね。かかってきんさい!」
「ピーチュ!!」
「それじゃあ位置について! 勝負開始ー!」

 したっぱ、ヤングース出す。
 ヨーコ、さっそくテラスタル!

「どんどろ轟け、ぴっかりさん!」

 キラキラ輝く電球の冠。思わず見とれる。しかしすぐに気を取り直すヨーコ。

「いけんいけん、勝負じゃ今は」

 かみつかれる前にでんきショックを浴びせる。一発でプスプスになるヤングース。ショックでお星さまが見えてるしたっぱ。

「キラキラキラ……」
「す、すごい! でかしたぴっかりさん!」
「ピチュ!」ドヤッ
「さっすがヨーコとぴっかりさん! テラスタルもいい感じ!」
「うん、ありがとう」
「テラスタイプと同じタイプの技はさらに強くなる! たまに全然違うタイプにテラスタルするポケモンもいるから、戦略の幅がうーんと広がるんだ!」
「へー」
「テラスタルするとしばらく使えないから、ポケモンセンターでチャージしてね!」
「はーい」
「そ、それじゃボクはこれで! お疲れ様でスター!」
「あたしもこのへんで! お疲れ様でスター!」

 逃げていくしたっぱ。

「全く……。なんなんあん人ら」
「スター団はいわゆるやんちゃな生徒の集まりなんだ。出席率も低いし、ヨーコが出くわしたみたいに集団で暴走してるし、先生達も頭を抱えてるみたい」
「ほうじゃろうねえ」

 この間、ぴっかりさんを回復させるヨーコ。
 休ませるため、ボールに戻す。

「……あの!!」
「ん?」

 振り向くヨーコ。女の子がうつむきがちに、

「えと、ありがと……、ございます。……先、行くんで」

 そのまま行ってしまう女の子。

「ヨーコえらい! 人助けしてたんだね」
「ううん。単にスター団にムカついとるだけじゃけ、誉められることしとらんよ」
「そんなことないよ! けどあんま見ない顔だったな……。あの子も転入生かな? イーブイのバッグもっふもふ」
「うん……」
「さて! いざこざも解決したし、いよいよ学校へ向かいますか!」

 アカデミー前の大階段を見上げる。

「地獄の怪談……、がんばってのぼろっ!」
「な、長い……」

 ゆっくり歩いて上りきるふたり。

「わぁ、ついに来た!」
「エントランス入ろっ!」

 先に入るネモ。少し外れてお墓参り。
 そして改めて正面に来て、頭を下げるヨーコ。

「これからよろしゅうお願いします!」

 エントランスホールへ入っていく。

 エントランスは今日もにぎやか。

「ヨーコ、グレープアカデミーへようこそ!」
「やっぱり広いねえ」
「勝負できそうなのに、ここでのポケモン勝負は校則で禁止なんだー……」

 口を尖らせるネモ。

「まぁ、本いっぱいあるし……」(汗)

 と、クラベルがやってくる。

「ヨーコさん、ネモさん」
「「クラベル先生」」
「道中、いかがでしたか?」
「色々あったけど、楽しかったです!」

 元気に答えるヨーコ。

「ネモさんのおかげでしょうか。私も校長として鼻が高いです。さすがチャンピオンランク、そして生徒会長ですね。ご案内ありがとうございます」
「友達だから当然ですよ! ねー、ヨーコ」
「はい!」
「あ、先生! そういえばスター団の人達見ました」
「なんですって、どちらでですか!?」

 ネモの報告に、クラベル驚愕。

「校門の階段下で、イーブイバッグの子がからまれてて……」
「それは大ニュースですよ……。今も彼らはいますか?」
「ヨーコが実力で追っ払いました」
「はい」
「ああ、なんと……。ヨーコさん、人助けはいいことですが、入学早々ワイルドは程々に……」
「すみません」

 素直に謝るヨーコ。

「ネモさんも、そういうときは先生を呼んでくださいね」
「……なるほど、ですねー」
(ちいと嫌そう……)
「イーブイのバッグ……、ボタンさんでしょうか。学校にいらしてくれてなにより。
……一応、ネモさんはスター団のことを担任のジニア先生に報告してください」
「はい! わかりました!」

 丁度チャイムが鳴った。

「……おっと、そろそろ始業時間です。おふたりとも教室に急がなくては」
「ヨーコ! 私達の教室、1-Aまで案内するね!」
「うん」(※7時に家を出て、8時30分くらい)

 ネモに教室に案内される。先に入るネモを見送りながら、教室の外で待つヨーコ。
 教室では、

「ジニア先生! おはようございます!」

 ホームルームが始まった。

「はあい、みなさんおはようございまあす。今日は大ニュースがあります。知りたい人は、誰かなあ?」
「はい!」
「はい! 知りたーい!」
「はい、ちょっと遅れちゃってたけど、今日からこのクラスに新しいお友達が増えまあす」

 ジニア先生の言葉にざわつくクラス。

「どんな子が来るのかな?」
「どうぞ、入ってきてくださあい」

 ジニア先生の呼びかけに、教室へ入るヨーコ。

「自己紹介、できるかなあ?」

 ジニア先生の言葉に、ヨーコうなずいて、

「初めまして、北條陽子です! コサジタウンから来ました! よろしゅうお願いします!」
「元気いい……」
「なんかかわいい」

 目を輝かせてヨーコをみるみんな。

「皆さんヨーコさんに興味津々ですねえ。ヨーコさんに質問したい人は誰かなあ?」

 ひとりの女の子が、

「ハイ! 仲間にしてるポケモンは誰ですか?」
「ピチューのぴっかりさんと、クワッスのわっぷるさん、あと、ウパーのまんじゅうです」
「名前かわいい!」
「私もピチュー好き!」
「クワッスいいよな!」
「ボクもウパー持ってる!」

 今度は男の子が、

「ハイ! ぼく質問いいですか?」
「はい」
「ヨーコさんは、ポケモンのどういうところが好きですか?」
「ほうですねえ……。勝負もしたいし、たくさん出会いたいし、仲良うしたいし……。全部ですね!」
「わ、そうなんだ! ぼくもだよ」

 ジニア先生、教室を見回し、

「他に質問がある人はいますかねえ?」
「じゃあわたし! いいですか?」

 ネモが立ち上がる。

「ヨーコ……、さんは、この学校で勉強していって……、将来、何を目指したいですか」

 ヨーコ、少し黙り、はっきりと、

「……うちは、相棒達とあちこち歩いて勝負したりして、色んなキレイなものを見たい。ほいでうちを助けてくれた人たちみたあに、強う優しゅうしぶとうなりたいし、相棒の出す技にふさわしいトレーナーでいたい。
 そんために、相棒達と強いポケモントレーナーを目指すつもりでいます!」
「おおー!」
「かっけー!」
「素敵~」

 歓声が上がる。ネモもにっこり。

「絶対なれる! なれるって! 一緒にいっぱい強くなろっ!」
「ヨーコさん、自己紹介ありがとうございます。改めてまして、ぼくは生物担当のジニア。担任の先生でもありまあす。
ヨーコさんの席は、そちら、前から二番目でお願いしますねえ」

 ジニア先生に指定された席につくヨーコ。

「それでは、みなさんこれから仲良く勉強していきましょうー!」
「よろしくお願いしまーす!」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?