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season1 6話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

6.『宝探し、開始!』


 荷ほどきや授業のオリエンテーション、様々なチュートリアルを経るヨーコ(状態異常、きのみの種類、いわゆる五教科の復習と習熟度試験等々)。あとこれから始まる授業の予習をする。

 生物室ではジニア先生の生物。

「どおもどおも、生物担当のジニアです。
ぼくの授業では、皆さんと大好きなポケモンについて一緒に勉強していきます」

 1-A教室にてタイム先生の数学。

「初めまして、数学の先生タイムです。いきなり聞いちゃいますけど、数字とか計算って皆さんお好きかしら」
「好きー」
「ちょっとだけ……」
「うーん」
「あらまあ、うふふ、お返事ありがとう。好きな人苦手な人、いろんな人がいて素敵ね。でもどんな人でも安心して。先生と楽しみながらお勉強していきましょう!」

 グラウンドにてキハダ先生のバトル学。

「押忍! バトル学担当は! 熱き血潮のキハダだ! 年齢は25! 趣味は筋トレ! 好きなタイプは……、筋肉たくましいかくとうタイプだな!!」
(タイプってそっち!?)
 心の中で思わずツッコむヨーコ。

 家庭科室でサワロ先生の家庭科。

「……元気そうな子供たちだ。ワガハイはサワロ。家庭科の時間では、生きていく上で必要な知識、技能を学んでもらう。この中には親元を離れ寮で一人暮らしをしている者も多い。ワガハイが授ける知識により、諸君らの衣・食・住がより良きものになることを願う」

 1-Aに戻ってレホール先生の歴史。

「……おや? 初めての生徒もいるようだな。
ワタシはレホール。貴様たちに古の学術を授ける者だ。歴史はイイ……、素晴らしい……。先人たちが積み重ねた時間が我々の生きる今へと繋がっている……!」



 そんなこんなで宝探しスタート前日になる。
 みんな宝探しの話題でわいわい。
 ※なおこの間、3日くらい。

「明日から始まるよね。どこに行こうかな? 誰かに決めてほしい……」
「おこづかいで買ったカメラで最高の写真撮ってやる!」
「僕にとってはポケモン探し! いっぱいポケモンのこと調べまくるんだ!」
「ならこっちはいろんな場所でピクニックしまくりよー!」
「でも何してもいいって言われると、逆に難しいんだよね」

 クラスメート達の話を聞き、キレイなものを見たいヨーコはどこから手をつけようか考える。



 そしてついに、宝探しがスタートする日がやってきた。朝起きて支度をすませると、校内放送のメロディが。

『生徒の皆さん、本日から課外授業が始まります。説明をいたしますので、グラウンドに集合してください』

 終了するやいなやドアが開く。ネモである。

「つ、い、に、来、たー!」
「あ、おはようネモさん」
「おはようヨーコ! 課外授業楽しみすぎるー! はやくグラウンド行こっ!」
「うん」

 グラウンドへ集合しているみんな。
 クラベル、壇上にて語る。

「皆さん、集まりましたかね。それでは、これから課外授業の説明を行います。
 課題のテーマは『宝探し』! 皆さんには、世界を旅して自分だけの宝物を探していただきます。
 これまで、皆さんは学校の中で、あるいは自分の暮らす町の中で、多くの知識を学んできたと思います。
 しかし、これからは外の世界にも目を向け、見聞を広めていただきたい。
 パルデアの豊かな自然、豊かな文化。そこで暮らすポケモンたち。そこで暮らす人々……。
 何処へ行き、誰と出会い、何を成すのか。それぞれがそれぞれのポケモンたちとともに歩き、ともに考え、ともに感じ、自分だけの宝物を見つけて、帰ってきてください!
 課外授業を通して大きく成長したあなたたちに再びご挨拶できることを楽しみにしておりますよ。
 それでは宝探し、開始! ……いってらっしゃい!」

 どっ、と歓声が上がる!



 外に出るヨーコ。みんなわいわいして駆け出している。

「よっしゃー! オープンワイルドだー!」
「ライドしていくよ! モトトカゲー!」

 そんな生徒達に声をかけるクラベル。

「皆さんお気をつけてー! パルデアの大穴への立ち入りは危ないので校則違反ですからねー!」

 と、ネモがやってきて、

「ヨーコ、行くよ!」
「うん!」

 ヨーコ、ぴっかりさんを出し肩に乗せてネモと歩いていく。

「宝探し! 始まったねー!!」
「楽しみじゃけど、ひとまず何しようかねえ。みんな色々やるって言うとったけど」
「ピーチュ」
「初めてだもんね! 歩きながら教えるよ」

 階段を下りながら話してくれるネモ。

「グレープアカデミーのメインイベント、宝探しはね、本当に宝があるわけじゃなくて、パルデア地方を自由に冒険して、いろんなことを体験すればいいの! ジムに挑戦したり、困ってる人を助けたり、本当にお宝を探しちゃうのもアリ!
 普段学校の中じゃ学べないこと、いっぱい学べるよ。勝負の機会もたくさんで、わたし的には最高のイベント! 宝探し中再会したら、ヨーコとも戦わせてよね!」
「もちろん!」
「あ、スマホのマップアプリ行きたいところを設定できるんだ! この前登録したジムの場所! 目的地に登録してみたら?」

 と、

「生徒会長ネモ! 抜け駆けとは卑怯だな!」
「うわっ、ペパー!?」

 突然現れるペパー。

「抜け駆けって人聞きが悪いな! ジムをオススメしてるだけ! 何するか決めるのはヨーコ自身だもん!」
「ヨーコはオレとヌシポケモン探してスパイスちょろまかすんだ。チャンピオンなってるヒマないぜ。秘伝スパイスを守るヌシのすみか、一緒に行くんだもんな!」
「ちょっとズルい! ヨーコに変なこと教えないでよ!」
「はぁ!? 誘ってるだけで決めるのはヨーコ自身だろ?」
「ふんぬー!」

 言い合うふたり、ヨーコ思わず、

「う、うちのために争わんで~……」(小声)
「ピチュ……」

 ぴっかりさんジト目でヨーコを睨む。そこで鳴り響くヨーコのロトムスマホ。

「ん? ヨーコ、スマホ鳴ってんぞ」
「あ、うん」

 出るとカシオペア。

『やあヨーコ、カシオペアだ。以前伝えていた、スターダスト大作戦についてだ』
「!」
『スター団には5つの組があり、アジトもそれぞれ分かれている。ヨーコにはそこへ向かい、組のボス5名を倒して欲しいのだ。したっぱ軍団が邪魔してくるだろうが、わたしも遠くからサポートさせてもらう。
 ボス達は組の名前となっているポケモンタイプの使い手だが……、あなたならきっと大丈夫だろう。というわけで勝手ながら、アジトの場所を登録しておく』

 データが送られてくる。マップにはアジトと各ボスの情報。

「いかにもって感じじゃね……」
『ボスを倒すたびにたんまりと報酬を差し上げよう。スターダスト大作戦の道……、スターダストストリートへようこそ』
「いや、いきなり誰なの!? いくらヨーコと因縁あるからって、スター団は不良で危ないし!」
「そうだそうだ! コイツはオレと一緒にすげえ食材探すんだよ!」

 叫ぶネモとペパー、しかし、

『決めるのはヨーコ自身……、だったかな? ネモ、ペパー』

 目を見開くネモとペパー。呆然とつぶやくネモ。

「なんで、名前……!」
『ヨーコ……、あなたの活躍を楽しみにしているよ』

 電話切れる。舌打ちするペパー。

「なんだったんだよ……」
「ヨーコ、友達多いのはいいけど……、危ないことに深入りしすぎないでね」
「わかっとる。ありがとう」
「さあて、気を取り直して! 冒険の始まりをしよーっ!」

 明るく言い放つネモ。

「わたしは、出会ったポケモン使いと片っ端から勝負していく! 最強を追い求めてれば、その経験が自分だけの宝になるはず! とりあえず、もう一度ジム行って新しいポケモン鍛えよっかな! ジムの建物の写真、送っとくね」

 スマホロトム再び。ビルの写真が送られてきた。

「はー、こんな感じの建物かね」
「色々口出ししちゃったけど、決めるのはヨーコだから! 行きたいところに行って、やりたいことをやっちゃえ!」
「自分だけの宝……、ねえ」

 渋い顔をしているペパー。

「オレの場合はマ……、秘伝スパイスに決まってる!」
(マ?)

 ひそかに首をかしげるヨーコ。

「スパイス見つけたら、うーんとうまいサンドウィッチ! 作って食わせてやるからな!」
「それは楽しみ」

 ヨーコが笑うと、なぜかミライドンも出てきた。

「アギャス!」
「げっ、なんで出てくんだよ!」
「あはは! サンドウィッチって言葉に反応したのかな!?」
「オマエにはやらねー……」

 ヨーコとぴっかりさんに向かって鳴くミライドン。

「ギャス! ギャス!」
「はやく行きたいみたい? ヨーコ達に乗れって言ってる?」
「じゃ、失礼します」

 ミライドンに乗るヨーコ&ぴっかりさん。
 その瞬間、どことなくバイクのような姿に変わるミライドン。

「アンギャー!」
「ありゃ、ちょっと変わった?」
「ピーチュ……!」

 ネモが歓声を上げる。

「おー! 変形した! やっぱりモトトカゲっぽい……! ミライドンと一緒なら、どこにだって行けそうだね!」
「フン……、どうだかな」

 つっけんどんなペパー。

「ヌシポケモン探すなら東門から出るといいぜ!」
「ヨーコはジムに行くから、西門から出発がオススメだよ! 東側は迷いやすいし!」
「フンッ! 先行ってっぞ! さっさと追い付いてこいよな!」
「わたしもジム行こっ! またね! ヨーコ!」
「お達者で……」

 ミライドンの背に揺られ、試運転ついでに町を走りコサジへ。

「いったん家戻ろっか。ミライドンさんとまんじゅう紹介したいし」
「ピチュ」
 ということで北條家へ。



 ミライドンで町と道を駆け抜ける!

「ひゃっほー!」「ピーチュー!」

 北條家の庭へ到着!

「ただいまー!」
「ピッチュー!」
「お帰りヨーコちゃん! 5日ぶりじゃね」

 すずが出迎えてくれた。

「宝探し始まったけえ、仲間の紹介と報告がてら来たんよ」
 ヨーコ、ミライドンから降りる。また姿が変わるミライドン。
 すず、ミライドンを見て、
「ありゃ、不思議なポケモンさんね」
「アギャス」
「ミライドンさん。向こうの灯台で出会うたの」
「ああ、誰がおるかわからん」
「うん。で、お馴染みのわっぷるさんと、新しう出会うたこの子」

 ヨーコ、わっぷるさんとまんじゅうをボールから出す。

「まんじゅう。ウパーってポケモンで、クスノキ饅頭気に入ってくれんさったみたい」
「本人も饅頭みたあね」

 家に入り、しばらくわいわいする。
 すず、ミライドンに触り、

「鉄みたあな生き物みたあな、不思議な手触りじゃね」
「アギャ」

 すずの顔をなめるミライドン。触れ合ったりおしゃべりして(円太郎がミライドンをまじまじと見たりする。ミライドンは照れる)、ヨーコ、出発。

「いってらっしゃい」
「うん」

 すずに見送られ、テーブルシティに戻って、西門に立つヨーコとぴっかりさん。

「さて、じゃ、まずジム行きますか!」
「ピーチュ!」


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