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season3 6話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

6.『ドラゴン使いと芸術家』


 冒頭、フィールドワーク&勝負後にアカデミーに戻り医務室へ行くヨーコ。

「失礼し……」
「ヤダヤダ絶対ヤダー!」
「たのむ! このとおりだ!」

 何やらキハダ先生とミモザ先生がわやわや。
 なんだなんだとひそひそ言い合う他の生徒、近づいてみるヨーコ。

「キハダ先生! どうしたんですか」
「ああ、転入生! いいところに! ミモザ先生がわたしのサンドウィッチを食べてくれないんだ!」
「当たり前っしょ! お腹壊したくないもん」
「あ、ああ……」

 ミモザ先生の言葉に納得するヨーコ。

「そんなことにはならないはずだ!」
「いや、前にあんたが作った肉で肉をはさんだサンドウィッチ? 食べてあたし体調崩したからね」
(ミ、ミモザ先生もかね……)(汗)
「あのときは、わたしも未熟で若気の至り、というか……」
「先月よ! 先月のことよ!」
「……というわけで、にっちもさっちもなんだ。サンドウィッチ作り、特訓したのに悲しいな……」
「あ、特訓したんだ」

 ミモザ先生、ぱちくり。

「ええまあ、頑張っとりんさったです」

 うなずくヨーコに、大きなため息をつくミモザ先生。

「はぁー……。かわいい生徒に言われたら、仕方ないわよね」

 ミモザ先生、キッ、とキハダ先生を見て、

「食べてあげるから、ちょうだいよ」
「わかってくれたか! ではこれを……」

 渡されたサンドウィッチを咀嚼するミモザ先生。

「! ちょっと味濃いけど……、まあまあ……、イケる?」

 顔を見合わせるキハダ先生とヨーコ。

「やった! 特訓の成果だな!」
「よかったですねキハダ先生」
「尊敬するミモザ先生に喜んでもらえてよかった! ありがとうミモザ先生! そして転入生!」

 明るく駆け出すキハダ先生。

「ちょっと! 結局なんだったのよ……。
 あの人ってすぐケガするからよく医務室来るんだけど、いつもあんなカンジなのよねー」
「はあ」



 翌日の美術の授業後(ハッサクとコルサの友情話)、ポンさんがしきりに『投げやりのキマワリ』を見たがるのでボウルタウンへ向かおうとすると本棚の前に佇むハッサクを見つける。

「ハッサク先生?」
「……」
「先生?」
「! ヨーコくんではないですか。考え事をしていまして、気づきませんでした。この前グラウンドではすみませんでしたよ……」
「いいえー、お気になさらず」
「ハハ……、随分と大人な対応でございますね」
「あの後、パモさんの事とか聞きました?」
「ええ。着々と回復しているようですよ」
「良かった」

 胸を撫で下ろすヨーコ。ハッサク、一旦言葉をきり、

「あの時いらしたドラゴン使いの女性は、小生の親戚なのです」
「ドラゴン使い……」
「小生、ドラゴンポケモンの使い手の家系なのですよ。子供の頃から、一族を率いる長となるべく育てられておりました。
 しかしながら、昔反抗期のハッサク少年は、『音楽で食っていく!』と家を飛び出しまして、なんやかんやで美術の先生……、そしてリーグ四天王となったのです」
「波乱の半生ですねえ」
「この前あなたと別れた後、先生をやめて長を継ぐように親戚から言われてしまいました。
 どうやら今の長……、小生の父の体調があまりよろしくないようで──」

 ため息をつくハッサク。

「申し訳ありません。生徒に愚痴を言うなど、教師として失格ですね」
「そんな、気にせんでください。大変なんですけえ」
「ヨーコくん……、その言葉で救われます。本当にありがとうございますですよ」

 なんやかんやでボウルタウンへ一緒に向かうことに。向かう間も何やら考えごとのハッサク。
 それからボウルタウンでコルサとポンさんの仮面の話になる。すずもルーさんと遊びに来ていた。
 それからバル・キバルで色々食べたり。ポンさんを口説こうとするコルサを牽制したり。

「良くも悪くも、記憶というのは何かしら己の養分になるものだ」

 語るコルサ。

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