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season1 8話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

8.『秘伝スパイス、岩壁にあり』


 翌日、東門から出て岩場のポケモントレーナー達と勝負しながらヌシの居場所を目指すヨーコとぴっかりさん達。
 ボウルタウン近くの崖まで来たところで、ペパーから連絡が。

『よう。ヨーコ、のスマホで合ってるよな?』
「うん、ペパーさん。少し遅くなった。ごめん」
『いや。ってことはちゃんと旅立ったんだな。
 そうだ、この岩場のどっかに岩壁のヌシがいるらしい。このあたり探してみたんだが、全然見つかんねえんだよ! まさか高い壁にひっついてる……、なーんてことはないだろうし! そんなに深いところにはいねえはず……。だから探しすぎて崖から落ちんなよ!』

 電話の後、普通のガケガニが張り付いているのを見ながら歩く(図鑑も見る)。
 その内目撃したという人に出会いヨーコもそちらに行くと、とんでもない大きさのガケガニが壁にくっついていた。

「……大(おお)けー」
「……ピー」

 安全のためぴっかりさんをボールに戻して近付くと上に逃げる。ミライドンにライドして上ってみると、襲ってきたので勝負。

「ンガアアアニィ!!」
「わっぷるさん、あんたに決めた!」

 みずの技で追い詰めるわっぷるさん。しかしあと少しというところで下に逃げられる。ミライドンに乗って落ちると、崖壁を壊してなにかを食べ始め……。



「あれは……」
「ヨーコ! ヌシを見つけたのか!?」
「うん! あれ!」
「アイツが岩壁のヌシ……! でかすぎんだろ!」
「見た人も壁かと思うたって言いんさっとった」

 なんか元気になってるガケガニ。

「スパイス食って強くなってるのか……?」

 戦闘態勢に入るヌシのガケガニ。

「ヨーコ! 気を付けろよ!」
「うん! わっぷるさん!」

 わっぷるさんを出すヨーコ。ペパーはシェルダー。

「ヤバそうちゃんだけど負けねえぞ! シェルダーではさみ揚げだ!」

 がんせきふうじをはなってくるガケガニ。
 にらみつけるで防御を下げるシェルダー。みずでっぽうを放つわっぷるさん。

「行けヨーコ、援護する!」

 にらみつける&みずでっぽうでじわじわおいつめる。
 しかしはさむ攻撃で身動きとれない。が、力を
あわせWみずでっぽう。離れるもガケガニの特性、いかりのこうらによりガケガニパワーアップ。ヨーコ、スマホロトムで調べる。

「いかりのこうら……!」
「おいおいおいますますパワーアップちゃんかよ……」
「じゃけど待って。体力半分ってことは、向こうも相当ピンチなはず。水攻めじゃ!」
「なるほど!」
「わっぷるさん、テラスタル!」

 ヨーコ、わっぷるさんをテラスタル。
 再びWみずでっぽう。そしてダメおしのアクアジェットで倒れるガケガニ。勝利をおさめる。

「やった……! ありがとうわっぷるさん!」
「ワプ~」

 ぴっかりさんも出てきて労う。

「ピチュピーチュ!」
「ワプッ!」
「うっし! ヨーコ、お疲れちゃんだぜ!」
「ペパーさんも援護ありがとう」
「にしてもヌシポケモン……。怒らすとすげー怖えんだな」
「うん。それに大けえし」
「よし、アイツが食ってた秘伝スパイスはこの中にあるはずだ。戻ってこないうちにちゃっちゃか調査しようぜ!」
「うん」

 洞窟に入るふたりと二匹。

「薄暗いから気を付けろよ……」

 と、広いところまできて、

「あーっ!」

 叫ぶペパー。目の前には桃色に輝くスパイスが!

「これ、秘伝スパイスだ! 本で見たまんま!」
「これが……。なんか甘い匂いのする」
「秘伝・あまスパイスだきっと……!」

 摘み取り、歓声を上げるペパー。

「うおー! やったぜヨーコのお陰だ!!
えーとなになに? 本によると……、胃を健康にして、食べ物を消化しやすくしてくれる! 腹痛や食欲不振にも効果絶大なんだとさ!」
「お腹壊した時とか熱出た時に良さようなねえ」
「はやく食わせてやりたいな……」
「え?」

 誰にだろう、と思うヨーコ。一方はりきるペパー。

「よっしゃ! 腕によりをかけて料理してやるぜえ!」

 ペパークッキング開始。みる間に出来上がっていく。

「うおおおおおお! ずりゃ! おりゃー!!」
(す、すごい勢い……)

 サンドウィッチ完成!

「お待ちどうさん! スパイスたーっぷり、ペパーサンドウィッチ完成だ!」
「わぁ、おいしそうなね!」
「あとヌシポケモン倒してくれたお礼のバッジもやる! ジムバッジのレプリカ、アレンジしたんだ」
「ありがとう。それじゃいただき……」
「アギャ!」

 ミライドンひとりでに出てくる。

「ミライドンさん!」
「げっ、コイツ。なんだよ! 自分で出てきたのか……?」

 ヨーコのサンドウィッチの匂いを嗅ぐ。他のメンバーは既に細切れをパクパク。

「……おい、オマエのはないぞ」

 グギュルル、と腹の虫が鳴るミライドン。

「……食べてええよ」

 ヨーコ、サンドウィッチをあげる。ガツガツ食べるミライドン。

「あー! せっかく作ったのあげちまってさ!
もうヨーコの分ないからな……」
「ええよ。後で別の食べるけ」
「あーもうッ! なんかオレだけイジワルなヤツじゃん!」

 サンドウィッチ半分に切り、ヨーコに渡す。

「ほら、オレの半分やるから、たーんと味わって食えよ」
「ありがとう。いただきます」
 食べるヨーコ。ぱあっ、と笑顔になる!
「すっごく甘うておいしい! カエデさんのケーキ、いや、甘露煮みたあじゃ!」
「へへ、そうだろ!」
「ごちそうさまでした」
「お粗末様!」
「グアッ、グァッー!」

 食べ終わったらしいミライドン。

「ん? もう食い終わったのかよ?」
「アギャアス!」

 ミライドン、体が光る!

「は!? え!?」
「なんだあ!?」

 元に戻る。どことなく凛々しい。

「んん?? なんかコイツ、パワーアップしてねえ……?」
「うーん、言われてみれば……?」
「アギャ!」(その通り! といった感じ)
「うおーマジか! スパイスの力ってすげー!! こんなにも効果があるなら、きっと……!」
「きっと?」

 ヨーコに聞かれ、ハッ、とした感じのペパー。

「きっと、宝探しに役立つんじゃないか? そうに違いねえ! うんうん!」
「まぁ、体にすごくええもんね」
「よっしゃ! 秘伝サンド食って腹いっぱい! 後片付けでもするか」
「うん」

 立ち上がるヨーコ。慌てて止めるペパー。

「オマエはいいって! ヌシと戦って疲れてるだろ! あとはオレにまかせて、残り4つの秘伝スパイス先に探しててくれよな!」
「うん、ありがとう。ごちそうさまでした」
「ピーチュ!」
「じゃあな!」

 手を振って見送るペパー。

「──本当にありがとうな……」

 黙ってボールを取り出すペパー。悲しそう。

「もういいぞ。──出てこい」



 一方、外に出るヨーコ。すると電話が。

「はい、北條陽子です」
『ハロー、ヨーコ。こちらフトゥー』
「博士!」
『ミライドンが本来の力をひとつ取り戻したようだな』
「わかるんですか?」
『ボールから送られてくるデータでね。ライド状態で走るダッシュの速度が上がったようだ。
 その調子でパルデアの広大な大地を駆け巡り、ミライドンと共に冒険を続けてくれ。
 キミ達の旅に決められたルートはない。マップを確認し、キミ達自身で目的を発見したまえ。好奇心をそそられた場所を気ままに探索するのもよいだろう。様々な経験がキミ達を大きく成長させるはずだ。……引き続き、ミライドンをよろしく頼んだよ』
「はい」

 電話切れる。ついでにマップ確認。

「……ボウルタウン。二番目のジムの場所……」

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