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140字『壁に目あり』

ふと壁を見ると、両の目が浮き出ていた。
透き通った青の瞳。晴れ渡る空が、ふたつの目に宿っている。私の好きな瞳だった。
「このためにあなたを埋めたのだものね」
私は呟いた。
「苦労した甲斐があったわ。あなたの目を見るのは、私だけでいい。あなたの目を見るのも、私だけでいいのだから」

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