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season1 1話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

『きらめく宝を、あなたと探す』


1.『アカデミーのクワッス』


 プロローグから2年後、可愛らしい少女に成長したヨーコ(12歳)。しかしぴっかりさんはピチューのまま。ヨーコは髪型をサイドパートに変えてる。
 心の傷のこともあり、祖父や父から勉強を教わっていたが、久夫がブルーベリー学園に、千鶴子がセキエイ学園に入ったのでどこに行くか決める際、周作と径子からグレープアカデミーの話を聞いていたことと、色んなキレイなものを見て強くなる、ということでアカデミーに行きたいと話すヨーコ。



 数日後、周すずヨーコでアカデミーの見学へ。
到着すると、クラベルが直々に案内してくれることに。

「初めてまして。グレープアカデミー校長、クラベルと申します」
「校長先生自らいらしたんですか!?」

 驚くすず。クラベル、柔らかく笑いながら資料をすずに渡す。

「いやいや、これも仕事の一つですのでお気になさらず。こちら、入学案内と校内施設の資料です」
「わざわざすみません」

 頭を下げるすず。周作とヨーコもペコリ。
 ヨーコは自己紹介。

「北條陽子です」

 クラベルの陰からニャオハもひょっこり。ということで案内スタート。ふと窓を見ると、校墓とおぼしき場所にクワッスがいるのが見えた。気になりながらも進むヨーコ。

「この学園のモットーは、ひとりひとりの個性を大切に未来を切り開く。
 ご存知の通り、たくさんの自然、豊かな土地が広がるここ、パルデア地方にもポケットモンスター……、ちぢめてポケモンと呼ばれる不思議な生き物がたくさん暮らしています。
 ポケモン達は海や空、町の中いたるところに住んでいて、私達人間は、彼らと助け合い生活しています。
 グレープアカデミーでは、そんなポケモンのことをもっと深く知るために、いろんな地方から人が集まり、皆で学びあったり、ポケモントレーナーとしてポケモンを戦わせともに成長したり、様々な授業内容で生徒の可能性を引き出します」

「入学する生徒の中でまだポケモンを持っていない人にはポケモンを渡すのですが、ヨーコさんにはピチューさんがいるそうですね」
「はい」

 といった感じで説明を聞きながら案内される。 
 ポケモンのことを学ぶので総合コースに入る、とか施設とか。担任のジニア先生ともここで会う。他の先生方は廊下を歩いている時にみかける。あと課外授業の宝探しについても説明。

「エントランスホールの受付で登録すると色んな授業を受講できます。校内の様々な施設につながっていますよ」

 寮の話になった時、クワッスが窓から見えた。墓にまだいる。お墓参りをしているらしい。
 そこでスター団のしたっぱふたりが絡んできてお墓を荒そうとする。それを止めるクワッスを痛め付けるスター団。
 ぴっかりさんをボールから出して慌てて駆け出し、校墓に到着! 墓荒らしをギリギリで止めるヨーコ!

「こらぁ!! なんしょーるんじゃ!」



 したっぱからポケモン勝負を迫られるヨーコとぴっかりさん!

「あんたは休んどきんさい。ケンカはうちらが引き受けるけ」
「ピチュ!」

 でんきショックをひそかに練習していたものの、なかなか攻撃を当てられない。なかよくする、で隙をつくり、でんきショックをぶちこんでなんとか倒す。
 しかし引き下がらないしたっぱ。ここでクワッスも加わってくれる。
 もうひとりのポケモンの猛攻に耐え、ギリギリまでひきつけ、みずでっぽうを食らわせ勝つ。なおも引き下がらないスター団に、ネモが助けに入る(パモともらったばかりのホゲータつれてる)。

「あれ、きみ、このクワッスが仲間になったの?」
「あ、いえ、まだです」
「見ない顔……。見学の子かな? こんにちは!」
「こんにちは」
「ヨーコさん!」

 クラベル&ニャオハが走ってくる(周すずは校長室に待機)。

「クラベル先生!」

 ヨーコ、ぴっかりさんと振り向く。
 と、ネモ、目をぱちくりとさせて、

「先生、もしかして……」
「ええ、今度アカデミーに転入される北條陽子さんです。ご家族とご見学に来ていたんですよ」
「やっぱりそうなんだ! コサジから来るって聞いたもん」
「え、コサジの人?」
「うん。実家そこなんだ。ほらお屋敷あるでしょ? あそこ」
「えっ、じゃお嬢様!? どがな人が住んどりんさるかと思うとったけど……」
「あはは、お嬢様ってガラじゃないけどね。
 改めまして、私はネモ。この子達はパモとホゲータ。同じ町同士仲良くしよっ!」
「パモ!」
「ホゲーニ!」

 ネモと共に挨拶してくれるパモとホゲータ。

「北條陽子です。この子はうち相棒の、ピチューのぴっかりさん。よろしゅうお願いします!」
「ピーチュ!」

 ヨーコとぴっかりさんも自己紹介。

「うん! お腹の底からいい返事! これからよろしくねー!」
「ネモさんは我が校の生徒会長でチャンピオンランクの凄腕トレーナーなんですよ」
「えっ、色々すごい!」

 ヨーコびっくり。ネモにっこりと、

「あとポケモン勝負大好き! 入ったら戦ろうね!」
「コホン! 同じクラスの仲間同士、ゆっくりと! ……交流を深めてくださいね」
「えー! 総合コースで同級生なんだ!? ポケモン勝負やり放題!」

 目を輝かせるネモにやれやれ顔のクラベル。
 ヨーコはにっこり。

「ありがとうネモさん。楽しみにしとる」



 校長室にクワッスと戻るヨーコとぴっかりさん。両親が駆け寄る。

「すみません、騒ぎ起こしてしもうて」
「謝らないでください。校墓とこの子を守っていただいたのですから、こちらが感謝すべきことです。それにアカデミーの不手際は全て私の責任ですので、皆さんはお気になさらないでください」
 
「クワッスさん、大丈夫?」
「ピチュピチュ?」

 クワッスに語りかけるヨーコとぴっかりさん。周作とすず、うなずくクワッスを見て、

「もしかしてあんた、わっぷるさんか?」
「覚えとる? 黒村晴美さんの叔父と叔母なんじゃけど」

 クワッス、目をぱちくりさせ大きくうなずく。ここでクワッスの正体を知るヨーコ。

「わっぷるさんがうちらの仲間になってもならんでも、晴美さんのお墓、一緒に見てあげたい」

 それから制服を試着し、写真を撮って入学願書を提出するヨーコ(ネクタイのしめかたを周作から教わる)。ぴっかりさんとわっぷるさん、キラキラお目々で見守っている(ハネすけとやきち、るりおはボールの中から)。
 クラベルとニャオハ、わっぷるさんに見守られ帰路に付くヨーコ達。

「ここは多くの仲間とポケモンと、新しい自分に出会える場所……。グレープアカデミーへの入学を、心よりお待ちしています」



 夕食時、すず、パンフレットを眺めながら、

「素敵な先生勢揃いなねぇ」
「役立つ施設も使い放題。わしらん頃より至れり尽くせりじゃ」

 周作しみじみ。ヨーコはりきる!

「その分きばる! あと生徒会長さんのおかげで楽しくなりそう!」

 また、わっぷるさんのことを径子に話す。

「ほうかね。あん子はまだおったんじゃね」

 少し涙ぐむ径子。

「わっぷるさんはよせんの(仲間にしないの)?」
「うーん、それはわっぷるさんが決めることじゃし。ね」
「ピチュ」
「お墓は任しといて。うちらもわっぷるさんと見るけ」



 そして転入初日。
「おはよー」
「おはよう。ありゃ!」

 目を丸くするすず。視線の先には制服姿のヨーコ。

「もう制服着とるんじゃ! キマっとるねえ」
「準備万端じゃのう。にしてもわしや姉ちゃんよかサマになっとる」

 径子、周作の耳をひっぱりながら、

「一言多いわ! ヨーコ、わっぷるさんと晴美によろしゅうね」
「うん!」

 周作から入学祝いのスマホロトムをもらう。学校から連絡が入ったと聞き(「なんでも、大事なもんを渡したいとかで」)、朝ごはんの片付けをしているとチャイムが。出てみるとクラベルとニャオハだった。

「ここではなんですので、外へ」

 帽子とバッグを身に付け、ぴっかりさんと共に外へ出る。

「誰が見ても、立派な我が校の生徒です」
「はんにゃー」

 クラベルとニャオハが制服姿を誉めてくれる。

「ほいで先生、渡したいもの、というのは?」

 すずが促す。クラベル、モンスターボールを取り出しながら、

「ああ、そうでした。この子が、ヨーコさんたちの仲間になりたいとしきりに言ってきましてね」

 クラベル、モンスターボールを投げる。
 出てきたのはわっぷるさん。

「クワップル!」

 ヨーコとぴっかりさん、感極まってわっぷるさんとハグし合い、再会を喜ぶ。
 その光景を涙ながらに見守っているすず達。

「ヨーコを、お願いします」

 径子にも見守られ、わっぷるさんが仲間になる。ぴっかりさん共々、腕に乗せてにっこり。スクールライフが始まろうとしていた。


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