見出し画像

「アプリによるがん副作用管理のまとめ」記事のまとめ

正しく伝わっているのか少し不安がありまして。念のための記事です。折角なので、追加の情報も書きました。

まとめの簡潔なまとめ

アプリを使うことが目的ではありません。アプリという手段で、副作用の早期対応に繋げることが目的です。アプリでなくても、また、他のアプリでも工夫次第なので大丈夫です!「まとめ」記事では、患者さんの実情を具体的な工夫に落とし込んで書いたつもりです。アプリが合わなければ、元の管理方法に戻してください。

アプリの機能を活用できると、主治医や看護師さんとのコミュニケーションに役立ちます。細かい副作用は看護師さんの出番です。主治医から聞かれなかったことで気になることがあれば、外来投与中の時間などで必ず伝えてください。

副作用を管理してくれるかかりつけ医がいるとよりベストです。実効性を伴う環境がないといけませんので。そして、症状が出て気になったら、悩むより先にかかりつけ医のところに行っちゃってください(通院先がそれなりに近い方は不要です。逆に「病院指定アプリ」を使っている方でも通院先が遠いのでしたら、かかりつけ医がいるとさらにベストです)。

これらが揃うと(可能なら「病院指定のアプリ」もあれば)、やっぱり「生活の質(QOL)」は上がります。患者さんやご家族がより安心できるに決まっています。

PROと通常ケアを比較した臨床試験では「全生存期間・治療継続期間」の延長も見られたとしていますが、QOLの向上だけでもどんなにありがたいことか。

「病院指定のアプリ」…
コロナ陽性者がスマホ等で自分や家族の健康状態を入力できる「My HER-SYS(マイハーシス)」と同じイメージです。
自宅やホテル療養中に使用された方は、きっと安心されたはずです。あれのがん副作用版です。


他のアプリ

まずはWelbyマイカルテONC®」の機能と比較してみてください。全がん種に対応できるように設計されており、一般にも公開されています。

「WelbyマイカルテONC®」はあとから一般に公開されました。家族見守り機能があって理想的なアプリとご紹介した「ふくサポ®」もひょっとしたら今後一般に公開されるかもしれません。

LINEでチャレンジする病院もあります。新たに操作方法を覚える必要はありませんし、万人受けするだろうなあと感じます。画像の添付や動画通話もできたら相当魅力的です(やはり乳がん患者さんからですね)。


タイミング

アプリにシフトすべきかどうかは、置かれている状況も重要だと思います(なお、がんの治療はどうしても年単位になります。経営の安定していない会社のアプリは避けるのが無難です。メンテナンスやバージョンアップがされるか不明です)。

◆新規に管理
たくさんある副作用の特徴を理解してほしいのでアプリだけでなく冊子でも
。慣れたらアプリだけorアプリは無理そうなら冊子だけがいいのかなあと考えます。

◆途中から管理
これまでの記録がありますし、使い慣れている利点もある
のでシフトしないのもあり。新しい薬剤に変わるタイミングでシフトもあり(でも以前の薬剤と違う副作用があるはずなので、冊子でも理解する)といった感じでしょうか。

◆両方(新規・途中) 
体重や体温、血液検査(がん種によっては腫瘍マーカー)など検査項目の数値皮膚障害などの画像だけはアプリで、その他は冊子、というのもあり。一見非効率に思えますが、数値は折れ線グラフになりますし過去とも比較しやすいです。また、診察室で画像を見せる際に趣味の写真が間に入って主治医に披露してしまうことも避けられます。良い部分だけ取り入れるスタイルです。

★なお、通院中の病院でも「病院指定のアプリ」を新たに導入することになったら、喜んでシフトしてください!


最後に

アプリなど副作用管理については、むしろ看護師さんのほうが詳しかったり、感度や意識が高かったりします。あとは大学病院やがん専門病院近くにある門前薬局の薬剤師さん。細かい副作用の相談などに対応してきたからです。処方薬待ちの時間などで相談してみるのもありです!

「かかりつけ医」について…
①がんの治療をしている病院or医師&がんの副作用に詳しい看護師さんがいて、②救急もやっている、というのが理想です。
でも理想を振り回してもしょうがないので、まずは主治医に相談して、かかりつけ医を紹介してもらってください。連携を取ってくれます。連携を取ってくれなかったら…キレちゃっても大丈夫です!それくらい大切なことなので。


公開しているアプリで良さそうなものがありましたら、ぜひ記事を投稿してください。記事にメッセージを送ってくださっても。

みなさんで共有しましょう!


あとがき

このテーマは最後にしたいので、動画も探してみました。

冒頭6分程度は無音です。飛ばしてください。
PROセミナー 山口 拓洋 先生(東北大学大学院 医学系研究科・医学部 医学統計学分野)OOS on the WEB #31

たった30分弱で、臨床試験の結果も含めて私の記事より分かりやすく説明されている山口先生

またしばらく立ち直れないかもしれません。。

✳︎

前回の記事です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?