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昭和ノスタルジー


昭和ノスタルジア

いつかの冬の日

コンクリに座りあなたを待っていました

陽が暮れてもあなたの影は視えない

いつものラーメン屋さんに寄ってるかしらと

六本松から少し歩いたK大教養部の前

ひなびたお店に顔出せば

今日は来てないよ、といつものオバちゃんの声

やがて夜の帳が狭き道を包み

暗闇の中

小さな街灯を目印に

またあなたの下宿へと

トボトボ向かう

背後から足音

わたしが早足になれば、音も早くなる

怖い・・

必死に駆けて駆けて

電信柱の影に隠れたならば

「莫迦。面白いな、お前は」と

あなたのやんちゃな目

う~ん、

尾けられておりましたか

わたしの背中の怖れを察知し

尚も意地悪するあなた

遠い日々が

今もわたしの中

煌々と宝の如く棲み付いています


嗚呼、懐かしき昭和ー

青春、愚かで弱く強く、闘えと叫んだ若者たち

ヒッピーにフーテンに

ゲバ棒にジュラルミンの盾

ヘルメットに

あなたの流した汗と涙

今度はもう帰れないかも知れない

お前は来るな

あなたは、いつも戻ってくれたわね

嗚呼 死ぬ前には会いましょうよ、ね?

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