見出し画像

クラブ活動と私#5:新入部員

後輩が出来るのはなんとなく嬉しいものだ。

私達が2年生になるとすぐに、新入生向けに
クラブ見学会が始まった。
私が怪しい邪教に勧誘された”アレ”である(違)。

私達は部室の半分を展示スペースに、残りを
活動スペースとして新入生を待ち受けていた。

”先代”部長の3年生、Y先輩は1年前に我々を
”釣り上げた”模型やメタルフィギュアをちゃっかり
使い回していた。何せその後は私たちとともに
TRPGグループでリプレイ制作を中心に活動を
していたため、新規の展示品がなかったのである。

さて、そんな展示スペースに最初にやって来たのが
光流(みつる)ちゃんと隼人(はやと)ちゃんだった。

彼女たちはHAさんから招待され、前年の文化祭にも
来てくれていた。3人とも同じ中学で同じクラブに
所属していたそうだ。

HAさん原作の作品はこちら。

光流ちゃんはなんと『創作部』に入りたいがために
この高校を受験したというから驚きである。

キレイなロングヘアーとくりくりっとした目元が
チャームポイントで、小学校時代から図書室が
大好きだったという本好きの光流ちゃん。
いつしか図書室で読む本がなくなってしまい、
司書の先生と自分で本作りまでしていたという。
『魍魎戦記MADARA』に登場する”聖神邪せいしんじゃ”様
(”様”をつけないと怒られる)が憧れの人。
”見えてはいけないもの”が見えてしまうらしく、
過去のトラウマから踏切が大の苦手。
家では年の離れた妹や弟の世話に忙しい、心優しい
お姉ちゃんでもある。

『魍魎戦記MADARA』と表紙を飾る聖神邪様。
(”様”をつけないと怒られるので・・・。)

少し話は逸れるが、実は光流ちゃんに限らず私が
通っていた高校への進学理由が『創作部』という
生徒はほぼ毎年居るのだ。
私の学年にも一人、”正助”という男がそうだった。
彼のお姉さんが創作部設立メンバーの1人であり、
その影響だという。
正助についてはエピソードに事欠かない。
いずれまたご紹介させていただこう。

話を戻そう。

もう1人、隼人ちゃんは切れ長の目元と整った
顔立ちが特徴の、とにかくかわいい人である。 
氷子さんや玉ちゃんも人並み以上に”おキレイ”な
人だったが、彼女の”かわいい”は「誰が見ても」
というレベルである。
先輩お二方が大人っぽい雰囲気なのに対して、
隼人ちゃんは”アイドル”系といったところだろうか。
音楽を聴くのが大好きで洋楽も嗜む。
カラオケでも流暢な英語で洋楽を歌いあげる。
これがまためちゃくちゃ上手い。
時代が違えば”坂道系”に居ても不思議ではない、
そんな女の子である。
イラストを描くのが好きで、創作部に入部して
きたのもその事が理由である。

なんでこんな変わり者のオタクの集まりみたいな
ところに、こんなレベルの高い女子が集まって
くるのだろうか…創作部七不思議の一つである。

以前の記事でも少し触れたが、創作部は私たちの
代あたりから毎年男女比率が逆転するという、
不思議な現象が起こっている。

私たちの学年は男子の比率がやや高い。
そしてその前後の学年は女子の比率が圧倒的に
高いのである。
そんな女所帯の中で肩身の狭い思いをしながら
しかし部長まで務めあげたのがY先輩であり、
そしてこののち彼女たちとともに入部してきた
YAくんであった。

YAくんにちなんだエピソードはこちら。

かくして光流ちゃん、隼人ちゃんやそのお友達を
始めとした女の子たちと、たった一人の男子の
新入部員YAくんを迎え、創作部は新しい年度を
スタートさせた。

華やかに見える新たな門出のウラで、私個人は
色々と問題を抱えていくことになるのだが・・・。


ここからは余談であり、これを言ってしまうと
私の出身校はほぼバレてしまうのだが、YAくんや
光流ちゃん、隼人ちゃんと同じ学年には、のちに
M-1グランプリでチャンピオンになった
『フットボールアワー』の後藤輝基さんがいる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?