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乗れる気がする。vol.3

パニック障害を発症してから7年が経過しました。
発作はだいぶ減ってはきましたが、まだまだ予期不安を乗り越えたわけではありません。パニック障害にとって、この予期不安が一番ダルいのです。

「予期不安」を簡単に言うと、一度パニック発作を経験した人が、次またいつ発作がくるかと怯えることです。何がトリガーとなって発作がくるのかがわからない場合も多く、「あそこに行ったら」、「あの人に会ったら」など、その辺がはっきりしないため、結局あちこち行くことを避けるようになります。その結果、生活や行動範囲において制限が生まれます。

つまり発作が起きたら困るから、逃げ場のないところには行けない。代表的な場所や環境をいうと、バスや地下鉄などの交通機関や歯医者や美容室、あとはレジに並ぶこともそうですし、車の運転で言えば渋滞やトンネル、高速道路などです。
社会的拘束があるものから逃げるようになります。怖くて逃げるしか方法がないのです。やがて、自分に対する自信がなくなってしまいます。この負の連鎖はあらゆる可能を不可能にして、生きていく気力すら奪ってしまうのです。

私もひどい時は、コンビニすら入れず、自分で買い物すら出来なくなっていました。
私は少し特殊で、運転することはむしろ好んで出来ていましたが、逆に歩いて遠くまで行くことが出来ませんでした。発作がきたとき、身を隠したり、安心できる場所が近くにないということが恐怖で、体一つで遠くに行くことが出来ませんでした。なので、どんなに近い場所でも車で移動し、何かあったときにすぐ車に飛び込める状況を作っていました。

でも、そんな生活を続けても良くなる気配は当然ありません。いま出来ることを繰り返しているだけでは殻を破れません。でも、そうするしかない日々が何年も続きました。

いっそ死んだ方がマシだといつも考えました。病院で「抗不安薬」を処方してもらっていましたが、薬を飲んでも人並みに行動範囲を広げられるわけではありませんでした。あの頃は、こんな自分をなんとかしないと!と、もがけばもがくほど、状況はより悪くなるだけでした。

そして藁にも縋る思いで、パニック障害関連の本を読みあさりました。そうしていく中で、この症状への理解が深まると、だんだん状態が好転していきました。まだ途上ではありますが、回復できる可能性が見えてきたのです。

次回は、私のおすすめの一冊をご紹介します!

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