記事一覧

凄く遅いよ。

いい?

いまさらなんて

言わないでね。

10年たっても

15年たっても

忘れないでね。

大好きです。

胡桃
2年前
1

うん。

わかった。

胡桃
2年前

散髪

くりくりで可愛いね。 父の坊主頭を撫でる。 「前は長かったんだ。急に帰ってきたらびっくりするだろうな。長い髪が好きだと言ってくれたから」 大丈夫だよ。笑うかもし…

胡桃
2年前
1

すぐには無理でも

残りの人生の

端っこでいいから

なんでもない平日

一日だけ

数時間だけでいいので

一度、我儘を言わせてください。

お返事待ってます。

貴女はわたしの全てです。

tyanagi084@gmail.com

胡桃
2年前
1

会いたい 雨の街 人の波に 面影を探す 会いたい

胡桃
2年前

檸檬

母に会いたくないのかと聞いたことがある。 「会いたいよ」父は即答した。 昔話は、嫌いなんだけどな。 ぶつくさ言いながらも、口元が緩んでいた。 なりふり構わず、手…

胡桃
2年前

貴女が居ない夜。 わたしは幾度も呟く 消えないで。 それは本心。 それは葛藤。 細い糸が紡げた奇跡 今はただ 喜び。  オボロツキ  わたしは繋ぐ  愛の讃美歌

胡桃
2年前
1

夢夢

愛し君に送る言葉。 夢の続きを一緒に見ませんか?

胡桃
2年前
1

口癖

「なんていうかな~」 会話の始まり。父の口癖だ。 以前気になって聞いてみたことがあった。 「言葉が順番待ちしてるんだ。停留所みたいにね」父はクスクス笑った。 空…

胡桃
2年前
3

岬巡り

夕焼けが海に溶ける。 わたしの父は時折、悲しい目をする。 母に向ける優しい眼差しだ。 私は港町に住んでいる。 白いマンションの三階の角部屋。 乾いたユーカリと針の…

胡桃
2年前
1

凄く遅いよ。

いい?

いまさらなんて

言わないでね。

10年たっても

15年たっても

忘れないでね。

大好きです。

うん。

わかった。

散髪

くりくりで可愛いね。

父の坊主頭を撫でる。

「前は長かったんだ。急に帰ってきたらびっくりするだろうな。長い髪が好きだと言ってくれたから」

大丈夫だよ。笑うかもしれないけど。
くりくりで可愛いねって言ってくれるよ。

「心配だなぁ」

鏡を見て不安そうな顔をしている。
いつもと同じ午後。

階段を昇る気配がする。

 カチャ

玄関が少し開いく。

懐かしくて

優しい風が滑り込んでくる。

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すぐには無理でも

残りの人生の

端っこでいいから

なんでもない平日

一日だけ

数時間だけでいいので

一度、我儘を言わせてください。

お返事待ってます。

貴女はわたしの全てです。

tyanagi084@gmail.com

会いたい

雨の街

人の波に

面影を探す

会いたい

檸檬

檸檬

母に会いたくないのかと聞いたことがある。

「会いたいよ」父は即答した。

昔話は、嫌いなんだけどな。
ぶつくさ言いながらも、口元が緩んでいた。

なりふり構わず、手を握って走る。
ガード下に隠れて、不安な夜を数える。

ジョンも言っていたよ。ベッドで愛を語ろうみんな武器を捨てて抱き合おう。

寺山修司も言ってたよ。
書を捨て町に出ろ。

 朝日を迎えにいく
 新聞屋のバイク
 空を切りとり
 貴

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雫

貴女が居ない夜。

わたしは幾度も呟く

消えないで。

それは本心。

それは葛藤。

細い糸が紡げた奇跡

今はただ

喜び。

 オボロツキ
 わたしは繋ぐ
 愛の讃美歌

夢夢

夢夢

愛し君に送る言葉。

夢の続きを一緒に見ませんか?

口癖

口癖

「なんていうかな~」

会話の始まり。父の口癖だ。
以前気になって聞いてみたことがあった。

「言葉が順番待ちしてるんだ。停留所みたいにね」父はクスクス笑った。

空の色、花の匂い、雨の音。
グラスの氷が溶けて、洗濯物がくるくる回る。
急に冷たい風が吹き込んできて、ベランダが雨飛沫で真っ白くなる。

「この景色、言葉が追い付かなくなるよ」

わたしは、ベランダに出て洗濯物を救出する。
ビオトーブの

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岬巡り

岬巡り

夕焼けが海に溶ける。
わたしの父は時折、悲しい目をする。

母に向ける優しい眼差しだ。

私は港町に住んでいる。
白いマンションの三階の角部屋。

乾いたユーカリと針の固まった時計
母と父は詩人だ。
わたしは、その世界を知らない。
母の顔も匂いも声も。何も知らず今
父と暮らしている。

胡桃。

わたしの名前。

母が好きだった

桐の箱には、線香花火。

これは、わたしが産まれる前の前のずっと

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