【ORIX】10年目の捲土重来
捲土重来。意味としては「一度は戦に敗れた者が、再び勢いを盛り返して、相手方に攻め込むことのたとえ。」西野さん自身、度重なる怪我によりレギュラー争いに敗れた経験がある。今年の活躍ぶりは、まさに「捲土重来」と言っていい。そんな10年目34歳での復活は、「鮮やか」そのものだった。左右に打ち分け、時に長打あり。まさにこの姿はルーキーイヤーの西野さんを彷彿とさせる姿。それと同時に自分がずっと待ち侘びていた姿でもある。今回は2024年の西野選手は一体どんなシーズンだったのかを振り返る。
オープン戦
オープン戦、打席数が13打席に甘んじるも7安打、打率.462を記録し見事に開幕1軍入り。特にオープン戦最終戦の阪神戦の8回、代打で登場し石井の内角のシンカーをレフト前に運んだヒットを見た時は、「今年相当調子いい…!」のではないかと推測していました。
いざ10年目のシーズン開幕
3月29日、本拠地で迎えた開幕戦、2年連続で開幕スタメンに名を連ねる。そして今季初打席で有原のボールゾーンへ誘うチェンジアップをライト前へ運び今季初ヒット。この日は一本だけだったが、チームが3カード9試合を終えたところで、打率.429と打撃不振に苦しむチームの中で1人奮闘する活躍。今年は、開幕ダッシュに成功。中でも圧巻だったのは4月7日のZOZOマリンでの試合。相手先発は、過去完全試合を喰らったこともある「天敵・佐々木朗希」いかに先制点を奪えるかが鍵となる試合。2番でスタメンの西野さんは第1打席で、左中間を抜ける3ベースヒット。続く3番は中川圭太。その初球、フォークを少し捕手が逸らしたと見るやいなやホームへ突っ込みヘッドスライディング。さすがにかっこよすぎて、思わず声が出てしまった場面でした。
負傷離脱は突然に
昨年とはうってかわり、開幕から打撃好調で迎えた福岡遠征。その3試合目に悲劇は訪れる。3回表、ランナー1塁での第二打席。スチュワートJrのボールに体勢を崩されかけてもライト線に長打。スタートを切っていた福田周平が、ホームを狙い先制点。ホームへの送球間に三塁へ到達した瞬間、顔がなにかおぼつかない。
右太もも付近をおさえ、一度はベンチにひっこみ、治療。しかし、続行不可という判断になり代走に安達が送られた。
大事をとるという意味合いもあり翌日、登録抹消。ずっと応援してきて「また怪我か…」と思いましたが、西野さんなら必ず戻ってくる…!と信じることしかできなかったです。
予想を遥かに上回る超速復帰
右太もも裏のケガ…数年前にも故障した箇所であり、復帰までどのくらいの期間を要すかわからない中まさかの超速復帰を果たす。1軍復帰のニュースを見たのは5月5日、こどもの日のことであった。福岡で負傷してからちょうど2週間という衝撃的な早さで1軍復帰。そして昇格即スタメンで第1打席で早速復帰後初ヒット。その姿はケガしていないときと何ら変わりのない姿で本当に嬉しかった。
少し苦しんだ5月と打棒爆発の6月
超速復帰を果たしたものの、5月は苦しんだ一月だった。開幕当初のようにマルチ安打を放つ試合が少なくなったが、それでも毎試合1本なんとかヒットを放って打率3割をキープし続けていました。しかし、その不安は6月にすべて一蹴された。
打棒爆発の6月の中でも特に圧巻だったのは、6月14日の本拠地でのヤクルト戦。
この試合が始まる前までの打率は、打率.303。ノーヒットで終わるとなると3割を割ってしまうという試合で驚異の4打数4安打。見事なほど左右に打ち分け、天才とも言えるバット捌きで打率を.327まで戻し、そこからはまさに独壇場。5月の苦しみはどこへ?と疑いたくなるほど打ちまくり、6月の月間打率.377。6月終了時点で3割4分と10年目でキャリアハイを射程圏内に捉えた成績を残していた。
月の終わりにまたしても試練
しかし、好調だった6月の最後の試合でまたしても悲劇が起こってしまった。ZOZOマリンでの試合のこと。内野安打を放った際、1塁ベースを駆け抜けたときに4月に痛めた右太もも裏の張りが再発。そのまま代走が送られ、翌日登録抹消。
4月に負傷した時は、わずか2週間で復帰を果たしたが2度目・再発ということもあり復帰までに1ヶ月を要した。その影響で7月の出場はわずか2試合だけ。今季の出場が89試合、このケガがなければ7年ぶりの100試合出場も見えていただけに本当に惜しいケガとなってしまいました。
バースデーヒット×3
8月2日、チームは後半戦勝利なしの9連敗中という佳境で西野さんは34歳の誕生日を迎えた。自らの誕生日に試合に出るのは2019年以来5年ぶり。そのときはマルチヒットを放ち、チームは勝利だった。そして今年も「3番セカンド」でスタメン出場。第1打席で応援団よりバースデーソングが演奏され、それに応えるような鮮やかなヒット。その勢いのまま3安打猛打賞。最高のスタートを切った8月も好調を維持していた。
先輩の引退発表の日に5年ぶりの……
西野さんの2024年のハイライトは9月に詰め込まれていた。まずは9月8日のエスコンFでの試合。試合前の朝、オリックス一筋19年のT–岡田が引退を発表。オリファンが衝撃に駆られる中、試合が始まると3回表のことだった。相手先発、北山の変化球を捉えると、フェンス上部に当たり自身5年ぶりのホームラン。
ちょうど外出中で、リアルタイムで見れなかったのが少し悔いではあるが自分自身予想すらしていなかったので、まさかのホームランに声が出なかった。でも「もうホームラン打てないのかな。ホームラン見れずに引退とかになっちゃうのかな。」なんて思っていたところだったので本当にこのHRは嬉しかった。
そしてこの試合はホームランだけでは終わらなかった。3点リードの9回、守護神のマチャドがまさかの炎上で同点に追いつかれる展開。 延長10回、2アウト満塁の大チャンスで打席には西野さん。2球で追い込まれるも、3球目の外のストレートをレフトへ運び、これが決勝点。34歳、意地で持っていた決勝タイムリーはほんとに痺れた。奇しくも「ルーキーイヤーからお世話になったであろう先輩の引退発表の日にヒーローになる」というのが個人的1番の胸熱ポイントでした✌️
改めて今季の成績を見てみる
最後に今季の西野さんを成績を振り返ってみる。
最後に
今年の西野さんの活躍は本当に嬉しかったです!特にこの打低環境でOPSを7に載せたということに価値あり!来年こそは2016年以来の規定打席をクリアしてもらいたい!!!そのためにも自分もたくさん応援します!ここまで読んでくださりありがとうございました!!
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