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即効!あなたらしさを活かすクレーム対応技法

はじめに

本書は、
クレーム対応での技法にスポットを当てた本です。
非があるクレームから理不尽なクレーマーまでの対応の技法をザックリと紹介する本です。

内容は、
既刊拙著「一番つかえるクレーム対応のやり方がわかる本」(日本実業出版社)等の見直し内容に、youtubeショート動画(限定公開)とイラストを加えて紹介します。

紹介する技法は、
すぐに使えて、すぐに効果があり、いろんな場面に応用が利く技法です。
自分らしさを活かす技法です。

会社を団体や組織と、お客様を住民やステークホルダーといった言葉に変えれば、どの業種や職業の方にもお役立ていただけます。

また、例として紹介している言葉づかいと非言語による表現技法は、実際には相手のお客様や状況、内容に合わせて変えていただく必要があります。

本書が、
あなたのビジネス・サポーターとしてお役に立てれば幸いです。
田中義樹



1 クレームの受け止め方

(1)非がある場合には

非がある場合には、まず心を込めて「大変申し訳ございませんでした」と謝ることが大事です。
また、言葉だけではなく、声と顔の表情や動作も合わせてお詫びの気持ちを伝えます

こうすることで、誠意が伝わります。
「この人はしっかりしているな」と受け止めていただけます。

軽い感じの「すみません」や他人事のような「そうなんですか」では、
「その態度は何なの?本気で謝ってるの」
「そんな言い方はないでしょ。あなたはどこの会社の人?そちらに非があるんだから、まずは謝るべきでしょ」
と、お客様の不快感や怒りを増幅しかねません。

(2)非がない場合には

非がない場合には、クッション言葉か配慮の言葉で受けるようにします。
クッション言葉と配慮の言葉は、お客様の不快感や怒りといったマイナス感情を和らげる言葉です。

クッション言葉としては「恐れ入ります」を
配慮の言葉としては内容によって次のような言葉を使います。
・不快なお気持ちをおかけしております
・ご迷惑をおかけしております
・ご心配をおかけしております。

「どうのように対応すればよいのか?」と迷ったときには、焦ることなく「恐れ入ります」と受け止めるようにします。

そういう意味では、「恐れ入ります」という言葉はいろんなシーンに活用できる万能な言葉です。

(3)非があるかどうかハッキリしない場合には

非があるかどうかわかりにくい場合にも、前述(2)のようにクッション言葉か配慮の言葉で受けることが大事です。

「そんなことはないと思いますが…」といったお客様を疑ってかかるようなことは言わないようにします。

それに、事情が把握できない段階での「大変申し訳ございませんでした」といった対応にもリスクがあります。
たとえば、その要求がお客様の悪意によるものだった場合、
「最初に謝ったではないか。非を認めたことだろ」
といった展開になりかねないからです。

大事なことは、お客様が言わんとすることを理解する対応です。


2 クレーム対応のスタンス

(1)担当外のクレームには

クレームに対しては、誰もがきちんと対応することが大事です。
担当外であっても、
「ご心配をおかけしております」
といった配慮の言葉かクッション言葉で受け止めるようにします。

ここでは、
「私は担当者ではないですから」
「私が行ったわけではないですから」
といった言葉は禁句です。

また、「ああ、そうですか」も、いただけません。
お客様からすれば、誰もがきちんと対応してくれてあたり前なのです。
「担当者がどうのこうのは内輪のことでしょ」です。

クレーム対応力は、全社員が身につけておくべき能力です。

(2)担当者としては

担当者としては、会社の代表者として責任を持った言動をとるようにします。

お客様から「部長を出せ」と言われた際には、
「私、○○と申します。私が担当でございますから」
と対応します。

「駄目だ、部長を出せ」と繰り返されても、少なくとも2回までは担当者として受け止めるようにします。

こうすることが、お客様の信頼度を上げることになります。
それでもだめなら、直近の上司に事情を説明して引き継ぎます。

ただし、お客様の健康を害するなど、会社としての責任の重大さによっては、すぐに社長や部長が対応する必要もあります。

(3)引き継ぎ方

引き継ぐ際には、被引継ぎ者が適切に対応できるようにします

それには、
「不快なお気持ちをおかけしております(配慮の言葉)。恐れ入ります(クッション言葉)。お客様、こちら総務でお伺いしておりまして、きちんと担当のほうで対応させていただくために、差し支えなければお名前と状況をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「○○の○○という者だけど、…」
「恐れ入ります。少々お待ちいただけますか?担当のほうへ電話をおつなぎします。恐れ入ります」
といった対応によって担当者に引き継ぎます。

ここでは、
担当者が
「○○様、担当の○○でございます。このたびはご心配をおかけしておりまして、申し訳ございません」
といった感じで出られるようにします。

被引継ぎ者の最初の言葉が「お客様どういうことでしょうか?」では、
「なに、どういうこと、さっき言ったぞ。何回言わせるんだよ」
「まずは詫びるべきでしょ。あなた担当者でしょ」
というように、最初のボタンを大きくかけ違えることになります。

少なくとも、事情に合わせて、
「非がある場合には謝罪」
「非がない場合には配慮」
から進められるようにすることが大事
です。


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