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実践で一番使える職場の共創のコミュ法

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〜11月12日 22:30

はじめに

本書は、実践で一番使える職場での共創のためのコミュニケーション法(=コミュ法)を紹介する本です。
私のコミュニケーション研修講師としてのキャリア38年の気づきのまとめです。

内容は、次の拙著「成果が上がる!実践ビジネスコミュニケーション」(日本実業出版社)等の見直し内容に、YouTubeショート動画(限定公開)を加えて解説しています。

紹介する技法は、簡単かつ即効性があり、いろんな場面に応用が利く技法です。

文章とイラストでテンポよく解説していますのでスイスイと身につけていただけます。
お読みになると、「こんな簡単なことで?」と思われるかもしれません。
ご心配なく、その効果の大きさは実践によって実感していただけます。

私は、研修では「実践で使える技法(成果につながる技法)」を体得していただくことを第一にしてやってきました。
ここでは、「講師ではなく、パートナー」として「答えをお教えするのではなく、拠り所を提示して押さえどころを答えてもらう」といったスタンスをとってきました。
紹介する技法は、こうした経験からの気づきです。
その効果は研修で実証済みです。

また、タイトルを「共創のコミュ法」としているのは次の事由からです。
組織にはいろいろな知識や知恵、技能・技術を持った人がいます。
これが、組織力の源です。
組織の目的を達成するためには、全従業員がベクトルを合わせ、共創によってお客様に選ばれるコトや物をつくり続けていく必要があります。
ここでのベクトル合わせと共創の手段はコミュニケーション(=コミュ)です。
共創のコミュ法は、職場で必要なコミュ法です。

会社を団体や組織と、お客様を住民やステークホルダーといった言葉に変えれば、どの業種や職業の方にもお役立ていただけます。

例として紹介している言葉づかいと非言語による表現は、実際には相手や状況、内容に合わせて変えていただく必要があります。

各項目完結型ですので、必要な項目からお読みいただけます。
本書が、あなたのビジネス・サポーターとしてお役に立てれば幸いです。
田中義樹



1 良好な関係をつくる第一歩は

(1)良好な関係をつくるあいさつには

良好な人間関係づくりや場づくりの第一歩は、感じのよい「あいさつ」です。
あいさつの良否が、人間関係づくりや場づくりに大きく影響します。

人は、相手やその会社によいイメージやよい思い込みを持つと、その対象の持つよいところに惹かれるようになります。
マイナス部分に関心を向けなくなるものです。

あいさつは、相手に対してよいイメージやよい思い込みをつくるうえで、とても大事な要素です。

好感度の高いあいさつには、次のことを心がけるようにします。
①あいさつでの声と顔の表情を自分の気分がよくなるレベルにする
②相手や周囲(周囲の中心)にあいさつ言葉の語尾まで目線と体を向ける
③おじぎはあいさつ言葉を言った後に行う

(2)あいさつの効用

あいさつには、次のような効用があります。
①相手の心を開くことができる
②相手と心を交わすことができる
③お互いの気持ちを乗せることができる
④相手の気持ちを汲むことができる

まず、「①相手の心を開くことができる」ですが、あいさつは相手を受け入れているという気持ちの表現です。
自分が心を開くから相手や周囲も心を開いてくれるのです。

あいさつをしないということは、「私はあなたやあなたたちとは付き合いたくないんです」という気持ちの表現になってしまいます。
社内の同じ目的を持つ人にあいさつをするのは、あたり前のことなのです。

次に、「②相手と心を交わすことができる」とは、相手や周囲から返ってくるあいさつ言葉はあなたへの共感の表現です。
あいさつ言葉を交わすことで心が通い合うのです。

そして、「③お互いの気持ちを乗せることができる」ですが、前述の②に関連して、あいさつはお互いの気持ちをつくるものです。

あいさつでの声と顔の表情や動作を自分の気分がよくなるレベルにすると、
自身の気持ちが乗ります。
相手や周囲の気持ちも乗ってきます。
感情コミュニケーションは伝染します。

さらに、「④相手の気持ちを汲むことができる」とは、あなたのあいさつに対する相手や周囲の反応から、相手の心の状態を汲み取ることができるということです。

明るいあいさつが返ってくれば、「相手や周囲は乗っているな」とわかります。
逆であれば、「体調不良や何か問題を抱えているのかな」ということがうかがえます。


2 会話の切っ掛けのつくり方

(1)切っ掛けづくりのポイント

人間関係を前に進めるためには、相手の気持ちをこちらの意向に向ける言葉を返してもらうようにします。

言葉は、自分の気持ちや考えを伝える手段です。
また、言葉は発した人の気持ちを、よりその言葉の意味する気持ちにするものです。
つまり、相手に前向きな言葉を発してもらうようにすると、相手のより前向きな言動につながるということです。

そこで、「会話の切っ掛けづくりには」ということですが、それには次のような言葉を返してもらう働きかけを行います。
①了承の言葉→「あぁ、いいですよ」など
②感謝の言葉→「ありがとうございます」など
③同意の言葉→「私もそう思います」など
④注目・興味の言葉→「ええ、本当ですか?」など
⑤共感の言葉→「そうそう、そうですよね」など

(2)切っ掛けづくりのいろいろ

まず、「了承の言葉を返してもらう」ですが、こちらは「人への働きかけにおいては必須のこと」と言えます。

ですから、こちらの意向を伝えたいときには、まず初めに了承の言葉をもらうようにします。

次に、「感謝の言葉を返してもらう」と「同意の言葉を返してもらう」ですが、人は「ありがとうございます」「私もそう思います」と言った後には、「いや」とは言いにくい(否定しにくい)ものです。

たとえば、説得においては「ほめる」ことで、「ありがとうございます」といった言葉を返してもらうようにします。

あるいは、
「○○さんだからわかってくれていると思うけど、○○については○○をする必要があるんじゃないかな、どう?」
といった問いかけによって、
「私もそう思います」
といった同意の言葉を返してもらいます。

このように、相手の主体的な言動を喚起する説得では、この2つの方法はより有効な方法だと言えます。 

そして、「注目・興味の言葉を返してもらう」ですが、人は興味のある話には進んで乗ってきます。
相手から、
「どうなったんですか?」
「どうしてですか?」
「どうすればいいんですか?」
といった言葉が返ってくる話題から入ると、会話がはずんできます。

さらに、「共感の言葉を返してもらう」ですが、人は共通の体験や情報、近い体験や近い情報を持っていると早く親しくなります。

相手から、
「本当ですか、凄い。一緒です」
「あれは○○でしたよね」
「近い体験してますね」
といった言葉が返る話題から入ると、親近感が生まれ、会話がはずんできます。

たとえば、
「○○さんはA社の仕事もしておられるんですよね?」
「ええ、5年間お世話になっています」
「実は、私はA社の○○君とは学校が同じでして…」
「ええっ、そうなんですか。○○さんは○○ですものね」…(盛り上がり)。
といった感じです。

繰り返しになりますが、いずれの場合にも、気持ちをこちらの意向に向けてほしいときには、まず「いいですよ」という了承の言葉をもらうようにします。

なお、ここではプライバシーや個人情報への配慮が必要です。


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10月13日 22:30 〜 11月12日 22:30

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