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【読書メモ】『うつの人のリワークガイド』

基本情報

タイトル:『うつの人のリワークガイド』
著者:五十嵐良雄

読了日:2024年6月11日
メモ:図書館→購入


引用と感想

復職を焦らず、再休職を防ぐための準備を
 復職するということは、以前に働いていた頃の「元の環境」に戻るということです。朝晩の通勤ラッシュのなかで移動し、職場に着いたらほかの従業員と同じように仕事をしなければなりません。上司や同僚、取引先など、それまで一緒に仕事をしてきた人たちとの関係のなかに戻っていくことも必要でしょう。そのような環境に戻っても、休まずに働き続けられることが必要です。

53ページ

1度目の休職時、最も理解していなかった点かもしれない。

今考えると、とても回復したとは言えない状態だった。
でも、良くしてくれている会社の人たちに迷惑をかけている。いつまでもダメなやつだと思われたくない。
そんな気持ちで復職を申し出た。先のことは考えていなかった。

会社は「ならし就業」から始めて、ゆっくりと通常業務へと移行してくれた(“前”主治医の治療に変更はなかったが)。それでも1年たらずで再休職してしまった。

この本でも繰り返し述べているが『復職はゴールではない』のである。
その先の、日々の生活がきちんと送れるか。
そこを考えなくてはいけないと気づかされた。

復職を可能にする3つの要素とは
①生活リズムが整っており、朝、一定の場所に来られる
②集団のなかで一定時間を過ごせる
③平日は毎日プログラムを行っても疲労がたまらず、症状の再燃がない

57ページ

どれひとつクリアできていなかったし、今もできていない。
就労に耐えうる体力がないことを実感する。

なぜリワークプログラムを実施したほうがよいのか
 患者さんから「なぜリワークプログラムを受ける必要があるのでしょうか」「診察だけではダメですか?」と聞かれることがあります。憂うつな気分があるとはいえ、それまで一定の仕事はこなしてきたわけですから、そう感じるのもわかります。
(中略)
 診察だけで復職を目指すよりも、リワークプログラムを実施したほうが、回復レベルが上がりやすくなり、復職の時期も判断しやすくなって、再休職へのリスクが減ります。それが、リワークプログラムを実施する理由です。

64~65ページ

私自身感じたことである。
会社側が「ならし就業」してくれるのに、産業医はなぜ「リワークプログラム」を勧めるのか?

まず第一に、「ならし就業だけでは失敗したから勧めたんだろう」というツッコミが入る。
第二に、「お前はほっといたら何の復職対策もできないだろう」というツッコミが飛ぶ。
どちらも今の私からのセルフツッコミである。まったくその通り。
専門家の意見は(だいたい)正しいので、むやみに反抗するべきではない。


全体まとめ

すごくキレイで、理想的な治療プロセスが書かれていた。

実際にここまで手厚い治療を提供している病院がどれほどあるだろうか。
メンタルクリニックや心療内科は星の数ほどあるが、私たち患者には病院選びするだけの気力・体力・余裕がない。
通院するまでどんな病院かわからないなんて、とんだガチャである。

私自身、ガチャを一回外した方だと思っている。
だからこそ、理想の治療プロセスを知ることで希望が持てた。
何を探せばいいのか、何を求めればいいのか、光が見えた気がした。

私は読んで前向きになれた。
図書館から借りて読んでいたが、何度も読みたいし、書き込みもしたいので、すぐに購入したほどである。

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