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空を見上げて、1つになる

人間は、たぶん1つになりたいんだ。それは、世界を丸ごと呑み込んで、自分のからだにしてしまいたいと思う程だ。それはきっと、世界の誰でもない、自然の摂理がそう言っている。

人間は、自分が何者かを知りたがる。当てどなく彷徨う。液体のように形のない曖昧な自分は、固体になりたいんだ。固体になって、1つのせかいになりたいんだ。

人間は、世界で自分一人だけだったら、自分の世界がすべてであって、そこで世界は完結する。他者が現れて初めて、自分を知り、他者を知り、せかいを"知る"ことになるんだ。

「正しさ」は、誰にでもあると思う。自己の主張が、私たちの世界の正しさ。「支配」は、1つになりたいという、働きの一つであり、人間としての現れ方なんだ。

人間の「知りたい」と思う心が、きっといつか知らず知らずのうちに、せかいが1つになることを望んでいるのかもしれない。

肌に直接触れるように、世界を「知覚したい」と思っている宇宙のように底知れない誰かさんのその欲求は、きっとせかいを自分のからだにしたいと、今日も空を見上げる。

それがきっと、じぶんなんだ。

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