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VS パニック...「パニック障害」攻略法

パニック障害を患い約20年。今ではある程度認知されたパニック障害。ここでパニック障害の説明することはしませんので、興味のある方は「パニック障害」と検索してください。いくらでも情報は得られます。

しかし、どうやったら直せるのか?医師の解説はあっても、当事者(疾患者)の声として、どうやったら克服できるか?どうやったら楽になるか?など、攻略法についてはあまり言及されていません。そもそも、何をもって克服、完治、攻略と言えるのか?パニック発作がなくなったらOKなのか?広場恐怖や予期不安も克服して初めて攻略できたと言えるのか?

20年の経験を攻略法として解説していきます。

【初めてのパニック発作】


始めてパニック発作を起こしたのは、20年前の飛行機の中でした。北海道千歳空港から羽田空港へ向かう飛行機の中でそれは(パニック発作)は突然襲ってきました。

「あれ?なんだ?あれ?ここにいたらだめだ!」

飛行機のドアが閉まると同時に、急に額に汗が流れだし、心臓の鼓動はMAXの速度。呼吸が急激に苦しくなり、息が出来ない状態。全てが、初めての症状、経験でした。もう、どうしていいかわからない!とにかく、飛行機から降りたい!

この感情と症状は、「飛行機に閉じ込められた」という、過去には一度もなかった「閉じ込められたという恐怖」から起こったものでした。ドアが閉まり一時的に(千歳空港~羽田空港間)閉じ込められたものの、飛行機内の空間は広く、閉所(恐怖)を感じるものではありませんでした。しかし、「つぶされる!」という、閉所恐怖を超えた「空間につぶされる」という恐怖が一気に感情を支配していきました。

絶対にありえないことですが、飛行機に閉じ込められた、つぶされる恐怖とは、プレス機にでも押しつぶされて肉体がバラバラになるような?まるで、肉体をひき肉にでもされるような?殴られたり、刺されたり、撃たれたり、という映画やドラマで見ることの出来る死に方よりももっと怖い、最悪の死を創造させるレベルの恐怖でした。

しかし、その恐怖も20分程度たてば嘘のように消えていきます。これは、私の感情・精神力が恐怖に勝ったわけでは割りません。単なる、生理的なメカニズムです。パニック発作は長く続いても30分程度で落ち着きます。ですから、30分我慢すればいいじゃない…とはいきません。また、あの恐怖や発作が来るのではないか?と、多くの人が恐怖や発作を経験した場所を避けるようになり(広場恐怖)、その場に行くとなると不安(予期不安)が高まっていきます。結果、私のパターンで言えば、飛行機に乗ることを避け、飛行機に乗れないマインドの設定となります。

この北海道からの帰りに飛行機でのパニック発作から、その後は飛行機に乗れなくなり、さらに、新幹線にものれなくなり、その後は特急電車、満員電車、普通電車と、交通機関のほぼ全て、自家用車以外は乗れなくなるという結果になりました。その自家用車も、渋滞やトンネルに入ると発作が起きるようになり、トンネルと渋滞がない道を選ぶようになるなど、行動範囲はどんどん狭くなっていきました。

さてさて、困ったものです。パニック発作は乗り物での恐怖の範囲を超えて、仕事にまで影響するようになりました。人前で話すプレゼンのときなど、それも大勢の前でプレゼンをする時はもう、心臓も血圧もバクバクです。広い空間なのに、誰も何も圧力をかけていないのに、押しつぶされる恐怖。いったい何が起こっているのか?私の体はどうなってしまったのだ?20年前はPCが普及してきた時代ですから、自身の症状を検索していくと、そこで初めて「パニック障害」という病気を知ることになりました。

しかし、20年前の時代は、心療内科や精神科へ行くことがまだまだハードルの高い時代でした。なんといいますか、恥ずかしいといいますか、情けないといいますか、治療を受けるにも勇気のいる時代でした。

そして、心療内科へ行きなんだかんだで「パニックマン」(新潮社)という本を書き、5年かかって飛行機や乗り物には乗れるまでに回復したものの、完治となる「攻略」をしたわけではわりませんでした。一時的に飛行機には乗れるようになったものの、パニック障害は奥の深いものでした。

あれから20年。現在、基本的には「攻略」したと思っています。では、どうやって攻略したか?っそれを、この後から書いていきます。

つづく

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