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精神障害者手帳を受け取って

申請した経緯、受け取ったときの心境

数か月前に、障害者雇用を目指した就活を始めるにあたって障がい者手帳をとることを決め申請していた。
それが先日やっと届いた。
申請用の診断書の中身は、開封して自分でも確認していいものなので申請前に確認したが、ざっと見て3級だろうなと思った。
というか、3級をとれるようにテンプレで書いてくれていた笑。
精神・発達障害の障害者雇用では、等級が重いとはじかれてしまう企業もあると聞いたこともあり、就活目的で作ることを伝えたからそう書いてくれたのもあると思う。あとはもちろん、わたしの病状が軽いほうだと思うから。

心境に変化はない。
とるか迷っていたころは、周りの手帳を持っている人を見て、「自分とは違う」とか「自分より重いのだろう」と想像していたが、そうではない人もたくさんいる。
わたしのように就活を機に取る人もいるし、手帳を持ったからと言って私自身は何も変わっていない。他のみなもそうだろう。手帳が自分には遠い存在・特別なものと思っていたが、わたしは特に、一番等級が軽い3級なので、手帳を持っている精神疾患の人もそうでない人も、その間に違いなんてないのだと思った。

わたしなんかが障害者割引を受けてもいいのか

わたしは障がい者採用枠で就活するために手帳をとることを決めたが、他の人はどのような経緯でとったのだろう。
福祉サービスを使うためとか?全く分からない。
わたしの場合は取る決め手が就活に必要だったから、だけど、その決定的な理由がなければ取らなかっただろう。自分が障がい者であるということを証明することが必要な場面がないのに持つ意味はないし、手帳を持っていると受けられるさまざまな割引や免除についても、それを受けるほど重くない、だからそんなの私が使っていいと思わない、って考えてたから。

だから正直手帳を持った今でも、そういう割引や免除を使っていいのか迷ってる。
でもよく考えたら、使ってもいいのかもって思った理由がある。
わたしは秋から冬の間、体の調子が悪かったりうつ状態が続いていて、アルバイトができず、はっきり言って口座残高がずっと4桁から3桁だった。
精神科の病院に通うための交通費も出さないくらいの時もあったし、車を使うにしても車両保険代がいるがそれも出せない。そもそも症状や薬の副作用として不安や眠気が強くて運転どころではなかったが。
他にもいろいろ。好きな甘いものを買うお金もないし、どこかに出かけるのはとにかくお金がいるから、好きなところや特にショッピングモールにお出かけするなんてもってのほか。ウィンドウショッピングしてても虚しくなるだけだった。お金ないのは自分がバイトしてないせいだから早くバイトしないとって考えてますます気分が落ち込んでいた。
さらに精神科以外の病院では普通に3割負担でお金がかかるので、体調不良でも歯が痛くても乾燥肌がひどすぎて夜寝られないくらいかゆくても我慢することもあった。
わたしは実家暮らしなので、どうしても交通費や医療費がいるときは、母が少しだけお金をくれたが、それももちろん必要経費であっという間になくなってしまっていた。交通費を何度もお願いするのは申し訳ないし、母も大学生なんだから自分のお金くらいなんとかしなさい、早くバイト見つけなさい、としつこく言ってきた。
まあそれでも母はどうしても必要な時には何度かお金をくれたし、お金を掛けなくていい場所(犬を連れていける公園や図書館)に一緒にでかけることができたので、全くの気晴らしがなかったわけでない。それに実家暮らしなので光熱費や家賃は親が払ってくれていた。実家を出なければならずそういうのすら払えず困窮している人もいるのだから、むしろめちゃくちゃありがたいことだった。

手帳を持っていたら入館料無料の施設もたくさんあるし、交通費の割引もある。どうせお金ないしずっと家で寝てたほうがまし、ってどんどん落ち込んで昼夜逆転するよりは、そうやって恩恵を受けて、外に出かけられたほうが断然いい。それで少し気分転換になったり、お金に対して心に余裕が持てる。症状や思考も少しはいい方向に行く。自分だけじゃなくて周りにとっても、症状が軽快するのはいいことだ。
そういうことのためにも手帳はあるのかなと思うと、わたしも使っていいのかもって思えた。

障害年金について

障がいとお金と言えば、障害年金もあるが、これは本当にすごく重要な福祉制度なんだなと思った。わたしはもらっていないが、病状が重くもらっている友達がいる。その子は虐待を受けてきたりひどいいじめやパワハラをうけてきたりして、かなり症状が重く長く続いている。
手帳や年金以外にも使える福祉制度はたくさんある。
先の友達は幼少期から虐待を受けてきて今も実家暮らしで時折暴力をふるわれているが、そういう子が実家を離れて一人暮らしをするとなると、どうしても症状や障がいがあり難しいことがある。そういう人もためにグループホームというのがあるのだが、若い女性だけが住んでいて相談員さんがいるところもあるので、そういった施設も活用し環境を変えることで症状が軽快することもあるだろう。もしその子に障害年金や医療費無料や福祉制度がなかったらと思うと恐ろしい。日本の福祉制度って意外とたくさんあって、支えられてるんだなって思った。
(一方で、障害年金は症状が軽快して一定額稼げるようになったら支給打ち切りになるという仕組みなので、障害年金を受給していることが回復の妨げになっている人もいる、という厳しい意見も見かけたことがある…。)

でも実は正直に言うと、その子は年金をもらっていて、好きなものをある程度は買えるし精神科以外の病院も無料で行けるのに、バイトや勉強や症状に苦しんで、少ない貯金から年金をしぼりだして払っているわたしがなんで好きなものを買うことや体調不良を我慢しなきゃいけないんだろうって思ってた。ずるい、とも思ってしまっていた。
でも症状が重いのとか過去の痛ましいトラウマとか家庭環境とかですごく苦しんでいるのを見て、それなのにその状況を「ずるい」というのは本当に失礼なことだと反省した。その子には福祉の支援を十分に受けて、これからは楽しんで生きてほしいって思った。

まだまだ就活は続くと思うけど、前向きに頑張ろうと思います!

最後まで読んでくれてありがとう。 るえな

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