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『ゴジラ-1.0』感想 そうだった。ゴジラって怖かったんだ、、、

良かったところもイマイチだったところも両方ハッキリしていて、どちらのベクトルも大きい超大作でした!

鑑賞からかなり経ってしまいましたが、遅ればせながらネタバレなしで感想を残しておきます。

概要

日本が生んだ特撮怪獣映画の金字塔「ゴジラ」の生誕70周年記念作品で、日本で製作された実写のゴジラ映画としては通算30作目。「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズをはじめ「永遠の0」「寄生獣」など数々の話題作を生み出してきたヒットメーカーの山崎貴が監督・脚本・VFXを手がけた。

タイトルの「-1.0」の読みは「マイナスワン」。舞台は戦後の日本。戦争によって焦土と化し、なにもかもを失い文字通り「無(ゼロ)」になったこの国に、追い打ちをかけるように突如ゴジラが出現する。ゴジラはその圧倒的な力で日本を「負(マイナス)」へと叩き落とす。戦争を生き延びた名もなき人々は、ゴジラに対して生きて抗う術を探っていく。

主演を神木隆之介、ヒロイン役を浜辺美波が務め、NHK連続テレビ小説「らんまん」でも夫婦役を演じて話題を集めた2人が共演。戦争から生還するも両親を失った主人公の敷島浩一を神木、焼け野原の戦後日本をひとり強く生きるなかで敷島と出会う大石典子を浜辺が演じる。そのほかのキャストに山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、 佐々木蔵之介ら。2023年12月にはアメリカでも公開され、全米歴代邦画実写作品の興行収入1位を記録するなど大ヒットを記録。第96回アカデミー賞では日本映画として初めて視覚効果賞を受賞するという快挙を達成した。第47回日本アカデミー賞でも最優秀作品賞ほか同年度最多8部門の最優秀賞を受賞した。

映画.com より引用

良かったところとしては、まずなによりもゴジラがこわい!!!
最近はハリウッド版のヒロイックなゴジラに見慣れていたせいも相まって、初めてゴジラに恐怖を覚えた。
特に放射熱戦の破壊表現がえげつない。射線上を瞬く間に抉り取り、着弾と同時に吹き上がる爆炎、それと刹那の間を置き襲いかかる轟音と全てを吹き飛ばす爆風。「あ、絶対にオワッタ、、、」と絶望させられること必死です。

また、明確な意思を持って襲ってくるゴジラも、怪獣というよりはモンスター映画に近いものを感じて、それはそれで新たなゴジラ像として楽しめました。

人間ドラマとしても主人公の敷島視点で深く描かれていたのも山崎監督らしさが出ていた。かなりやり尽くされたテーマではあるけれど、「生きる」というメッセージで一貫してたのが好印象でした。
今回のゴジラが核爆弾のメタファーというのは明白ですが、それと同時に敷島の内面に深くフォーカスするほど、生き残って“しまった”という彼の自責の念からくる呪いが具現化したもののようにも見えました。

敷島をはじめ、敗残兵として生き残って“しまった”男たちの、己の中の戦争を終わらせるために奮起する姿には熱くならざるを得ませんでした。
そしてゴジラとの戦いを通して、かつての「死して英雄になる」時代から「生きて帰る」戦いへと、精神的に復興していく力強さも素晴らしかったです。
(ゴジラ討伐の作戦を立案するシーンでの吉岡秀隆さんの表情、最高でした😂)

この生き残って“しまった”敗残兵にとっての終戦後も続く地獄が、敷島を通してかなり重く描かれていところは山崎監督の本気を感じました。
その一方でやっぱり優しさを出してしてしまう、悪く言うと甘さが捨てきれない部分も、監督の癖として出てしまっていたように感じたのが個人的に惜しかったポイント。まあそこが良さでもあると思いますが。

セリフのクサさや言わせすぎだなーって思うところは結構気になってしまった。ここはもう少しなんとかならなかったのかなーと感じてしまったのですが、さすがに気にしすぎでしょうか?

また、ゴジラ描写が強烈なインパクトを残していたものの、よくよく考えるとゴジラに対してはほとんど深掘りされてなくね?ってことに気づいてしまいました。
人間ドラマを濃く描くとどうしてもぶつかる壁なのかなと思ったけど、うーんなかなか難しい。

いろいろと言ってしまいましたが、総合的には満足度のかなり高いゴジラ映画でした!
オスカー受賞おめでとうございます!!!

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