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ケッチャプが教えてくれる"Mi casa tu casa"

20代前半でアメリカ留学をするまで
一人暮らしをしたことがなかった。

初めてのアメリカの大学で
アパートを借りて一人暮らしするよりも
アメリカ人とルームシェアをして
英語に触れた方が絶対いいと思い、寮に住むことにした。

それほど広くない一部屋に2人でシェア。
置いてあるものはベッドとデスクのみ。
あとはルームメートの小さな冷蔵庫だけだった。
あっ、洋服を入れる棚もあったかな?

初めてそのルームメートに会った時、緊張した。
何を話したか全く覚えていない。
彼女はその大学のバスケットボールメンバーで
アフリカ系アメリカ人でものすごく背が高かった。

どうも日本人は私が初めての様子で
ちょっと戸惑っていた様子だったのを覚えている。

私にとって、寮に帰るのは寝るだけの場所であった。
授業が終わったら、図書館で過ごしていた。
だから、そのルームメートとも会話をほとんどしなかった。

一つだけ今でも覚えていることがある。
当時は「これも文化の違いかな?」と、
ちょっとびっくりして笑っちゃったけれど
今思えば大したことではない。

アメリカではマクドナルド等ファーストフードで
ポテトをオーダーすると
大量に小袋ケチャップをくれたりする。
ある時、そのケチャップを何個かを彼女の冷蔵庫に入れておいた。
後で、使うつもりで。

(あっ、既に、彼女から「冷蔵庫を使っていいよ」と言われていたのでそれはOK)

そしてそして・・・

1週間後、使おうかなぁと思いきや、
冷蔵庫を開けると!?
「あれっ?ケチャップがない!」

彼女に「ケチャップ知らない?」と、聞いてみた。

そしたら、なんと「あっ、あれ捨てちゃった」
冷蔵庫をきれいにするためにお掃除したらしい・・・。

そうなのよ。これって面白いなぁと思うのだけど、
"Mi casa tu casa" ☜ 突如、スペイン語 

彼らって「あなたのものは私のもの、私のものはあなたのもの」
って感覚があるらしい・・・ので、
(人にもよると思うのだけど・・・・)

自分のものでなくても、相手に聞かないで自分の意思で決めちゃうの。
おもしろかったなぁ・・・。私だったら、相手のものだったら、触らないかな。もしくは、もし、捨てようとするのなら、その前にまず本人に聞くかな・・・。

本当におもしろい。

だから、彼らの感覚だと「自分のものもあなたのものよぉ〜」なので、
「私のものも勝手に使っていいよぉ〜」と
とってもおおらかなのです。。。
と、言われても、そう勝手には使えないのが私だったけれどね。

ある意味、気兼ねなく堂々といろんなことができたし、
私にとっては『母語』ではない『英語』ということもあり、
いろんなことを知るために、
彼らの早い英語がわからないなりにも、
相手の言っていることをわかりたいと、
また、一生懸命自分の意思を伝えようとしていたのが
私にとってのアメリカだったな。

これが、やっぱり日本人同士だと難しい・・・
気を使いすぎて私はやっぱり疲れてしまうのである。
文化もそうだけれど、やっぱり生まれ持った気質も関わってくるであろう。



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