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東大生、教育格差を学ぶ

先日挙行された大学院の入学式にて総代(新入生代表)が語っていたのは、「格差」についてでした。歴代の祝辞や総長のご挨拶でも「格差」について語られることが多く、しばしば物議を醸しています。

そんな「格差」についてずっと気になっていた本があったので、ついに読んでみました!

『東大生、教育格差を学ぶ』松岡亮二、高橋史子、中村髙康 編著

こちらは、2021年度に東京大学で開催されたゼミ形式の授業「教育格差 入門 ーみんなで議論して新著をつくるー」の模様をまとめたものです。そもそも格差って何だっけというお話から、学生が今まで感じた格差、知らなかった格差の世界まで、様々なトピックについて教員と学生が議論を重ねます。

この授業取りたかった……..!!!

授業の存在をあとから知ったので履修はできませんでしたが、本が出版されたことを知り読もうと決めておりました。
本の内容にはあまり触れず、感じたことを残しておきます。

読んで思ったこと(まとめ)


①格差というテーマを重く捉えすぎるのをやめよう
②私は格差を相対化できていなかった
③それでも自己中心的にいこう

読んで思ったこと(くわしく)

①格差というテーマを重く捉えすぎるのをやめよう

私は教育格差について深刻に考えていた節があります。希望通りに教育を受けられ「なかった」方々に意識が向くからです。

だけどこの本を読んで感じたのは、誰もが関わりのある格差のようなトピックについて議論をするのは単純に面白いなあということです。

誤解を恐れずに言えば、ある種のエンタメとして本を楽しませていただきました。

もちろん、ふとした発言が誰かを傷つける可能性も高いテーマですので、言葉選びには慎重になる必要がありますが、慎重になりすぎていたら議論は進みません。

②私は格差を相対化できていなかった


自分は教育機会という観点でいくと弱者だったと認識していました。十分に教育を受けられ「なかった」側だと自認していたわけです。

だけどこれは私が属している偏ったコミュニティ内の話であって、例えば日本全国の同世代を考えると、豊かな教育を経験できた方なのかもしれません。

教育といっても義務教育だけでなく社会経験や旅行など様々あるので、「私は教育を37受けて、鈴木さんは63受けてきた」というように数値で比べるのは難しいかもしれません。

ですが、少なくとも私は限られた集団内での自分の立ち位置しかみていなかったんだなという気づきは得られました。

③それでも自己中心的にいこう


それでも私は、何かうまくいったときには自分の頑張りを認めようと思います。環境のおかげとか運がよかったとか、いろいろあるかもしれませんが、「努力が結果につながる」と思った方が楽しいからです。
※本でも、100%環境や運のおかげなどとは主張されていません。客観的なデータと経験に基づいた議論がなされています。

実は教育格差に関する取り組みには高校時代から興味があり、地方の学生へのサポートも始めている立場ではありますが、自分の人生を考えるときはとことん主人公になりきって楽しみつくそうと思っています。

以前は、仕事を決めるとき等において「私がこうして自由に生きられている一方で、そうじゃない人もいるんだよな」と思いを馳せる癖があったのですが、最近きっぱりやめました。

自分が心から人生を楽しんだうえで他者に力添えできたらいいし、自分が満たされていない状態で他の人のことを考えられるほど大きな器は持っていません。



たくさんの視座を授けてくれた本に感謝しながら、今後も大学院で楽しく教育を受けてきます!


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