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「ダメ、絶対。」を新しく!

こんにちは、タスクです。

この度、「ダメ、ゼッタイ。」に代わる自分なりのまったく新しい薬物乱用啓発ポスターを作りました!
じゃじゃ~~~ん

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ポスターのクオリティ云々は置いておいて、ここでは、ポスター制作に至った経緯や作成の上で考えたことを書きたいと思います。
ちなみに、厚生労働省による『ダメ。ゼッタイ。』普及運動のポスターはこれ↓
https://www.mhlw.go.jp/content/11126000/000517712.pdf

です。(”ゼッタイ”もカタカナだった…)

制作の経緯

薬物乱用防止のスローガンはほとんどの人が一度は耳にしたことがあるかと思います。
「ダメ、ゼッタイ。」
分かりやすく、ある意味キャッチーなので、様々なコンテンツでパロディ的に用いられている場面も見受けられます。
また、リンク先にあるように「→破滅」と書かれている青看板のポスターも制作されています。うちの近所の町内会の掲示板にも貼ってあります。

しかし、このようなポスターの内容について見直そうという動きも出てきています。
様々な依存症と関連する問題に取り組んでいるNPO法人アスク(ASK)は、薬物乱用者、依存症者を社会的に排除することを助長する負の効果があるという理由から、これらのポスターを見直すよう厚労省に要望を出しています。
https://www.ask.or.jp/updates/8109

なるほど、たしかにそういう良くない面はあるかもしれない。「ダメ、ゼッタイ」の言葉ばかりが広がると、薬物使用者が「ダメなことをするダメなやつ」のようにみなされて切り捨てられてしまう。
これでは、孤独、貧困、暴力、虐待、病、その他複雑な背景も見えなくなってしまう。
実際には薬物に代わる支えが必要なのに。
そこでふと思いました。
じゃあどんなだったらいいんだろう。
ダメ、ゼッタイ。に代わるスローガン、破滅の青看板に代わるポスターはどんなものなんだろう。
ならば試しに自分でも作ってみようと思い立ったのが今回の流れです。

制作にあたり考えたこと

①ポスターの目的(役割)
ポスターを作る目的、すなわちポスターに担わせたい役割は「薬物乱用を抑制すること」とします。
現行のポスターが持つ目的と同じです。
このポスター制作は同じ目的に対してどんな違うアプローチができるのか、という実験でもあります。

現在の法律においては、違法薬物の所持・使用は犯罪です。なので犯罪行為をすることが「ダメ、絶対」なのはその通りであると言えます。
しかし、そのことをその通りに伝えるだけでは不充分です。
薬物の使用は当事者の健康問題です。薬物が心身に様々な影響を及ぼすことはよく知られていると思います(市販薬や処方薬でも同じことです)。
また前述の通り、薬物と出会い使用に至るまでには様々な背景が潜んでおり、根本の原因に対する支援や改善の有無が薬物の使用にも大いに関係していると言えます。
こういった本質的な問題があることを意識しつつ、相談や回復につなげることのできる表現を選択していくことが求められます。

今までの「ダメ、絶対」は、法律的な観点からのみのメッセージとなっていましたが、ここに新たな切り口として社会学的、医学的な視点から薬物乱用の抑制を捉え直してみましょう、ということです。

②伝えたいメッセージ
現行のポスターは、スローガンやデザインから最初の一回の使用を抑制することを目的としていることが伺えます。
最初の一回という点から考えると、NOと言う選択肢を自分の中に持てるかどうかがとても重要となってきます。そして、NOという選択が自分にとってベターである必要があります。
このようなことを考え、「NOを持つ」ということを主題にすることにしました。

加えて、薬物を使用したり依存症になっても「詰み」ではない、ましてや「破滅」はしないということを踏まえたうえで、対処の方法や相談、回復の道があるということも伝える内容に盛り込むことにしました。

ポスターの表現について

このポスターは、フリーの画像とアイコンを用意してcanvaで作りました。

第一に、表現内容は「薬物報道ガイドライン」(下記リンク)に則ったものとしました。
http://izon-hodo.net/2017/02/post-96/

メインメッセージの「HAPPY TO "NO"!」は、アサーティブコミュニケーションを端的に表したものです。ポジティブに、積極的に、意思をもってNOを選び取ってほしいという意味を込めました。
写真の停止標識は、そのまま「立ち止まる」ことを意味しています。立ち止まって、引き返したり別の迂回路を進むということです。
そして下部にアイコンを添えて具体的なメッセージを載せています。

ささっと作ったのでこなれていないのと、分かりやすく悪口を言うと「スカしてる」表現をしがちなので好き嫌いが分かれそうだとは自覚していますがひとまずはこのような形に落ち着きました。

おわりに

ぼくはデザインのプロではないし(もっと勉強したいとは思ってるけど)、アウトプットとしてはプロフェッショナルの方が作れば比べ物にならない良いものができると思います。このポスターも「こうするべき!」「これが正解!」というものではありません。
発掘された課題に対する具体的な改善案を実験的に考察したサンプルの1つとして捉えてもらえればと思います。むしろ結果として表出されるまでのプロセスであるこのnoteが本体になります。

これからも自分にできることを考えていきます!

#コラム #大人の学び #デザイン #ポスター #依存症 #薬物依存症

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