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【エンタメ界の風雲児】 世界一チャット小説を編集する男が語る、現代における編集者の役割と野望

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緒方ユウヤ(おがた・ゆうや)
大学卒業後、人材派遣企業の営業職、マーケティングオートメーションのSaaSプロダクトを扱うスタートアップでの営業職を経て現職。幼少期から音楽や映画に没頭する。現在12名の作家を担当し、月に10タイトル前後のチャット小説を編集する。

━━まず始めに、taskeyを知ったきっかけを教えてください。

代表取締役CEOの大石とは高校・大学時代の同級生で、お互い別々の時期に上京したんですが、2人でよく銭湯や買い物に行っていました。その中でtaskeyや「peep」というサービスのことはよく話に上がっていたので知っていました。僕が前職を辞めるタイミングで「転職活動する期間、手伝わせて欲しい。」とお願いして働き始めました。

━━そこから入社されたんですか?

そうですね。働き始めてから編集の楽しさや事業の将来性を感じて、結局転職活動はせず、フルタイムで入ってました(笑)。手伝い始めて2日目の夜、大石と松屋に行ったんですけど「編集者として、こういうことをしてもらいたいと思ってる。」という話をされて「あれ?!俺ってもう編集者なんだ……。」って。(笑)それまではIT系の営業をしたいとぼんやり思ってたんですけど、そこでパッと意識が変わりましたね!

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━━編集は初体験だったんですか?

そうです。当時、編集部は大石だけだったので、大石と一緒に1ヶ月ほど編集の仕事をして、基本を学びました。それから作家さんを担当するようになりました。

━━もともと小説は好きでしたか?

学生時代はめちゃくちゃ読んでましたね。それもあってか、エンタメの「これがこうなったら面白いだろう」というのは割とわかる方だと思っています。そこは大石からも評価してもらっていて……。だから初めの方はあまり苦労せずにいけましたね。

━━才能ですね。

そうなんですよね。

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━━緒方さんにとって編集者とは?

僕がやってることは大きく分けて2つあって『価値の最大化』と『多くの読者に届けること』です。
まず『価値の最大化』というのは、細かいところでいうと物語の登場人物の言動や所作をイメージして「ここで一回伏線を入れておいた方がいいかな」とか「ここで泣くのはちょっと早いな」などをイメージして、全ての読者の読書体験を最大化させることです。
大きいところでいうと「作家さんのやりたいこと」「会社としてしなきゃいけないこと」「読者はこういうストーリーが読みたい」っていう3つの間に立って総合考慮して、その作品の価値を最大化させるということです。

━━「作家」「会社」「読者」のバランスを取るために緒方さんの意見を譲ったりすることもあるんですか?

そうですね。読者の比重が一番大きいと思っているので。最近聞いた話で「読者に媚びない作品はダメだ」っていうフレーズがあって。「読者なんか関係ねえ」っていう作品って結局面白くないから価値が低いんですよ。だから読者が面白いっていう作品は、結果として作家の評価に繋がるし、会社が大きくなるのにも繋がるのでそこの比重は大きいですですね。

━━なるほど。今の時代だからこそ、そういった比重になるんですね。では『多くの読者に届ける』というのは、具体的にどういうことですか?

『多くの読者に届ける』というのは、エンタメがこれだけ溢れている時代で「peep」を選んでもらうために作品をパッケージングしたり、広告の構成にも携って少しでも多くの読者の目に触れるようにすることです。

━━現在12人もの作家さんを担当してらっしゃるんですね。作家さんとの関係をどう捉えていらっしゃいますか?

僕がペーペーの時からお付き合いしている作家さんには、僕を育ててくださったっていう恩をすごく感じています。だから僕も爆速で成長して、売れさせるお手伝いをしなくちゃっていうのがまず第一にあります!あとは、面白いものを作って売るっていう志は同じだと思うので、割とシビアな関係でもあるのかなと思いますね。仲間というよりは同志みたいな……。

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━━「peep」の編集者としてのやりがいを教えてください。

自分が担当している作品が跳ねた時は、脳汁が出るぐらい嬉しいです!「peep」ではコメントがクローズドになっているんですけど、担当作品にいいコメントがつくと最高に嬉しいですね!

━━緒方さんイチオシの作品は?

『今日、僕の最愛の人が亡くなった。』です。この作品は短期集中して4ヶ月くらいで作り上げました。何十往復も作家さんとやりとりをする中で一呼吸、一所作づつ全部精査して作ったので、制作期間も楽しかったです!

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━━今までの担当作品とは、また思い入れが違ったのでしょうか?

まず、初めて30話という長編作品を担当させてもらったというのが大きいですね。作家さんとの共通認識で「映画化」という目標を持って、お互い絶対に妥協しないことを約束して作りました。

━━今課題に感じているところはありますか?

今、チームでも個人でも大石の書いた『監禁区域レベルX』を超える作品が出ていないので、そこは今年中には出さなきゃいけないなっていうのがあります。他の編集者もライバルなので、先を越されたくないですね!

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━━taskeyの好きなところはどこですか?

他の同僚の悪口言ってるのを聞いたことがないんですよね。お互いにリスペクトがあって、本当にいい人たちだなあと……。悪口って組織の中だといいエンタメになるはずなのに、みんな前を向いてるからとてもいい環境で働くことができていますね!

━━プライベートはなにをしているんですか?

このインタビューのために用意したとかじゃなく本当に偶然なんですけど(笑)、先週は新国立美術館に行ってフランスの有名なインスタレーションを見て、今週は東京芸大の文化祭に行ってきました。やっぱり休日にも関わらず、アートの人間になろうとする努力が垣間見えますね。

━━そうですね(笑)。
最後にtaskeyに興味がある人へメッセージをお願いします!

今の会社の空気、すごくいいです。あと、組織のチームサイズが大きくなくてマーケ部門やシステム部門もすごく近くで見れるので、エンタメ企業の中では全体的に勉強できる環境が備わっているのがいいところだと思います。「チャット小説」というフィールドで僕に勝ちたいという気概があればいつでもお待ちしています!

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僕、世界一チャット小説を編集してる男なので。



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