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毒書地獄

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#読書

14名の書評委員による令和に読み継ぎたい名著「ベスト3」を全文公開します。

文藝春秋の書評委員14名に、令和にも読み継ぎたい「名著」3冊をそれぞれ厳選していただきました。その書評を無料公開します。あなたのお気に入りの1冊もきっと見つかるはず。チェックしてみてください。

★池上彰★角田光代★角幡唯介★梯久美子★片山杜秀★佐久間文子★武田徹★橘玲★出口治明★手嶋龍一★中島岳志★原田マハ★本郷恵子★本上まなみ

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武田徹の新書時評――日本語は“論理的”でない?

武田徹の新書時評――日本語は“論理的”でない?

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。

 日本語は論理的ではないとしばしば指摘される。それは本当なのか。

 飯田隆『日本語と論理』(NHK出版新書)は日本語の用法を詳細に見てゆくことでその問いに答えようとする。たとえば「こどもがいる」と言っても、こどもが1人か複数か分からない日本語は、確かに欧米生まれの論理学と相性が悪い。「このXはPである」のか「すべてのXがPで

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武田徹の新書時評|真贋は一筋縄で括れない

武田徹の新書時評|真贋は一筋縄で括れない

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。

小林秀雄の「真贋」は人気のエッセイだ。大枚払って買った良寛の詩軸が偽物だったと知って憤慨した小林は日本刀で一刀両断バラバラにしてしまう。この威勢の良さに小林ファンは魅了される。

真贋は今でも話題になる。2019年1月には東京湾岸の日の出埠頭で見つかったネズミの落書きが著名なストリート・アーティスト「バンクシー」の真作か否か、

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