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現代史を学ぶ

自分が高校生だった時のことを思い出してみると、世界史の授業ではいわゆる「現代史」をほとんど扱わなかった。
古代から始まり、せいぜいが第二次世界大戦終結後くらいまでだったような。授業時間で考えても、最後のおまけ程度のものだった。

(今からすれば愚かしいことなのだが)当時の私は、科目としての世界史は決して嫌いではなかったが、あまり有機的なものとして捉えていなかったように思う。まあ、順番に覚えていけばいいんでしょう。なるほど、横のつながりで覚えるのが大事なのね。えっと、ジェームズって何世が何したんだっけ…etc

長じて、ハードカバーの本を自分で買える資力ができてから、歴史に関する著作を好んで買うようになった。ある時代の、ある国の、ある地域もしくはある人物に焦点を当て、著者が丹精を込めて行った研究・取材・調査の結果を目にすることは、表情豊かに、活き活きと描かれた人々に出会うことだ。
特に、「いま」という時に直結している20世紀初め~終わり、高校の授業でいうところの「現代史」に当たる時代のものは、つい最近の出来事であるだけに、より身に迫ってくる。

だからこそ、高校の時にもっと時間をかけて20世紀について学習できればよかったな、と思ったりもする。
…思ったりもするのだが、もしかしたら、あまりに最近の出来事すぎて、未だ歴史的評価が定まっていなかったりすることもあったりして、教科書的にもあまり紙幅を割くことができない、という事情もあるのかもしれない。

つらつらと書いてきたが、今日は6月4日。
私もつい最近意識するようになったのだが、1989年のこの日、中国で第二次天安門事件が発生した。わずか29年前のことだ。この件についてなにかしらの政治的な主張があるわけではまったくないが、今日がそのような日だと知ることで、世界が違って見えるかもしれない。

突然こんなことを言い始めたのは、書店で偶然出会ったこの本を読んでいるから。
2011年~2015年頃を中心に、当時を知る(現場に立ち会った)人たちに筆者が直接インタビューし、彼らの肉声をまとめたものだ。筆者も書いているが、今ではこのようなインタビューをすることは不可能だろう。その意味で、貴重で興味深い証言が集められている。
読了したら、ぜひ感想などを詳しく述べたい。

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