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秋本家へようこそ

今住んでいる部屋を選ぶときに最重要視したのは、「部屋が複数あること」だった。
その前に借りていた部屋の間取りは、由緒正しき1K。初めての独り暮らしだったので特に深くは考えずに借りたのだが、そのうちにだんだんと窮屈になってきた。
この「窮屈」というのには、物理的・心理的の2つの側面があった。

まず、私は持ち物が多い。デザインに関しては余白を愛する人間なのに、こと自分が生活する空間となると物に囲まれていないと安心できないようだ。当然、1Kでは手狭になった。
そして、1Kだと何をするにもその部屋でするしかなく、気持ちが切り替わらないと感じることが増えてきた。テレビを観るのも、本を読むのも、ご飯を食べるのも、寝るのも、すべてその部屋。これでは少々息が詰まる。

そんなわけで、2つ以上の部屋を求めて東京23区内から多摩地域へと引っ越しをしたのがおよそ3年半前。独り暮らしにしては広めの、2つ部屋がある物件での生活を満喫している。

一応それぞれの部屋には役割があって、キッチンがある部屋は「キッチン・ダイニング・リビング」を兼ねていて、もう1つの部屋は寝室としている。
初めはそれで上手いこと住み分けができていたのだが、3年半経った今、改めて部屋を見渡してみると、それらの基本的役割は残ししつつも、どちらも本質的には「本の部屋」と化している。

メインの本棚は寝室にあり、そこに収まっているうちはそれで良かった。だが当然、だんだんと収まりきらなくなった本はリビングに置かれるようになる。一度そのような流れができると、加速度的にリビングの本は増えていく。
それだけではなく、リビングにはソファーを置いているのだが、「よし、今日はこの本をソファーに座って読もう」と寝室から本を持ち出したり、もしくは逆に、「この本はベッドで寝転がりながら読もう」とリビングから本を持ち出したり…と、家の中でどんどんと本が流動的になっていく。今となっては、本の山を抱えて部屋と部屋を行き来することも珍しくない。

最近では、水を飲みにキッチンに行く途中で目に入った本を手に取り、そのままリビングで読み始めることもある。
気づけば、はからずも何冊もの本を並行して少しずつ読んでいる。
ちなみに、「お出かけ用の本」というのもあって、通勤カバンに入れる本と遊びに行くカバンに入れる本とでは、また種類が違ったりもする。

年末は大掃除の季節なので、この時期になると「少し整理しようかな」と殊勝なことを一瞬考えたりもするのだが、いかんせん寒いと動けなくなる弱々しい体質なので、休日の大半は寝て過ごしてしまい、結局何も変わらない。

ただ、去年まで使えていたオイルヒーターが、今年はその上にまで本の山が築かれてしまっているたま、未だに使えずにいる。せめてそれだけは何とかしたいと思う今日この頃である。

(トップの画像は、以前の1Kの部屋を退去するときに撮った写真。)

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秋本 佑(Tasuku Akimoto)

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1988年生まれ。本に囲まれて暮らしています。 趣味は外国語学習で、目下フランス語の勉強中です。 投稿は散文が中心。 ことばの本屋Commorébi(こもれび) ( https://note.com/commorebi_books )発起人。