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浅間国際フォトフェスティバル

今日は、Kさんにご紹介いただいた「浅間国際フォトフェスティバル」を満喫してきた。

「せっかく行くならば」と思い、noteを通じてお知り合いになったホヅミレイさんをお誘いした。ホヅミさんは「『日常を幻想的に』をテーマに写真と文章で創作活動をして」いる方(Twitterのプロフィールより)。

以下、簡単にレポートしてみたい。写真もたくさん撮ったのだが、あえて文字だけで。

会場は、しなの鉄道の御代田駅から歩いて10分ほどのところ。まずここに行くまでの道のりが素晴らしい。
東京方面から鉄道で行くとなると、軽井沢まで新幹線に乗り、そこからしなの鉄道に乗り換えることになる。このしなの鉄道というのが2両編成の可愛いローカル線で、車窓から見えるのどかな田園風景に心が落ち着く。
駅から会場までの道のりも、山・空・田んぼという牧歌的な取り合わせで、もうここだけで「来てよかった」と思わせるものがある。

会場に着いてからのことを細かく書こうと思うといくらでも書けてしまうので、ここはギュッと凝縮してみたい。

展示全体を通じて私の印象に残ったのは「写真の柔らかさ」。

会場に入って(インフォメーションセンター内の作品は別として)一番始めに目にするのは、大きく真四角な銀色の水盆にビーチの写真を嵌め込んだ作品。今日、朝の東京は雨模様だったが現地は気持ちの良い秋晴れで、爽やかな風が吹き抜けていた。そのため、水面がゆらゆらと優しく揺れて、心地よい「柔らかさ」を感じる。
実はこれ、写真はマッシモ・ヴィターリというイタリアの方の手になるものだが、水盆部分はなんと谷尻誠さんの作品。思わぬところで思わぬ方のお名前を目にして驚いた。

そして、会場の所々に、布に印刷された写真作品が展示されていた。「布」と言いつつ正確な素材は恥ずかしながら分からないのだが、イメージとしてはキャンバス地のような感じ。もしかしたら防水加工を施した紙なのかもしれない。
これが木と木の間に貼られたロープから吊るされて風にはためいていたり、テントのように貼られることで向こうの浅間山が透けて見えたりしている。「はためく写真」「透ける写真」というのはとても新鮮で、ここにも「柔らかさ」を感じたのだ。

個々の作品に関して、最もその展示方法に脱帽したのが、カフェの立て看板のような展示台に貼られた写真群。屋外にこの立て看板状のものが整然と並んでいる。
初め、ある方向から見た時はコンピューターグラフィックスのようにも見えるカラフルな四角が並んでいて面白いなぁ、なんて思っていたのだが、立て看板の間を通り抜けて進みながらふと後ろを振り返ると、そこにあったのはカラフルな四角とは正反対の、グロテスクさすら感じるモノクロ写真の群。つまり、立て看板の表と裏で、まったく異なるテイストの写真を貼っているのだ。このあまりの落差を目にした瞬間、私とホヅミさんの間の会話が途切れたのは忘れられない。言葉を失うとは、まさにあのことだ。「展示の面白さ」を身をもって体験した。

ちなみに、会場の広場に敷き詰められていた木のチップ。それもまた、踏んだ時にふんわりとしていて、そんなところにも「柔らかさ」があった。

Kさんから薦めていただいた、スタッフの方による解説ツアーは残念ながらタイミングが合わなかったのだが、かなり丁寧に展示を観て歩いていたら、最後の方で解説ツアーが我々に追いついて、なんとなく近くで説明を漏れ聞くことができたのでラッキーだった。
また、会期終了間近なこともあってかフード関係の出店も終わってしまっていたようで、これまたKさんお薦めのハンバーガーは食べられなかったのだが、よなよなエールはしっかりと味わってきたので、これまた良しとしたい。

このフォトフェスティバルの会場は、元々メルシャンの美術館があったところとのこと。美術館が閉館した後、町が土地と建物を取得。「せっかくある建物を利用して文化事業をしたい」と考えていた町側と、「写真文化を育てたい」と考えていた(今回のフェスティバルの主催者である)アマナ側の思惑が一致して、開催に至ったのこと。

このあたり、建築界の皆さんにもご興味を持っていただけるような気がする。既存の建物を有効利用して町おこしにつなげる、という点は特に興味深い。

今回のフェスティバルの会期は今月末まで。あと一週間ほどあるので、写真が好きな方も、建築が好きな方も、そして何より長野の自然が好きな方も足を運んでみていただきたい。
今回の訪問が難しいという方、ご安心いただきたい。実は今回のフェスティバルはあくまで「プレ」という位置づけで、本格開催は来年を予定しているとのこと。また訪れる機会はあるはずだ。

改めて、素敵な催しをご紹介いただいたKさんと、ご一緒していただいたホヅミレイさんにお礼を述べたい。ありがとうございました。

<Kさん>
https://note.mu/kutsunayuichiro
https://twitter.com/kutsunayuichiro

<ホヅミレイさん>
https://note.mu/hozumi7290
https://twitter.com/hozumi7290

【おまけ】
最後に写真を1枚だけ。今日は、ホヅミさんの作品がプリントされたTシャツを着ていったのですが、ホヅミさんご自身も同じTシャツを着てこられて、お揃いだったのでした。

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