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大学の教授がFB申請を受け入れてくれない

タイトルのままです。
もう卒業して10年ちょいになりますが、Facebookで大学の時のゼミの教授を発見したんですね。
先輩や同期の何人かとも繋がっていたので、僕は「わー、先生!」と嬉しくなって、すぐさまフレンド申請ボタンを押しました。

しかし……

何日経っても先生は受理しません。
え…?なんで?
僕はとにかく不安でした。
もしかして最近はログインしていないのかな…?おじいちゃんだしそもそも使い方がわからないのかな…?
なるべくポジティブに考えていました。

とにかく酒癖が悪く、酔っ払うと女子学生に絡みまくっていた教授。
卒業して何年か経ったある日、たまたま赤羽駅で遭遇した先生は、その日も酔っ払っておそらくゼミ生であろう女の子に絡みまくっていました。
ゼミ飲みの帰りだったんですかね。
赤羽の同じホームから埼玉方面に出ている宇都宮線と高崎線。それぞれ栃木と群馬に行きます。
先生は宇都宮線、その女の子は高崎線だったのですが、先生は僕を見つけると「敵だ敵だ!」と騒ぎ始めました。
今思うと卒業した元ゼミ生を敵呼ばわりってどういうことやねんって感じですが、まぁ僕も久しぶりに会えたことが嬉しくて、素直に「えー、先生!何してるんですか!」と応じました。
で、即座に酔っ払ってゼミ生に絡んでいるんだなって理解しました。
もう良いお歳なのに、相変わらず……フフ、先生。
でも笑顔だったのは僕と先生だけで、彼女は心底ウンザリした顔で「助けてください……」と言ってきました。
「どっちに乗るの?」
「高崎です」
「あ、じゃあ先生と僕は宇都宮だから……先生は連れて行くから」
「はい、ありがとうございます!お願いします!」
そんなやり取りをしてちょっとして、高崎線がホームに入ってきました。
「じゃあ私はこれで……」
やっと解放される。
彼女は安堵の表情を浮かべて電車に乗り込みました。
しかし……
教授は予想外の行動に出たのです。
「やだ!俺も一緒に帰る!」
そう言って高崎線に飛び乗ってしまったのです。
そのままドアは閉まり、電車は行ってしまいました。
だんだん遠ざかる窓。その向こうで絶望した彼女の暗く沈んだ眼を、僕は今も忘れることができずにいます。

そんな思い出を振り返りながら、しかし申請したことを忘れかけていた今日この頃。
Facebookを何となく眺めていると、ゼミ同期の男子の投稿が目に入りました。
仕事が忙しいが頑張る、まぁそんなニュアンスの内容です。
相変わらず大変そうだな……そんな風に思いながら何となくコメント欄に目をやると、

「体に気をつけて頑張りましょう!」

教授が……
あの酔っ払いクソ翁が、いかにも我恩師なりみたいな笑みを称えて彼を労っていたのです!

俺は知ってんだからな!
どんなに取り繕おうともな、先生はしょうもない酔っ払いだってこと!
そして何よりかにより俺、先生のゼミのゼミ長だったじゃない!!

どうして……僕の申請を受け入れてくれないんですか?
卒論のテーマ選びで先生の言うことを聞かなかったからでしょうか?
ゼミ合宿に6時間遅刻したことをまだ怒っていらっしゃるのでしょうか?
確かにあの頃の僕は決して優等生ではなかったけど、今は頑張っているんですよ……
先生……僕を見てよ……

私大の先生って生徒を選り好みしていいんだな。(卒業生だけど)
そんなことを感じた、金曜の夜でした。


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