デジタルウェルネスとゲームなど。また、アプリ業界の現状等について

ディー・マンシャフト(チーム、集団の意)と呼ばれるサッカーのドイツ代表。2018年6月14日から開催されたロシアW杯において、ブックメーカーやサッカーノミクスなど、優勝候補に挙げる者も多かった(「コラム:ロシアW杯の優勝国、「サッカーノミクス」で予想」)。しかし、ディー・マンシャフトはチームとして機能せず、ドイツ代表は予選グループでロシアの地を去ることになった。それでは、ドイツ代表の敗因は何だったのだろうか。たとえば、2014年のブラジル大会の優勝国としての慢心、前回大会以降に伸びてきた若手選手が少なかったこと、他国から研究され、戦術の対策が取られたことなどもあるかもしれない。

しかし、ドイツ代表の敗因のひとつとして、『Fortnite』などのゲームのやりすぎも話題となった。

同ゲームの登録プレーヤー数は現在2億人を超えている。ロシアW杯を優勝したフランス代表のグリーズマン選手も『Fortnite』のプレーヤーであり、同選手のゴールパフォーマンスで披露されている謎のダンスは、同ゲームのエモートダンスで有名だ。

スマートフォンが普及し生活に欠かせないツールになる中、ソーシャルゲームや交流サイト(SNS)などインターネットへの過度な依存も問題となっている。当記事では、インターネット依存度のチェックやその対策が話題となっている。

『Fortnite』は、『Minecraft』のような「世界を救え」モード、「バトルロイヤル」モードなどがある。協力型のプレーやオンラインの対人戦は、ハマりやすく、熱中して寝ることを忘れてしまうことも考えられる。

デジタルウェルネスという考え方も広まりつつあるが、PlayStation、ソーシャルゲームやSNSなどを楽しみつつ、Time well spent(有意義な時間)として健康等に気を配る必要はある。

1. ゲームなどの依存等について

2018年6月、世界保健機関(WHO)は、「国際疾病分類第11版(ICD-11)」において、オンラインゲームなどにはまって他のことが手につかなくなる「ゲーム障害」を新たにメンタルヘルスの障害に含めた。2019年5月の世界保健総会に提出され、正式に承認されれば、病気として診断する根拠が明確になり、治療研究が進むことが期待されるとのことだ。

それでは、ゲーム障害とはどのようなものだろうか。

「あなたのスマホゲーム依存度をチェック その対策は?」にチェック表(下図)が掲載されていたため、参考にするとよいだろう。

ここで、総務省から公表されている「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」をもとに、主なメディアの行為者平均時間およびネット利用項目別行為者平均時間を確認することとする。

まず、2017年(平日1日)の主なメディアの行為者平均時間をみてみる(下図参照)。

(1)「テレビ(リアルタイム)視聴」は、全年代(197.4分)、男性10代(117.5分)、女性10代(125.2分)となっている。(2)「テレビ(録画)視聴」は、全年代(108.5分)、男性10代(71.3分)、女性10代(82.5分)となっている。(3)「ネット利用」は、全年代(128.7分)、男性10代(163.8分)、女性10代(127.4分)となっている。

同調査報告書からわかることは、年齢が高い世代ほどテレビ(リアルタイム、録画)視聴の行為者率が高く、また行為者平均時間が長くなっている。これに対して、若年世代ほどテレビ(リアルタイム、録画)視聴の行為者率が低い傾向があり、さらに行為者平均時間が短くなっていることが特徴である。また、若年世代ほどネットの利用時間が長い傾向があることもわかる。

(4)「新聞閲読」は、全年代(33.3分)、男性10代(9.0分)、女性10代(7.0分)となっている。(5)「ラジオ聴取」は、全年代(172.0分)、男性10代(180.0分)、女性10代(75.0分)となっている。

新聞閲読の行為者率(平日1日)は、全年代で33.3%となっている。日本新聞協会から公表されている日本の新聞発行部数によると、2018年は3990万1576部(2017年から222万6613部の減少)となっており、新聞発行部数のピークの1997年(5376万5000部)の約4分の3の数字になっている。米国ではニューヨーク・タイムズ紙がSpotifyの有料サービス付きの購読プランを提供するなど、デジタル化の成功事例とされるものもある。日本国内では日経電子版の登録会員数が400万人を超えているが、新聞のビジネスモデルが変化していくことも予想されるだろう。

ラジオ聴取の行為者平均時間(平日1日)は、男性10代は全年代よりも時間が長くなっているが、スマートフォンやパソコン等でラジオが聴ける無料のサービスであるradikoなどの影響もあるだろう。現在高齢の世代は、深夜にニッポン放送のオールナイトニッポンを聴きながら、ハガキ職人と呼ばれるリスナーのネタを楽しみながら、勉強をしていた人もいるだろう。

また、サイマルラジオのradikoだけでなく、テレビではスマートフォン、タブレット、パソコン向けにTVerと呼ばれる民放公式テレビポータルがある。当初、日本テレビ、フジテレビ、テレビ東京、TBSテレビ、テレビ朝日の5社で始まったサービスであるが、現在は在阪民放4社(読売テレビ、関西テレビ、毎日放送、朝日放送テレビ)も加わっている。TVerの平均MAU(月間アクティブユーザー)や動画平均再生回数は、伸びをみせているとのことだ。10代のメディア利用では、テレビ(リアルタイム、録画)視聴は全年代より低い傾向にあるが、TVerなどのサービスにより10代のメディア利用の傾向が変化することも考えられる。

次に、2017年(平日1日)のネット利用項目別行為者平均時間の主なものについて、確認してみる(下図参照)。

(1)「ブログやウェブサイトを見る・書く」は、全年代(79.3分)、男性10代(116.5分)、女性10代(58.2分)となっている。(2)「ソーシャルメディアを見る・書く」は、全年代(72.6分)、男性10代(78.2分)、女性10代(99.1分)となっている。(3)「動画投稿・共有サービスを見る」は、全年代(95.3分)、男性10代(93.2分)、女性10代(79.0分)となっている。(4)「オンラインゲーム・ソーシャルゲームをする」は、全年代(94.4分)、男性10代(109.4分)、女性10代(96.4分)となっている。

10代の若者には動画投稿サービスTikTokが人気だ。TikTokはAppleが発表している「Best of 2018」において年間ランキングの首位になっているアプリでもある。同アプリでハッシュタグ「# 広告で有名になりたい」をつけた動画の視聴回数は、数十億回になっている。

同アプリに限らず、SNSにおける「いいね」や「フォロワー数」などは、人気者になりたい等の若者の承認欲求などを満たすものだろう。

2. アプリ業界の現状等について

Appleから発表されている「Best of 2018」ではTikTokの人気があることが分かったが、このほかのアプリケーションのトレンドはどのようになっているのだろうか。

Best of 2018によると、アプリケーションのトレンドは「セルフケア」とのことだ。生活習慣改善をサポートするものなど、メンタル面での健康に視点をおいたアプリがピックアップされている。さらに、ゲームトレンドは、「バトル・ロワイアル方式のゲーム」で、『Fortnite』といった最後の1人になるまで対戦するシューター系タイトルが人気とのことだ。

アプリをカテゴリで分類すると、エンターテインメント、ライフスタイル、ソーシャルネットワーキング、ゲーム、仕事効率化などがある。

しかし、アプリのカテゴリや種類は多くあるが、モバイルアプリでは収益のうち76%がゲームによるものであるとの調査結果もある(「2018年のモバイルアプリの収益のうち「76%がゲームによるもの」であることが判明」)。

たとえば、日本国内のモバイルゲームの売上ランキング(2017年)を確認すると、次のようになっている。

(1)モンスターストライク(1041億円)
(2)Fate/Grand Order(896億円)
(3)パズル&ドラゴン(473億円)
(4)LINE:ディズニー ツムツム(303億円)
(5)ドラゴンボール Z ドッカンバトル(278億円)
(6)アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(226億円)
(7)グランブルーファンタジー(209億円)
(8)実況パワフルプロ野球(172億円)
(9)白猫プロジェクト(149億円)
(10)ポケモンGO(143億円)

(出所『ファミ通モバイルゲーム白書2018』、集計期間2017年1月1日~10月3日)

ゲームの売上だけでは市場規模の大きさが分かりにくいため、コンテンツの支出喚起力ランキングも確認することとする。

(1)嵐(328億円)
(2)アイドルマスターシリーズ(276億円)
(3)ラブライブ!(273億円)
(4)関ジャニ∞(209億円)
(5)刀剣乱舞(150億円)
(6)ドラゴンクエストシリーズ(149億円)
(7)Fateシリーズ(139億円)
(8)ONE PIECE(125億円)
(9)三代目 J Soul Brothers(124億円)
(10)星野源(118億円)

(出所『コンテンツファン消費行動調査2018』株式会社博報堂DYメディアパートナーズ、株式会社博報堂)

コンテンツの支出喚起力と比較しても、モバイルゲームの収益力が高いことが分かる。このため、ゲームははまりやすく、熱中しやすいものだろう。ゲームはeスポーツとして大会も開催されるようになり、楽しみながら、上手にコンテンツと付き合っていく必要もあるだろう。

3. まとめ

これまでにゲームの依存、メディア利用状況やアプリ業界の現状等について見てきた。このような文章を書きつつ現在、私もPlayStationやアプリゲームを楽しんでいる一人である。オンラインでサッカーゲームの『ウイングイレブン』やiPad miniを使って『クイズRPG魔法使いと黒猫のウィズ』をプレイしている(参考に私のプレイ動画を)。

私は子どもの頃、勉強をせずゲームばかりしていたものだ(良い子はきちんと勉強もしよう)。将来、ゲームでオリンピックに出場する人が現れる可能性もあるだろう。2022年に開催されるアジア競技大会では公式スポーツプログラムにeスポーツが採用されることが決定している。

今後、デジタルウェルネスの考え方などを取り入れ、ゲームやSNSなどをより有意義な時間として楽しむことも大切だろう。

20XX年にオリンピックでeスポーツ決勝戦が開催された。決勝戦の前日、ゲームをやり過ぎて睡眠不足にならないために。

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国家公務員 | 夜間学部の大学を卒業 | 【メディア掲載】「平成から令和へ観光のアップデート。地域経済分析システムRESASによる事例分析等について」『日本経済新聞』電子版2019年4月27日、等 ※投稿する内容は所属する組織の見解ではなく、あくまで個人的な考えによるものです。
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