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#文藝春秋
ピアニスト・藤田真央の想い #01「この音にすべてを捧げたい――エルサレムの奇跡のコンサート」
毎月語り下ろしでお届け! 新連載「指先から旅をする」
各国のマエストロから愛され、世界の聴衆を熱狂させる若き天才ピアニスト・藤田真央さん。
2019年、弱冠20歳にして、3大コンクールのひとつ、チャイコフスキー国際コンクールで第2位に入賞。以降、そのイノセントで自由な音色と、独自の楽曲解釈で、クラシック音楽シーンを更新しつづけています。
今年も、国内外で数多くのコンサートが予定されており、
ピアニスト・藤田真央 #02「わたしに”合っている”モーツァルト」
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★毎月2回(5日・25日)配信します★
わたしが共演したイスラエル・フィルハーモニーは、昨年85周年を迎えた伝統ある楽団です。初代音楽顧問のウィリアム・スタインバーグから始まり、レナード・バーンスタインやズービン・メータといった、偉大なるマエストロたちとともに歴史を刻んできたオーケストラですので、ご一緒できたのはたいへん光栄でした。
ピアニスト・藤田真央 #03「刻々と変容する世界、その中でわたしがピアノを弾く意味」
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2022年3月7日、わたしはイタリア・ミラノのスカラ座の舞台に立っていました。
ミラノは、スタイリッシュな芸術の街。空港に着くと、ゲートにお迎えに来てくださった方が「Maestro Mr.Fujita」と書かれたプラカードを持っている。おお、わたし、マエストロ? と思っちゃいました。
イタリアでは
ピアニスト・藤田真央 #05「わたしのプログラムづくり――理想の音を捜し求めて」
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2022年4月11日。ドイツへと旅立つ直前に、東京オペラシティ コンサートホールでのリサイタルの機会に恵まれました。
オペラシティで1月19日に行ったリサイタルの反響が良かったそうで、アンコール公演が決まったのです。
全二部構成、5曲のプログラムの中で、わたしが核に据えたかったのは、ブラームスの《主題と変奏 ニ
ピアニスト・藤田真央 #06「ふたりの師の教え――音と、音楽と、向き合うこと」
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モーツァルトを集中的に演奏するようになってからというもの、わたしは歌曲、とりわけドイツ・リート(歌曲)への関心を強めています。
同じドイツ・リートでも、シューマンとシューベルトを比較するとまた面白いですね。シューマンの曲は、こちらを刺してくるような「痛み」がにじむ。クララへの恋慕といった、作曲家の想いがストレート
ピアニスト・藤田真央 #07「亡き恩師・野島稔先生ーーわたしの音楽は、あのレッスン室で培われた」
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2022年5月9日。恩師、野島稔先生があの世へ旅立たれました。
わたしが最後に先生のお声を聴いたのは、亡くなる2ヶ月ほど前のことでした。ベルリンへ発つ前にと、わたしからお電話を差し上げたのです。ふだん電話では用件しか話さない方だったのに、その日はいろんなことを話してくださって、素敵な時間でした。お身体の具合を尋ねると