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【メルボルン便り】「iPadは疲れたから、休みいると思う。テレビ見てもいいですか?」って言われも… 何と答えたらいいだろう?

北海道苫小牧市でアートを通して地域や社会と関わる活動に取り組んでいるNPO法人「樽前artyプラス」。オーストラリア・メルボルン在住のメンバー、小河けいがコロナ禍でロックダウンが続くオーストラリアの日々を綴りました。

「ちょっと待って。待って。ミュートをオンにして。発表する人だけ、ミュートをオフにして。」※実際は英語です。笑。

朝のリビングルーム、賑やかな子どもたちとそれを遮る先生の声を聞くのが毎朝の日課になって...5週間くらい。

2回目のロックダウン中のメルボルンでは、7月半ばに冬休みが終わって、小中学生はオンラインで、保育園や幼稚園、高校生は様々な対策をした校舎で3学期がスタートした。ものの…感染者が減るどころか増え続けたため、ロックダウンはさらに厳しくなり、当初6週間と発表された期間も9月半ば過ぎまでに延長、保育園幼稚園と高校もリモート学習へ移行することになった。

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オーストラリアでは州ごとにコロナ対策は異なる。州の中でも感染拡大状況などに合わせて地区ごとにロックダウンの内容も違う。オーストラリアの都市部のほとんどの子どもたちは1回目のロックダウンでリモート学習を経験済み。

初めてのオンライン授業では学校のiPadを自宅に持ち帰れるだけでも浮かれていた我が息子も、今ではすっかり使いこなし、文字入力をサボって音声入力で課題をやるほどに。「それ、先生がいいって言ったの?どこでやり方教えてもらったの?」と尋ねると、「教えてもらってない。知ってるだけ」なんて言う。テレビ会議用アプリTEAMSを使って授業を受けて、デジタルノートアプリOneNoteを使って課題を提出...大人みたいだ。

コロナ以前から週に一度、iPadを使うデジタルテクノロジーの授業があったので、触れることはあったけど、それはプログラミング学習のためのパズル的でゲーム的なもので、オンラインをフル活用した内容ではなかったようなので、オンラインで授業を受けながらオンラインでできることを自然と身に付けている。

かつては学校で過ごした8:30から15:25までを月曜から金曜まで家の中で(たまにベランダ)でiPadと過ごす息子。

「iPadは疲れたから、休みいると思う。テレビ見てもいいですか?」
だってさ。

私は何と答えたらいいだろう?

目を休ませてあげたい…すっごく疲れてるはずだ…でも心も休ませてあげたいから、テレビくらい見せてあげたい。まだ、ほんの6歳だもん。体を動かそうよ!と言いたいところだけど、外出には制限があるし、ベランダで騒いでご近所さんから「静かにして!」と怒鳴られることもしばしば。みんな在宅で仕事してるんだから、怒鳴る方の気持ちもわかる。

結局、インターネットで目の体操を検索して、それをやったあと、日本のジジババにLINE電話してから、テレビを見ることに。

んん???

あああ!!!結局、iPadからパソコンいってスマホからのテレビじゃんか!
とほほ…

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一日の大半を「ほら、ちゃんと座って!先生の話聞いて!」と言って過ごしてる、それは一日の大半を「ほら、iPadを見て」と言ってるのと同じ。

この状況が落ち着いて通学の学校生活がまた始まったとき、
私は、iPadやテレビのルールを子どもたちと作り直すなんてできるだろうか?

先生たちは、騒ぐ子どもたちを前についつい「はい、ミュートをオンにして」とか言っちゃうのかもな。


苫小牧市美術博物館の広報紙『びとこま』で『メルボルンるんだより』を書いています。『びとこま』は子ども記者たちが中心になって作っていて、子どもにも大人にも楽しめる記事が盛りだくさんです。夫の転勤でメルボルンで生活するようになって、もうそろそろ4年。異国で暮らすと驚くこと知らないことばかり。日常のささやかな発見や驚きを紹介しながら、読んだ人がふだん当たり前と思ってることに「あれ?この当たり前は本当に当たり前かな?」と「?」をもつような「メルボルンるんだより」にしたいと思っています。
『びとこま』は↓こちら↓から
http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/hakubutsukan/gyoji/kodomo-bitokoma.html#a2_0

#樽前artyプラス #アート #オンライン授業 #教育 #オーストラリア #新型コロナウイルス

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