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夏休みを共に過ごした本たち-ver2-


前回書いた続きとして、残り四冊の本たちを紹介していこうと思う。一体これが誰にどんな得なのか無意味なのか頭を働かすことはできないけど、紛れもなく有意義な夏休みを共につくってくれた本たちだから、お手柔らかに覗いてみてください。


ちなみに、前回書いたものはこちらから☟







『20代で得た知見』

これまた友達から借りた本。
独特な世界観を有する考え方と、漢字に無垢な私にとっては難しすぎる言葉づかい。常に漢字の読みと意味を調べながら読み進めていった。

一体彼が紡ぐ言葉は何なんだ、そう思わず口から出そうになった。タイトルから20代を後悔しないように生きる的な内容が想像されるが、そんな考えは全くもってつまらないと跳ね返される言葉の数々でいっぱい。全ての言葉が至近距離で矢を打たれていると錯覚するほど、胸に的中する故にノートにたくさんメモをとった。ほぼ写経だったと記憶している。

20代があるなら30代の本もあるのではなく、20代しかない。きっと、20代で得るものは計り知れないほど大きいからなのかもしれない。私だけの知見を探そうと誓うことが出来た一冊。





『何者』

就活をテーマにした本は実際に就活する前に読んでおかねばという使命感から手に取った。
以前、『六人の嘘つきな大学生』を読んだが、またそれとは違う面白さがあった。

本から言葉が飛び出してきて、読んでいる読者本人にその言葉をぶつけている感覚になった。それほど、この本の登場人物たちの性格には読む人たちとの共通点が少なくともあるはずだ。
私は全然、かっこ悪くて、かっこ悪い自分を認めることが出来ていない。そうしようという意識はあっても、心の底から思えているわけではなかったのだと痛いほどわかった。

自分は何者なのかを自己分析をして明確化させ、時間内に端的に伝える就活。誰も信用できない、心から喜べない、そんな思いが出てくるのは当たり前なのかもしれない。
ありのままの自分を認めることも当たり前になったら良いのに、と思った一冊。

朝井リョウさんはすごい、最後に全てを掬ってくれた。





『さみしい夜にはペンを持て』

これは明らかにパケ買いに等しい。
でも、それだけではなくこのタイトルにも十分惹かれる要素はあった。noteを書くようになってから常に頭にアンテナを張るようになった。「さみしい夜にはペンを持て」と自分に言われているように感じた。

今まで小難しい本ばかり読んでいたのもあって、中学生でも簡単に読むことが出来るストーリー仕立てだった。”書く”ことに対してちゃんと向き合いたいと改めて思える一冊。丁寧な解説と共に、大事なキーワードが至る所に散りばめられていた。わかりやすさ抜群のこの本から、書くということは年齢を問わずやってみると良いのだと教えてもらえた。

最後のページには小学生に戻ったかのようなわくわくする仕掛けもあったけど、ここは我慢して”書く”を続けようと思う。評価してもらうために書くのではなく、未来の自分が読む読み物として書いていこうと誓った夜は、いつもよりもさみしくはなかった。







『正欲』

前から気にはなっていたが手を出すことは出来ていなかった。読むのが怖かったから。でもそれは、現実の核心に目を背けていることになるかもしれないと心のどこかで思い、決心して購入。
読むのが遅いで有名な私は、長編小説には不慣れではあるが、その不安はいとも簡単に吹き飛んだ。この頃は、睡眠、食事に次いで読書が習慣化していたこともあり、四日で読み終わった。(早いかは置いといて)

読了後、正直言葉がなかった。朝井リョウさんの小説は今夏二作目。わかったのは、登場人物それぞれの視点が色濃く書かれ、繊細な描写と相まって、容易にその絵が想像でき、自分自身が登場人物に憑依した感覚になるということ。小説の世界にのめり込むことを実現している。

ある人の視点に立つことで、最もだと思われる言動が全て悍ましく思えた。が、そういった言動をしているのは、実は私だ。ということがあり得るのだと突きつけられた。登場人物目線で読んでいた物語が、いつの間にか自分がいる現実世界へと自然に落とし込むことができる。

読み終わった今、あなたはどうするの?と聞かれたら、どうするんだろうねとでも返そうと思う。





(正直、感想を書くといつもよりも一層言語化能力が乏しく、文章構成も酷いですが、紹介した本たちは一流です。)
夏休みにこんなに本を読んだこともあって、本のない世界は想像することが出来なくなってしまった。
それでも学校は始まってしまうので、電車の中で読もうかな。



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