ライフハックと日記

月曜夜。
母から突然DMが送られてきた。たまに、愛らしい赤ちゃんだったり動物だったり母の大好きなディズニー情報のリール動画を共有してくることがある。今回もそれかな、という予想とは違ってた。
就活情報の動画だった。
遠方からの至近距離圧力。母よ…娘は本腰を入れていないにしても毎日頭の片隅にそのワードを抱いて生きているよ。ESさえ書くまでに達していないことに焦りは少しありつつも、まだ大学生活折り返し地点なのになぜ就活をしないといけないのかと剥き出しにはできない反抗心もある。

火曜。
相も変わらず、7時間睡眠が取れたら何時だとしても起きる習性に従って7時に起きた。今日は2限からだけども。
ここ最近は自炊を一切せず、スーパーの惣菜と学食に頼りきり食生活だった。ただでさえ取るに足らない生活をしているのだから、せめて生活に充実という名のエッセンスを垂らすことぐらいしろよと鼓舞した結果、自炊を再開することにした。大学1年のときに買った弁当箱を引っ張り出して、隙間だらけの弁当が完成した。奇跡的に寄り弁は回避したけど、どれだけ寄っているかを期待していた分、変に落胆してしまった。

放課後。
15時過ぎに授業が終わった。この時間帯に授業が終わる日は、寄り道をしたくなる。本屋かカフェか図書室か。寄り道のレパートリーを増やしたい所存だ。
最近買った本たちはもうすぐ読み終わりそうで、図書室の本を読み漁るようになってた。そろそろ新しい本探しをしてみようかなと思い立った今日は本屋へ行くことにした。本屋と言っても何となくブックオフの気分だった。

太陽がここぞとばかり日を照らす中、汗をかきながら向かった。やっぱり平日は人が少なくて居心地がいい。休日に来たときは人がごった返していて口から泡が出そうになった。人混みはずっと苦手だ。
店内の棚全てを洗いざらし見て回った。私の好きなエッセイストを見つけて棚から本を抜き出し、ぱらぱらとページをめくった。そこには文章に線が引いてあった。ブックオフって線引いてても買い取ってくれるんだ！と思ったとともに、｢なんか、いいな｣と感じた。他人が本のどこに惹かれて感動して共感したかなんて知る由もない。だからなんとなく、顔も知らない誰かの秘密を覗いたみたいで顔が綻んだ。

結局、何も買わずに帰路についた。気づいたときにはスーパーに寄って惣菜を買っていた。人は一つの行動を繰り返し続けるとやがて癖になるのだと、このとき思い知った。家に帰って部屋を涼ませる。もう夏が来たのか。
夏への心構えできてないのにと思ったけど、ちゃっかり夏休みはどこへ旅行しようか考えてるあたりに自分の抜け目なさを感じる。

浮かれているのも束の間、昨夜の母からの圧力DMが今頃効いてきたのか、就活講座を見ることにした。なるほどね、そうやって自己分析していくのねと物知り顔をしながらメモをとり終わったら、直ぐさま本を開いた。やっぱりこういう時間を一番大事にしていきたい。
一日一歩とは行かずとも半歩ぐらいいけたらいいなの心持ち。このライフハックを見つけてしまうと日常に多少の怠惰を伴うけど、心の安寧は保てる。
また明日も。合わせて一歩だ。