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語らい

ぼくたちはなにかを忘れようとしている

君の手で作り出せる世界なんてたかが知れてるよ

男たちは夜な夜なそんな話をして
夜を明かす


私はきっと数年後には結婚してると思うの

そうかな?実はほかに女がいたりして?

女たちは夜な夜な喫茶店で他愛もない未来を妄想する


それぞれの価値観は
実は偏っているのに

自分たちのコミュニティは充実していると思い込む

でもそれで今日はいいのだ

他人にどう干渉されようと
彼らは目の前の相手が応えてくれて

表情を変えながら一生懸命向き合えれば
それだけで満足なんだ

家に帰ると、自分の生きてきた世界の断片が飛び込んで
絶望と悲観で前に進むのが嫌になったりする

家族はみな自分のことで精いっぱいで

近いものほど距離が離れていくのを
最近になって知ったんだ


ネットやゲームの世界は便利で
三次元ではないのに
五感を刺激してくれる

これは現代の生み出した麻薬で

現実の世界を忘れさせてくれる


本来の人間は
何が特効薬だったのかといえば
きっと
コミュニケーションの中にあるぬくもりだ。

それは五感では感じられない不思議な感覚で

人は実は会って話さないとそれを体感できない


若いうちにたくさんコミュニケーションはすべきだが

年をとってもそれは変わらず大事なものだ。


今日僕に話してくれた君は
そういう存在で
生きてくれてありがとうって思うんだ。

掛け替えのない処方箋を出してくれる人は
何気ない本音からしか診断できない。


たまにでもいいから
また会おう


それまで僕たちは現実を生きるんだ

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