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「デザインするって、どういうことだと思う?」

「デザインするって、どういうことだと思う?」

僕がグラフィックデザイン事務所で見習いとして働いていたときに、ボスが僕に言った問いかけだ。そしてボスはこう続けた。

「デザインするって、判断するということだよ。」


台風通過中のために驚くほど空いているスタバで、
僕は今日、絵を描いて人々を幸せにしたいという、
友だちの友だちの、大学生になったばかりの妹さんに会うことになっていた。

彼女と会話をしながら、はぁ、自分もずいぶん偉そうになったものだなぁ、、と思いつつ、学校で美術を専攻していない彼女が不安に感じていることが昔の自分と重なってみえて、ふと、僕がグラフィックデザイナー見習いだった頃に、ボスに言われた言葉が蘇ってきたのだ。


例えば、文字の色を赤にするか青にするか、決めることは判断するということだ。
そして、どちらかに決めたということは、そこに理由があるのだ。
デザインをするって、そういうことの積み重ねだということだ。

ザ・普通の代名詞、経済学部出身の身として、
「デザインとは判断すること」という言葉は、
いままで曖昧なイメージでしかなかったデザインというものを
一気にクリアにさせてくれるものだった。


それ以来、デザインすることに漠然と悩むことがなくなった。
クライアントが「情熱的なイメージにしたい」と言っていたから、赤と判断し、デザインした。
判断には理由があるから、自分のデザインに自信が持てるようになる。
それを見たクライアントが「グリーンにしてください」と言い返してきたら、
自分のデザインの理由を説明することもできるし、なぜグリーンにしたいのかということを聞くこともできる。

周りには、デザインをサービス業と考えるあまり、クライアントに言われるがままグリーンにすることが正解という考えもあるかもしれない。
だけれど、グリーンにした理由が「クライアントに言われたから」では、
誰のものでもないデザインになってしまうし、
きっと夢見て始めたデザインの仕事が楽しくなくなってしまうだろう。


最初は、なんだって良いから、判断に理由があることに気づくことだ。
「可愛いと思ったからピンクにした。」
「かっこいいと思ったから英語にした。」
今まで無意識に判断してきたことにも、実は理由があることにも気づくと思う。
そこから始めたら良いと思う。
判断は、判断することを経験すればするほど、研ぎ澄まされ、瞬時にできるようになるから。

そんな判断する自信なんてない、という人もいるかも知れない。
でも大丈夫、僕もそうだったから。
だから、少なくとも自分だけは、自分の判断や自分のことを信じてあげようと思うようになった。
自信っておそらくそういうことかなと、今は思っている。


もう気づいている人も多いと思うけれど、
判断するって、デザインに限った話ではないんだと思う。

あなたの日々の仕事において、生活において、人生において、
自分のことをを信じてあげられる、判断を重ねていってね。

デザインをやっていきたい人や、
これからの人生にゆめふくらませるみなさんへ。


おしまい


。。。と思ったら、4年後に思わぬ出来事が起こりました。(2022/3/23 追記)


#design #デザイン #フリーランス #就活

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