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和に想ふこと

和とは調和を意味し、自然との調和、人との調和を図ることは茶の湯を深めるためにとても大切なことのように思います。

私がとてもお世話になっており、リスペクトしている宗匠のお話の中でとても記憶に残った話があります。

海外で「お茶とは何か」説明する時に、最もシンプルに伝える方法があるよ!という話です。

お茶って英語でどう表現したらいいでしょうか。

「Tea」が適当でしょうか。
もし、他に語を充てるとすれば何が良いでしょうか。

日本の伝統文化が凝縮された茶の湯は「和」であるいうことが可能であると思います。

茶の湯(Tea)=和(harmony)
Tea is harmony.

また、「和」という言葉は私たちにとって、とても特別な言葉であるように感じます。

「中庸」には、
発而皆中節、謂之和。中也者、天下之大本也。和也者、天下之達道也。致中和、天地位焉。萬物育焉。

発して皆節に中る、これを和と謂う。中は天下の大本なり。和は天下の達道なり。中和を致して、天地位し、万物育つ。

また、誰もが教科書で習ったであろう
「和を以て貴しとなす」

という言葉。

聖徳太子が十七条の憲法のこの言葉は「論語」の引用です。

本来は・・・

有子曰、礼之用和為貴、先王之道斯為美、小大由之、有所不行、知和而和、不以礼節之、亦不可行也。

有子曰く、
『礼の用は和を貴しと為す。先王の道も斯れを美と為す、小大これに由るも行なわれざる所あり。和を知りて和すれども礼を以てこれを節せざれば、亦行なわるべからず。』

「礼」を用いて調和をはかることが大切であると記しています。

「和を以て貴しとなす」をものすごくシンプルに表現すると・・・
Harmony is best.

つまり、

Tea is harmony.
Harmony is best.
⇒Tea is best!

さあ、お茶をやりましょう!^^

物事をシンプルに考えることは、意外と難しいです。
難しいので、意識的にサッと、パッと、緩急豊かな山渓を流れる水のようにお茶を愉しんでいけたら素敵だなあと改めて思います。

「和」は自然との調和、人との調和。天と人、天・地・人の調和を目指して行くことが茶の湯という取り組みなのかもしれないと思います。

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