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自分の実践に影響を与えた本紹介⑩

西村佳哲さんシリーズ第二弾!みんなにもぜひ読んでほしいです!生き方や働き方について考えられる一冊です!


そもそも「暮らしていく」とは

早速「生き方」につながるテーマです。

私たちは毎日、誰かがデザインしたものに囲まれて暮らしている。

『自分の仕事をつくる』西村佳哲、p.57

西村さんはこのようにおっしゃられています。別の言い方をすると、「生きてゆくということは、いろんな人の仕事ぶりに24時間、365日接し続けること」ということです。
確かに、街を歩いたり、ご飯を食べたりする時、その街並みを作ったのはもちろん人だし、ご飯を作っているのも人と言える。自分が住んでいる家も、勤めている会社も、誰かが設計して作ったものだ。誰かが働いたからこそ、人は生きていける。

当たり前のことかもしれないが、今まで考えたことのない視点でした。自分の「働き方」が周りの人の「生き方」に直結していると言えると思います。

人の力を引き出すには

いろんな人の働き方について紹介されているこの本には、会社の社長やリーダーをされている人が多い。その人たちの大きな役割として、部下や仲間の力を「引き出す」ことが大切だと書かれています。
その中で、「褒める」ことや「叱る」ことについて書かれている文章を紹介します。

叱るにせよ誉めるにせよ、それは相手に一歩踏み込む行為であり、その時私たちはその人に対する責任を問われている。また、それが、踏み込む側の自我の誇示として行われる場合には、褒めても叱っても、人の心を拓くことはない」

『自分の仕事をつくる』西村佳哲、p.127

野口晴哉氏の言葉を引用されています。学校で勤めている私からすると、とても心に刺さる言葉です。「褒める」「叱る」という行為は、「指導」する教職員にとって避けては通れない行為でしょう。よく、「叱らない」みたいな本が巷で売られていますが・・・

さて、ここで、大切なのは、そういった「叱る」「褒める」といった行為には、「責任」が伴うということです。
保護者はもちろん、教師やコーチ、上司、社長など、人のことを褒めたり叱ったりする立場の人は、このことを十分理解しておく必要があります。また、野口氏も言われていますが、自分の感情に任せて、「腹が立つから怒る」「嬉しいから褒める」という行為には意味がありません。まさにその通りだと思います。

「自信」をつけるために

この流れで、「自信」についても書かれています。人の力を「引き出す」ためには、リーダーの声掛けや環境が大切ですが、その人自身が「自信」をつけていくことが大切です。
よく「自尊感情(セルフエスティーム)」という言葉を聞きます。日本は特に諸外国と比べて低いそうです。

「大人が子どもに自信をつけてやらないと」と言われています。しかし、この本では、以下のような指摘があります。

自信とは文字通り自分を信じることであり、本来的に他人から与えられるものではない。本人が自分自身で抱くものでなければ、継続的な力の源泉にはならない。

『自分の仕事をつくる』西村佳哲、p.127

人から「自信」をもらうのではなく、自分で「抱く」ものだと。
それではどうすれば良いのか。とにかく、その人の存在を認めること。そして、挑戦への真剣さをきちんとみてあげること。
言葉では簡単ですが、これがなかなか難しい。とにかく、その子の存在をきちんと認めてあげることから、始めていきたいと思います。

そもそも「仕事」とは

最後に、「仕事」について考えて終わりたいと思います。まだまだ、素敵な文章があるのですが、長くなるので、ここまで。

仕事は、自分をつくり、自分を社会の中に位置付ける。欠かせないメディアである。

『自分の仕事をつくる』西村佳哲、p.130

「仕事」とは一体何なのか。自分が生きていくために、お金を稼ぐ「手段」だとずっと考えていました。しかし、西村さんは違います。「仕事」は自分という存在を社会に示すものなのです。

齋藤孝氏は、人は誰でも素晴らしい能力を持っていると言います。しかし、それを発揮する環境に身を置くことができるかは別だとも言います。

自分の持っている能力を発揮できる「仕事」につけているか。自分にしかできない「仕事」を「つくる」ことができているか。
本著は、この後、題名でもある「自分の仕事をつくる」ことについて書かれていきます。ここで全てを紹介することはしませんが、是非読んでみてください!

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