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やしきたかじんさんとパネル芸

十年ぐらい前までは、大阪ではテレビをつけたらやしきたかじんさんの番組がやっていて、よく観ていた。

やしきたかじんさんは、歌手でありながら上方お笑い大賞「審査員特別賞」を受賞したぐらいの面白さを持っている方だった。

やしきたかじんさんで思い出すのは、「パネル芸」と言われるものである。スタッフが準備したパネルに対して、見どころがあればバシバシと「指し棒」で叩いて、ツッコミを入れるのだ。

しかも、指し棒の叩くタイミングが絶妙。指し棒をパネルに叩く回数も歌舞伎の拍子木や合いの手を意識しているのかの如く、本当に巧みに叩き、笑いを誘う。

私が一番思い出すのは、森高千里の「私がオバさんになっても」の歌詞に突っ込むシーン。
いくつか覚えているので、ピックアップしてみる。

秋が終われば冬が来る 本当に寒いわ

たかじんさん「当たり前やないか!」

来年もサイパンに 泳ぎに行きたいわ

たかじんさん「そんなもん、勝手に行って来いや!」

私がオバさんになったら あなたはおじさんよ

たかじんさん「ほんま、ええかげんにせえよ!」

と、万事この調子で歌詞に突っ込んでいくのが好きだった。

今のテレビ番組は、パネルがあっても単に指すだけなので、番組に対してリズム感が出ないので、見ていて退屈になる場合がある。
それに対して、たかじんさんの番組には緊張と緩和があった。

指し棒でパネルを叩いて視聴者を惹きつけ緊張させ、持ち前のトーク力で話の本線から脱線しながら笑いを取る。
たかじんさんは、このリズム感を作るのが絶妙だったのだ。

また歌の話をすると、本来は歌手なのだから、無論凄いのだ。

あの上岡龍太郎さんが、たかじんさんの声を「スズムシの声を持つゴキブリ」と例えたぐらい、普段トークしている声と歌手の声の落差に驚く方も多かった。

「やっぱ好きやねん」、「ICHIZU」、「あんた」、「なめとんか」、「東京」と、知られている曲もたくさんあり、聴けば聴くほどいいなって思えた。

私は今でも、カラオケで歌うぐらい、たかじんさんの曲が好きだ。

大阪を愛し、大阪に拘った人はもう居ないけれども、関西に住んでいる方には今も心に残る芸能人の一人なのかなって思います。

ちょっとある記事を書きながら、やしきたかじんさんの事を思い出したので書いてみました。

明日は久しぶりに大阪駅に行く用ができた。
「やっぱ好きやねん」の発車メロディーを聴いて、大阪駅を実感するんやろなぁ。

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