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願いをこめた折り鶴と銘菓

先日、父からこんなLINEが届いた。

キャャ

緊急事態宣言に伴う旅行客の減少に伴い、父の知人の土産店は閑古鳥が鳴き、厳しい日が続いた。そこで、少しでも力になれたらと父は賞味期限が近いものから大量に購入したのだという。

とはいえ父と母ふたりで暮らす実家でそうそう大量に消費することもできず、知人に配りまくり、さらに配りきれない分がわが家にも送られてきた。

食べきれないどころか配りきれないほど購入するあたりが父らしいと思いつつ、パッケージを手に取ったとき、自分の地元の有名菓子ながら意外とその味が思い出せないことに気が付いた。

人にはよく送るが、地元の人間としてはどうしても店頭のサンプルの印象が強い。

まずは「博多ぶらぶら」。

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久しぶりに食べた。甘すぎず、すっきりとした餡子の味。

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食べながらふと、手元の包装紙を眺めてしまう。博多ぶらぶらをつまみながら、手持ち無沙汰に折ってみた。

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なぜわたしは鶴を折ったのだろう。考えてみたら鶴を折ったことも久しぶりで、途中何度か折り方が分からずYouTubeで折り方動画を見ながら完成させた。折り紙チャンネルだけでも五万と存在するところが時代である。

そして、うまく言葉にできないが、この独特の模様の鶴。…良い。

続いて、石村萬盛堂の和菓子「那の香」。なんとも洒落た包装だ。

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6個入りで1,000円と少々値段が張るが、そのぶん期待を裏切らない上品な味がする。

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……良い。相変わらず折り方を間違えながらなので鶴に少々シワが寄ってしまったが、良い。この気持ちを誰かに言語化してほしい。

さいごに、「南蛮菓 ざびえる」。その名から長崎銘菓と思ってしまいそうだが、実は大分銘菓だ。

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包装紙をひらくとさらに触り心地の良い上質な箱が出てくる。つまみながら、3羽目の鶴を折る。

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……良い。もしかすると外出自粛で退屈を持て余したことで、わたしの脳のツボが浅くなっているだけかもしれない。

それでも久しぶりに地元(一部違うものもあるが)の銘菓を味わい、無心で鶴を折った。

折った鶴たちを並べて撮ろうと思ったら、菓子の写真を夢中で撮っている間に鶴たちは娘の遊び相手になってしまった。

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この一連の自粛生活が幕を閉じたら、美味しい銘菓を手土産に、大切な人たちに会いに行きたい。

今日も、家で写真を撮った。

2020/04/22 こさいたろ


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