忘れられない初恋〜小学校卒業〜
マラソン大会での応援のお礼も言えないまま冬休みを迎え、年が明け、3月期になった。
小学校生活も残りわずか。
僕はともみちゃんと今までのように話せなくなってしまっていた。
ともみちゃんから話しかけられることもあまりなくなってしまい、気づけば昼休みも一緒に遊ばなくなっていた。
昼休み遊ぶようになっていたのも、特に約束もせず、自然な流れで遊んでいて、学期の始まりは前と同じように遊べるのかソワソワしていた。
いつも通りソワソワしていた、3学期最初の昼休み。
ともみちゃんグループは遊びの輪に入ってこなかった。
ともみちゃんがいるから楽しかったただのボール遊びは、ともみちゃんがいないと何ひとつ面白くない。
僕の昼休みは男子ばかりのカラーボール、カラーバットでの野球の時間に変わっていた。
ともみちゃんとの学校生活を過ごせない僕にとってチャンスが訪れた。
校外学習というなの思い出旅行。
僕たちの代は、日帰りでお台場に行くことになった。
この班も修学旅行と同じく男女一緒なれば自由に決めていいと言うことになり、班決めの時間。
僕は、修学旅行も同じ班になった、親友のたかちゃんとアキバとグループを作る。
周りを見渡すと、前回の反省を生かしてか、男女のグループがスムーズに班になっていく。
その中には、ともみちゃんグループもいて、直哉のグループと班になっていた。
直哉はクラスの中心人物で、スポーツ万能で、少年野球のキャプテンもやっていて、ベンチの僕とは違った。
ともみちゃんと直哉。
お似合いすぎて完敗を認めざるを得なかった。
相変わらずうだうだしてしまっていた僕は、目的を失い、より動けなくなってしまった。
気づけば、女子グループと班になっていたけど、誰と班になったのかは、もう覚えていない。
思い出旅行でできた思い出は、お似合いの2人を遠目で見ることしかできない、ほろ苦思い出だった。
ラストチャンスはあっけなく終わり、初恋の想いを伝えられないまま、小学校を卒業した。
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