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なぜデジタル人材が集まらない? 採用担当者が知っておくべき5つの新常識

みなさんこんにちは、トラックレコードの芹川です。
10月から本格的にマラソンシーズンが到来しますが、僕も24-25シーズンの大会スケジュールがほぼ固まってきました。

  • 10月20日:東京レガシーハーフマラソン

  • 11月17日:MINATOシティハーフマラソン

  • 12月1日:NAHAマラソン

  • 1月26日:新宿シティハーフマラソン

  • 2月24日:大阪マラソン

  • 3月9日:びわ湖マラソン

先週末はTOKYO ROKUTAI FESというイベントでリレーを走ってきました。スタートアップ界隈の人の寄せ集めチームでしたが、結果にコミットするみんなの快走により162チーム中18位というまずまずの成績をおさめることができました!

今年も人生最速を更新できるように頑張ります。


さて、僕がマラソンと同じくらい真剣に取り組んでいるのが、様々な企業様の組織づくり・採用のご支援です。
もう少し正確に言うと、

  • デジタル人材(IT人材、DX人材、エンジニア)の採用を通じた

  • デジタル組織の立ち上げや組織拡大を通じた

  • 企業の組織レベルからのDX推進を通じた

  • 日本のGDP成長と個人の仕事のしあわせ最大化

です。

特に最近ご相談が増えているのは、日本を代表するくらい誰もが知っている大企業からのデジタル組織/DX組織の立ち上げや、そのための人材採用に関するご相談です。

はじめる前につまづくデジタル人材採用

たくさんの会社のお話を聞いていると、デジタル人材採用を実現するにあたって、採用活動に関する基本的な認識が社内でズレており、採用活動の動き出しや予算確保に苦労されているケースによく直面します。
このようなケースに共通しているのは、現代の採用市場と採用活動における新しい常識が追いついていない点です。

ここでは、最近の採用環境についてそこまで詳しくない(主に大企業の)方向けに、現代の採用で成果を出すための5つの新常識について解説します。

【このコンテンツを読んでもらいたい方】
・採用施策や予算について、承認をもらう上長・経営層や協力してもらう現場に背景を説明したい人事の方

・自部門で採用したい人材とその採用の大変さについて理解してもらい、さらに必要なリソースを人事部に確保してもらいたい事業部長やマネージャーの方

①めちゃめちゃ競争が激しい

少し前だと、いわゆるITエンジニアを中途で採用しているのはスタートアップや開発会社のようなイメージが強かったと思います。たまに大企業で「AI人材に年収◯◯円」のようなニュースが出ることはあったかもしれませんが、中核人材としてエンジニアをまとまった人数採用するようなイメージはあまりなく、実際採用の現場でもスタートアップと大企業は別の土俵で戦っているようなところがありました。

ここ数年でそうした状況が大きく代わり、いわゆる大手企業も業種を問わずエンジニアやデジタル人材の採用を強化しています。
東証プライム上場で社員数数万人規模の会社でも、中途採用の人数が右肩上がりに増え続けており、その中でもソフトウェアエンジニアの割合が増えています。トヨタですらキャリア採用の半数はソフトウェアエンジニアを計画しています。

そんなわけで、これまであまり競う合うことのなかったような大企業とスタートアップが、採用市場でバチバチぶつかり合うことも出てきており、今後も増えることが予想されます。
これはスタートアップにとっても大企業にとっても強力なライバルになっており、大変です。

ちなみに引く手あまたのデジタル人材、たとえばテックリードクラスのソフトウェアエンジニアやプロダクトマネージャーは、毎日数十件のスカウトを受信しています。
この状況では企業は選ぶ立場ではなく、積極的に声かけをして選んでもらう立場になっているわけです。

②採用活動の根本的かつ不可逆な変化

このようなトレンドは基本的に変わりそうになく、企業の採用活動には根本的かつ不可逆な変化が起きています。
その変化とは、大きな文脈で言えば”一括で集めて選ぶ”時代から、”一人ひとりに個別に働きかける”時代になったということに尽きます。
新卒採用でも中途採用でも同様です。

新卒採用に関しては、集団による一括採用をして、配属先は入社後に決定するような採用がこれまで主流でした(メンバーシップ型雇用)。これは以前から「配属ガチャ」などと言われ、新卒社員の早期離職の要因としても指摘されていました。
最近では、新卒採用においても入社前に配属先を約束するケースも増えています(Job型採用)。実際、三菱電機や住友商事もそのような制度を導入しはじめています。

さらに言えば、「一括採用」という概念自体が形骸化しています。競争が激しい人材や職種においては、学生であっても1on1で向き合うコミュニケーションが採用の成否を分けるようになってきています。学生時代からインターンを経験している人も増えリテラシーも上がっているので、みんなに同じような大きな風呂敷を広げてもダメなのです。

中途採用ではそれがより顕著です。
中途採用においては、募集ポジションの求人を作成したら採用ページで公開し、エージェントに展開し、あとは応募を待つようなスタイルだけで採用を行っている企業では今でも多いです。
その前提としては、応募者が能動的に転職先候補を探して応募してくれるものと思われています。そんなことはあまりありません(あるけど、それだけでは大抵の場合採用枠が埋まりません)。

また、前提としても同業他社など近い業界からの転職を想定しているケースが多いです。業種>企業名で候補者を絞り込みする感覚です。これはデジタル人材のようなジョブ型雇用にはまったく当てはまりません。ほしい人材は全く別の業種・業界にいるし、候補となる企業数も果てしなく多いからです。

現代の採用では、応募待ちではなく企業側からの積極的なアプローチが必要です(要するにスカウト)。スカウト対象になる候補者を見つけるにあたっても、業界や企業名だけではまったく見つけられません。個々人の経歴をしっかり読んで理解して、自社が求める人材要件を判断できないといけません。その上で、個々人の経歴を理解していることが伝わるようなスカウトメッセージを送らないと、見向きもされません。要するに、スカウトは想像しているよりはるかに手間がかかります。

③伝えるべきメッセージの変化

こうした変化を踏まえて、採用活動において候補者に伝えるべきメッセージも大きく変わってきています。
これまでの採用では、多くの採用ページにあるように、

  • 企業理念

  • 事業内容

  • 環境や福利厚生

  • 募集ポジション

みたいなものを最低構成要素、中心要素として発信されてきました。

現代の採用においては、これだけの情報では全く足りません。足りないというのは、候補者に「具体的に検討をしたい」と考えてもらうには不十分です。
あくまで、個人(候補者)主語のメッセージにしていく必要があります。

企業理念は引き続き重要ですが、それが個人の価値観と一致し、共感できるようにする必要があります。そのためには、まず個人の価値観に耳を傾けないと共通点を見つけようがありません。

事業内容は当然伝えるべきですが、その事業において候補者に期待される役割やその重要性まで説明する必要があります。当然、募集職種が違えば職種ごとにそれを明確化する必要があります。

会社全体の福利厚生や社内環境だけでは足りません。大きな会社でみんなが同じように働いているとは思わないからです。実際にどんな人と働くかというチーム単位の情報や、個人の働き方までイメージできるような情報提供が必要です。

どんなポジションなのかだけでなく、そこで得られる成長・挑戦やその後のキャリアパスまで示せることが大事です。キャリアパスについては、社内でのキャリアパスだけでなく、将来の転職を見据えた市場価値の向上にどうつながるかを描ける必要があります。

このように、伝えるべきメッセージはより具体的になり、かつポジション・候補者単位で細分化していく必要があります。
なので、これらを言語化するのにすごくエネルギーが要るという現実を認識して、それをやり切る覚悟が大事になってきます。

④採用手法の多様化

加えて、採用手法がめちゃくちゃ多様化しています。
ビズリーチなどを使ったダイレクトリクルーティングだけでなく、リファラル採用やアルムナイ採用などを取り入れる会社が大企業にも増えています。

これらは採用成果につながる重要なアクションなので積極的に取り入れるのをオススメしますが、現実的な問題として採用活動自体の技術的な難易度が上がっており、採用担当者に必要なスキルの幅も拡大しています。
いずれの手法もなんらかのツールなしでは運用しにくかったりもするので、そのツールを選定したり、使いこなせるまで習熟する手間も馬鹿になりません。

これからも新しい採用手法が生まれてくるという前提で、継続的に情報をキャッチアップし、自社にあった手法を取捨選択できるケイパビリティを持っておかないと、中長期で採用力のある組織にはなれません。

⑤転職エージェントとの関わりの変化

最後に、認識のギャップが生まれやすい点として、転職エージェントとの関わりの変化があります。

エージェントに求人票を展開すれば、それにあった人を紹介してくれると思っている採用担当者は今でも多いです。実際は、そんなに簡単に紹介してもらえることは少なく、「なかなかエージェントに紹介してもらえない(けど、どうしたら紹介してもらえるかはよくわからない)」というご相談を受けることは多いです。

これからの採用においては、転職エージェントに対しても求人票だけでは全く足りず、積極的に情報発信したり関係構築をしていく必要があります。当社ではこの活動を「エージェント・リレーション」と呼んでいます。PR、IRなどと似た意味合いでの”Relation”だと理解してください。

ここに力を入れている企業はエージェント経由での採用にも十分な成果を出せています。「エージェント・リレーション」の詳細については別の記事で紹介しようと思いますが、大事なポイントは、エージェントとの紹介を増やすためには、採用担当者が時間と使ってやるべきことがたくさんあるということです。
これは悩ましくて、「エージェントは待っていれば紹介してくれるものだ」という思い込みが強い組織においては、エージェント・リレーションに採用担当が時間を割けるような人員計画がそもそも承認されず、「成果を出すために必要十分なリソースがない」状態で目標だけ課せられる、つらい状況に追い込まれている採用チームにお会いするケースもよくあります。

採用施策の前に、現状と課題に関する認識合わせをしよう

これもまた後日書くつもりですが、大企業におけるデジタル組織立ち上げ・拡大にあたっては、現場のデジタル部門・DX部門と人事部門の連携がとても重要です。(大企業ではないけど、自社のことをどちらかというと”レガシー企業”と認識している場合は、同様だと考えた方がよいでしょう)

デジタル部門と人事部門の連携を深めるには、どちらが施策を推進するにしても、まず自社や外部環境の現状と課題を、お互いにしっかり認識合わせできていることが必要になります。そうしないと、「なんであんなことやってるの?」「なんで協力的に動いてくれないの?」といったすれ違いが生じてしまいます。

ここでご紹介したような採用市場のトレンドをまず社内のステークホルダーの共通認識化できるように、社内で勉強会を開催したり、採用部門と現場の方が一緒に外部セミナーに参加したりされることもオススメです。

今日時点では具体的にご案内できませんが、弊社でも年内に何回かセミナーを開催するので、もし興味があれば僕か当社社員のXをフォローいただければ、タイムリーにご案内しやすいかと思います。

https://twitter.com/taroserikawa

個別に具体的なご相談も受けつけておりますので、ご要望があればこちらのフォームよりお問い合わせください。
具体的な事例も交えながらもう少し詳しくお話いたします。

当社も採用してます

ありがたいことにチャレンジングな組織課題・採用課題のご相談が増えておりまして、全然人が足りません。

  • デジタル人材(IT人材、DX人材、エンジニア)の採用を通じた

  • デジタル組織の立ち上げや組織拡大を通じた

  • 企業の組織レベルからのDX推進を通じた

  • 日本のGDP成長と個人の仕事のしあわせ最大化

に興味がある方は、是非ご応募ください!


お読み頂いただけでも十分嬉しいですが、サポートして頂けたらさらに読者の皆様に返せるように頑張ります。