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赤さびたフォークリフト

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夫がルアー釣りに行く川の河口に私も時々ついて行きます。

ついて行っても私は釣りはしなくて、その付近を散歩して車に戻り、本を読んだりnoteの記事を読んでいます。

すぐ近くには船の塗装工場があって、大きなクレーンやフォークリフトが忙しく働いていて、そのうちの1台のフォークリフトは全体に赤くさびていて、見るからに古びた感じです。

私はそのフォークリフトを見るたびに、ちょっと胸が痛むのです。

このフォークリフト、工場で働いている人たちに大切にされているだろうか…。

人は汚いものやゴミなどが捨てられた場所、壊れかけた機械や器具などは、ぞんざいに扱っていいんだと思う気持ちが働きます。

ゴミが不当投棄された場所にはあとからあとからゴミを捨て、誰かが汚したトイレはますます汚くなり、使うこと自体敬遠されます。
壊れかけの機械や器具などは、どのみち壊れるから雑な扱いでいいんだと言う気持ちも働きます。

仕事の上でも、自分より能力の劣る(自分が主観的にそう思っている)人への言い方や接し方が、高飛車な人も必ずいます。

わかっていてゴミを捨てる人も、ぞんざいに扱う人も、高飛車な人も単にその人の性格が悪いからではなく、『そうすることをずっと見てきたから』だと思うのです。

これはとても怖いことではないでしょうか。大人なら理性でカバーして、絶対にしっぽを出さない人もいます。でも子どもならどうでしょう。

家族がおじいちゃんやおばあちゃんをテキトーな言葉であしらったり、お母さんがお父さんの愚痴を言って人として敬意を払わなかったら、それを見ている子どもはそれでいいと刷り込まれ、いつしか同じような考えになると思います。

でも反対に、家族がお互いを尊重し合い、思い合い助け合っていれば、子どももそれが普通だと刷り込まれると思うのです。

いずれにしても、子どもは家族からいろんなことを学びます。

そう考えると、子どもにいい環境(家族同士の愛情)を与えなければと思います。

世の中には裕福な家庭もそうでない家庭もあります。でも家族が仲が良いことやお互いを思い合う気持ちに、お金の多寡は関係ありません。

お金がたくさんあっても冷たい人間関係もあるし、お金がなくてもやさしくて愛情たっぷりの関係もあります。

1/∞ の確率でこの世に生まれてくれた子どもたち。すべての子どもたちが温かな人間関係の中で、たくさんの愛情を注がれながら育ってほしいと願わずにはいられません。

あの赤さびたフォークリフトも、他のフォークリフトと同じように愛情をかけて整備され、働いているならいいな…そんなことを思いました。


最後までお読みいただきありがとうございます。

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