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「まん延と新緑」。2021.4.10.

    土曜日の午前9時前。
 日差しは暖かそうだけど、意外と空気が冷たいのは、家を出て感じる。

朝の支度

 小さいスーパーでは、スタッフが忙しそうに動いて、開店準備をしている。
 その、すぐそばの交差点には、女子中学生と思われる団体がジャージ姿で集まっている。そこに、自転車に乗った男子中学生が近づいてきて、ワッと大声を出して、笑い合っている。

 もう少し先の病院の入り口には、すでに一人待っている。

 1000円カットの店も、その先のカット&カラーの前には、今日は誰も並んでいない。

 それでも、今日は人通りが結構あって、小走りの人も目立つ。

携帯電話

 ホームには、20人くらいの人が待っている。
 日差しだけは、暖かく感じる。
 空気はゆるんでいて、もう危機感は無くなってしまっているように思う。

 電車が来た。 
 座席は埋まっていて、1車両に10人ほどが立っている。

 いくつか駅を過ぎて、3つ目の駅に着いて、ドアが開いたら、マスクをしていない中年男性が携帯で話しながら、電車に乗ってきた。
 そのままドアが閉まって、電車が走り始めても、中年男性は、そのまま大きめの声で会話を続けている。
 話が終わってから、マスクを取り出し、顔につけた。
 近くの座席に座っている若い男性が熱心に競馬新聞を読んでいる。

まん延防止等重点措置法

 私鉄の終点に着いて、人が降りて、乗り換えるのだけど、人の流れは多くて、早い。もう、緊急事態宣言でも、今度「まんぼう」が発令されても、たぶん、これは変わらないのだろう、と思う。

 今日も人の流れが強くて、そこから外れて、改札を入ったところのアルコールを使ったのは一人だけだった。

 ホームへの階段を降りている時に、電車が発車して行った。次に乗れば十分間に合うのに、ちょっと残念な気がした。

 ホームで次の電車を待っていると、若い二人の女性が階段を降りてくる。手にはコーヒーと、一人は、ハッシュポテトを持っていて、ホームに並んで立って、食べ始める。

 電車が来た。
 座席は埋まっている。満員までは遠いけれど、でも、すごく空いているわけでもない。

 立っている人たちは、今は、もう普通に吊り革を使っている。一時期は、ほとんど立っている人が使っていない時期があった。

 マスクの静かな車内。

新緑

 ドアのそばに立っていて、外を見ようとすると、ちょうど視線のあたりに小さい広告があることに気づく。視線を塞ぐ位置にあるとも言えるし、必ず視界に入るから、広告効果が高いとも言える。

 桜はもう散ってしまって、外の景色は新緑になっている。

 駅で降りる。トイレに行って、さっき、つい車内のポールに触ってしまったので、せっけんで手を洗っていると、入ってきた男性が水だけでサッと手を洗って、また出ていった。

 改札を出て、構内から出る方向へ歩いていくと、向こうから銀色の缶のチューハイを飲みながら、キャップをかぶった男性が歩いてくる。

 駅から出て、工事中の建物のそばを通る。
 ここは、コロナ禍が始まった頃も、緊急事態宣言の時も、ずっと変わらずに、工事が続いていたと思う。外側だけでも、だんだん形がわかってきた。

 今日は、大きな鉄骨を、クレーンで持ち上げている。ずっと注意を促す機械の声が響いている。

感染リスク

 夕方午後4時過ぎ。
 少しのどかな空気が漂っているように思う。

 今日は、用事が終わった後に、見に行きたい個展があったのだけど、微妙に調子が悪いような気がして、そして、いつも使っている路線よりも、人が多い電車に乗らなくてはいけなくて、感染のことを考えて、残念だけど、今日は、行くのをやめることにして、なんだか少し悲しくなった。

 これだけ気をつけても、こんなに感染者が広がったら、いつかかってもおかしくなくて、でも、家には、ぜんそくの家族もいるから、私もかかってはいけないと思って、やっぱり怖さはずっとある。

 電車に乗ったら、せきをする中年女性がいて、ちょっと怖いと勝手に思っていたら、そのそばに、もっと重めのせきをする男性がいて、それで、その場所から遠いところへ、つい逃げてしまった。

 ちょうど、両側に距離を取れる空席があったので、座る。

笑顔

 正面の座席に男性と女性が並んで座っていて、女性は「マタニティマーク」をカバンにつけていた。少しみていたら、女性が男性の肩に頭を乗せていた。笑顔だった。

 自分が降りる駅について、駅構内の公衆電話で家にかけて、妻と話していたら、そのそばにベビーカーが置かれ、小さな女の子が乗っていた。目が合ったら、自分が舐めている白いキャンディーみたいなものを手で持って、こちらへ見せるように腕を伸ばしてくれた。ただ明るく、邪気のない笑顔だった。

バレーボール

 電車に乗った。
 やけに粒揃いに大きい、ジャージを着た男子学生が、10人くらい乗ってきた。
 つり革よりも高い人も多く、バレーかバスケットかどちらかだと思ったら、大学のバレーボール部だと、カバンのロゴでわかった。

 家に着いたら、ちょうど門から妻が出てきて、塀際のプランターに水をやろうとしていて、おかえり、と言われる。午後5時を知らせる音楽が流れてきた。




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