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キャリアは現場が選択できるようにする。(トップダウンからボトムアップへ)

#コンヒラ #アメーバ経営 #個人経営 #盛心塾神戸 #人事評価

■面白い制度会社を見つけました。
超高収益企業で有名な「ディスコ」です。
経常利益率27%、自己資本比率82%のお化け会社です。

■キッカケは、先般「盛心塾神戸」という経営体験発表のZOOM勉強会に参加したことです。
講師をしていただいた社長に人事について悩みを相談しました。
大雑把に誤解を恐れず書くと「人事制度の基本は、上司と部下間で取り決めた(できるだけ自主的な)目標に対する達成度、実行度を点数化して評価し、報酬に反映する仕組み」です。
この前提は「今より高い目標を目指し、成長を促しながら、結果会社の生産性もあげていく」という考えから来ています。
ところが、社員によっては「給与もあまり上げなくて良いし、キャリアアップもしなくてよいから、自分の好きなように固定業務を、まじめにコツコツしたい」という人もいます。
これは、色々な会社をみて、同じ考えの社員は一定数要ることが分かっていました。

■その時に講師の社長から教えていただいたのは「テンポスバスターズ」の制度です。
テンポスバスターズでは「激流コース」と「菊水コース」という二つのキャリアを準備しており、社員が自由に選べ、かつ変更も可能な制度にしていると教えていただきました。
つまり、収入や収入の増加速度に格差はでるが、それを説明したうえで本人が選択でき、かついつでも乗り換えられるキャリアコースを準備するという仕組みです。

■ここで、思い出したのは冒頭に紹介した「ディスコ」です。
昔テレビで知ったのですが、社員が仕事を落札する制度で、「稼ぎたい社員は、難易度の高い仕事を自分で落札し、その代わり報酬も高くなる」、「産休、育休、介護などで、時間が欲しい人は難易度が低い、固定業務を低い価格で落札する。その代わり報酬も低くなる」という制度です。

■ふと思い出し改めてディスコを検索した結果、以下にリンクを貼っておきますので、興味のある方はどうぞ。


■ここでディスコの取り組みが面白いと感じたのは、個人事業主の集まりのような制度にしていることです。
ディスコは元々、「アメーバ経営」を取り入れて、「部門別採算=部門が一つの採算会社」という経営スタイルをとっていましたが、さらに進化されて「個人別採算=個人が一つの採算会社(あたかも個人事業主)」にする制度にしていることです。

■細かい制度設計は、皆さんが別途ネットで検索すれば分かるので割愛しますが、私が感心したのは「個人単位で、外の市場経済環境を社内に作り込んでいる」ということです。
この制度では「出世したくない、給与もあまり増えなくて良いから、コツコツと定型業務がしたい」という人は、自分で立候補してそれを選択でき、「今は儲けたいから、難易度の高い仕事を自分から受けて高い報酬をもらう」という選択もいつでもできるということです。
その情報をキチンと社内に開示して選択できるようになっているのです。
ただし、あまりにも難易度の低い仕事しか受けないのであれば、回ってくる仕事自体がなくなり、結果立候補したくても、他の生産性の高い人に仕事を落札されてとられるという市場原理も働くので、そこでわがままで仕事を取りに行かない人は、自然にブレーキもかかるようです。
異動も、勤務地も、仕事の選択もかなりの範囲が現場で決めることができるので「究極のボトムアップ制度」になっているようです。

■当社は、緩やかな「アメーバ経営」を運用し、「人事制度はトップダウンと、ボトムアップのハイブリッド」にしています。
そのうち「ボトムアップの人事で、キャリアアップしたくない社員への処遇」で悩んでいましたが、やっと「こうすればよいのだ」という方向が見えました。
それは「現場の選択肢を準備する」ということです。

前向きに悩んでいれば、必ず答えは現れるものですね。

壁がある。だから行く。コンヒラsince1973

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