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【前編】犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉

子ども向けオンライン動画制作教室「FULMA Online(フルマオンライン)」を運営するフルマの齊藤です。

犯罪心理学者という点で非常におもしろいと思い買った本が
出口保行さんの著者「犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉」です。
(記事下部にリンクを掲載させていただきました。)

1万人以上の犯罪者・非行少年を心理分析して目線で子どもにどんな声かけをするといいのか、逆にどんな言葉は悪影響化がまとめられています。

「みんなと仲良く」「早くしなさない」
「勉強しなさい」「気をつけて」「何度言ったらわかるの」

これらの言葉悪影響だと筆者は述べていますが、
結構使いがちではないでしょうか。
ドキッとした親御さんも多いと思います。

今回はこの書籍を読んだ感想をまとめていきます。

少年院の先生(法務教官)からみた問題生徒の親の共通点

非行に走るのは子ども本人が問題ではありますが、やはり親自身にも問題があるケースが多いようです。
そしてそんな親に共通する問題点のトップ3は以下のようになります。
①子どもの行動に対する責任がない
②子どもの言いなりになっている
③子どもの行動に無関心である

いずれも「自分ではなく子どもが勝手にやったこと」と捉えており、子どもに対して責任を持つことを放棄してしまっているケースが多いようです。

うちはそんなことない!と思うご家庭の方が多いかもしれませんが、著者は親が「良かれ」と思ってやっている行動にこそ問題が潜んでいると述べています。

なぜなら「子どものためにやってきた」ことが否定されると、それをなかなか認められない、場合によっては逆ギレしてしまうケースがあるからです。

少年院の更生率8割〜9割であり、子ども自身が的確な更生プログラムを受けることができても、親自身が変われないケースがあるようです。

確証バイアスの危険性

確証バイアスとは、心理学の用語で、自分に都合の良い情報を無意識に集めてしまうことをいいます。
うちの子にはこれが合っている。
うちの教育方針はこうだ。

そう思い始めると、周りの情報が遮断され、子どもがもっと自分を見て欲しい、認めて欲しい、そんなSOSにも気付きにくくなるというのです。

また夫婦で教育方針が異なる場合も注意が必要です。
「お母さんはああ言ってたが、お父さんはこう思うぞ」と別々のことを言われると子どもは混乱します。なんとかそれぞれが求める別々の顔をつくろうとしますが、当然長続きはせず、大きなストレスになります。

少年院に入った保護者に対するアンケートで、子育ての問題点として
「夫婦の子育ての方針が一致していなかった」が高い比率で選択されています。
またもっとも多い回答は「子どもに口うるさかった」が選ばれており、母親については約7割がそのように回答したそうです。

つまり、私は子どものためにこんなに頑張っているのに、夫は何も協力してくれない、何もわかっていない、となり、子どもへの口出しがエスカレート。私が指導しなくてはいけないと思い、さらいにバイアスが強化されていくという負の循環が起こります。

「みんなと仲良くしなさい」の呪い

著者は「みんなと仲良くする」はきれいごとであり、実際には大人を含め誰もできない、それを子どもがそうしなければいけないと思い込むと苦しくなると伝えています。
合わない人に合わせる必要はないし、仲良くする必要もないことを伝えた上で、心理的な距離を学んでいくことが大切です。

仲良くしなさいにしろ、誰々と付き合うな、にしろ、子どもの気持ちを無視して親が支持し続けると家庭が刑務所化するといいます。

プリゾニテーション(刑務所化)というのは、常に言われたことに従うことになれてしまい、個性や積極性が失われることです。

周りと仲良くできる協調性ばかり目を向けていると大切な自己主張ができない大人になってしまう可能性があるので、声かけには注意が必要です。

センセーション・シーキング

センセーションとは刺激
シーキングとは求め続ける
という意味です。

子どもの興味を押さえつけてしまったり、子どもが興味関心をのびのび追求することができず、抑圧されてしまうと、「普段の生活がつまらないから」とネガティブな先生ーション・シーキングに向かってしまう可能性があります。
子どものセンセーション・シーキングを親が認め、応援してあげることが大切です。
「それ追求しても意味ないんじゃない?」
「こっちの方が役に立つんじゃない?」
と否定したり、無理強いはしてはいけないのです。

早くしなさい、がなぜだめなのか

正確には「早くしなさい」がダメというよりも、理由なく急かすのが良くないということです。それは事前予知能力が育まれないためです。
事前予知能力は、非行・犯罪臨床の中でよく用いられる言葉で、簡単に言えば「先を読む力」のことです。
この力は発達の過程で事後的に身に付く能力であり、自分で考えて逆算して考える機会をどれだけ経験してきたが重要です。
この力が弱いと、「今がよければいい、あと先のことは考えない」と思いマイナスの行動をとってしまうことになります。
周りの命令に従ってばかりだと育まれにくいので、子ども自身に考えさせて行動する機会を増やすといいのではないでしょうか。

頑張って!の注意点

どんなことばを使うか以上に、子どもがことばをどう受け止めるかが重要です。
例えば、国語の成績が2→3に上がったとします。子ども自身はすごく嬉しかった。しかし、家に帰ると「3で満足しちゃダメ、まだできるよ、頑張って」と言われます。
子どもは頑張って成績が上がって褒めてもらえると思ったのに、
親から頑張ってと言われました。
どんなにがんばっても、結局ずっと認めてらえないんだ、そんなふうに受け取ってしまうと、それから先がんばるモチベーションがなくなってしまうかもしれません。
非外観や疎外感が強い子にとっては、ポジティブな「頑張って」という言葉も否定的に受け取り、「ばかにしやがって」と受け取るケースもあるのです。

親としては、どんな声かけをしているか以上に、子どもがどう受け取っているかをきちんと観察しておくことが重要です。

学習性無力感

学習性無力感とは、行動しても結果がでないことを何度も経験するうちに、やる気を失い行動しなくなる状態をいいます。

子どもに対して、結果だけを評価するとこの問題が起きる可能性があるため、努力のプロセス自体を褒めることが大切です。

また「やる気がなさそうに見せているだけ」というケースもあります。
頑張っているのがカッコ悪いと思っているので、「頑張ってるね」と声をかえると「うるせー」と反抗するケースもあるので、「おっ、やってるじゃん」だけでいいのです。

ご褒美は逆効果なのか

子どもに頑張って欲しいとなると、ご褒美を用意しようと思う親御さんは多いのではないでしょうか。
そもそも動機付けには2種類あり、
「外発的動機付け」を「内発的動機付け」があります。

「外発的動機付け」とは、
評価や報酬を与えて次の行動を促すというものです。
「内発的動機付け」とは、
課題達成によって発生する本人の充実感が次の課題達成を生み出すというものです。

またこれらの関係性として
「アンダー・マイニング効果」があります。
もともと内発的動機付けられた行為に対して、外発的動機付けを行うことでモチベーションが低下してしまう減少です。
例えば、
最初は楽しくて本を読んでいたのに、後から「1冊読んだらご褒美あげるね」と設定した場合、行為の目的が「報酬」に変わり、報酬がなければやらない、という状態になるのです。

そのため、なんでもご褒美をあげる、というのは望ましくありません。何かした行動自体よりも、意欲を持っていること自体を褒めると、さらに意欲が高まります。プロセスを褒めながら、親自身も嬉しいことを伝えることが大切です。

子どもが失敗したり、うまくいかなかった場合は?

逆境や困難を乗り越える力として「レジリエンス」という言葉があります。

心理学の分野でレジリエンスが広まったのは、第二次世界大戦で強制収容所から生還したユダヤ人の子どもたちの研究でした。
彼らのその後を追跡すると、過去のトラウマから抜け出せない人と、人生を前向きに生きている人がいることがわかり、前向きに生きる人たちの共通点がレジリエンスでした。

レジリエンスを育むには失敗して落ち込み、そこから回復するのを繰り返すことが重要です。親としてできることは、原因追求よりも、希望の光を示す声かけなんだそうです。
「きっと良くなる」「大丈夫だよ」そんな希望を感じさせてあげることで、もう一回頑張ろう、そんな気持ちが子どもの心に湧いてきます。

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